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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イギリスの歴史(46)戦後の体制(1) (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

イギリスの歴史(46)戦後の体制(1)

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

18/05/21

今日は、イギリスの歴史シリーズです。何十回も歩みを重ねてきて45回目ということですが、前回戦争の話が終わりまして、戦後の話へ移ってきます。こうなると皆さん「ああ、あれだよね」と直接分かる話が多くなってくると思うので、時代としては数十年前ですが、ここから先まだ暫くお話が続くことになるかと思います。

 

今日はその戦後の体制の第1回目ということで、戦争をきっかけにして世界№1の地位がイギリスからアメリカに移ったという話はしました。その原因は誰が見ても明らかで、直接本土がやられてしまったかどうかということで大きく差があります。イギリスもとうとう年貢の納め時だったのかもしれませんが、とにかく戦費が嵩んだ事でイギリスの経済が非常に悪い状態になり、アメリカが大体ヨーロッパ諸国に対して支援をしました。これをマーシャルプランと呼びます。マーシャルというのは、トルーマン大統領の下にいた人の名前です。1947年の戦後まもなく、西ヨーロッパを中心にした諸国の復興計画に支援を出すという内容でした。本来はマーシャルプランというのは、名前は有名ですが、別に西ヨーロッパに限ったものではなかったそうですが、当時冷戦が始まっていたので、東側は受け入れを拒否したというような歴史があり、結果として西ヨーロッパを中心に支援をしたという形になっています。金額としてはイギリスはこれによって受けた支援額は絶対額としてはかなり大きかったようですが、元々経済の規模が大きかったので、与えられたインパクトいう意味で大きな方ではなかったようです。いずれにしても支援を受けたことは間違いありません。経済はそのおかげもあってか、50年代くらいになってくるとだんだん回復傾向にはなってきたということが言えるようになりました。

 

アメリカからしてみるとお金を出したのはいいですが、その後、そのお金でアメリカの製品をいろいろ買ってもらうというようなことがあったようで、二重にいいことがあったと思います。手助けをしたという名誉と、その後の経済的なおまけもついてきたという形で、アメリカとしては良かったのでしょう。私たちからみても上手くいったのではないかなという印象をもつやり方でした。ただ、これが冷戦のコンテクストの中で段々、支援が財政的なものだけではなく、軍事的な事にも繋がっていったというのが流れです。それから後の話はまた追々していくことになります。

 

一方、イギリス政府がどうなっていたかというと、これは有名な話で、労働党の政権が出来上がりました。前から何度か出てきている言い方ですが、この労働党の政権の福祉政策を指して、俗に「ゆりかごから墓場まで」と言われます。生まれた時から亡くなる時まで、生活に必要な事は面倒を見るという形です。本当にそうだったかどうかはわからないところもありますが、国が面倒を見るということです。

 

その流れが転換期を迎えたのが、所謂サッチャー政権の頃で、このようなことをやっていると財政破綻するという形で大ナタを振る流れにつながります。それまでのしばらくの間、労働党政権の高福祉政策が続きます。その第一弾として、1946年の事ですが、国民保険法というのが出来まして、ここから年金の制度が出来上がります。そしてもう一つ有名なNHS、これは何の略かというとNational Health Service、国民保健サービスというものですが、これは1948年にでき、医療が原則無料ですよ。これはすごい制度で、私が連れていく学生さんも時々NHSのサービスでお世話になることがあります。短期の滞在の学生でも条件がうまく合うと無料になることがあって、その学生さんを診てもらって、帰りに会計のところで「いくらだ」と言ったら「は?」ときょとんとされました。「お金?要るわけないじゃないか」と言われました。「なんでだ?」と言うと、「NHSだからね」と言ってニコニコしていました。

 

イギリスでは今でも病院代は掛かりません。但し、前からよく言われるように、病院で待たされるなどの色々な不都合な面があって、お金持ちの人たちは民間の病院へ行って10割負担でもいいから高い水準の医療と素早い手術を受けるというようなことになっています。やっぱり経営が上手くいかず、私も向こうに行くとよく新聞やニュースで見ますが、NHSの病院が統廃合されて合理化されるというニュースはよく向こうのマスコミを賑わします。だから、もちろんいいことばかりではありません。その辺りが破綻しかけてきているので、今どうしようかということで色々と大変な事になっています。ただ、面白い制度で、GPの制度と言いまして、何の略かというとGeneral Practitionerと言いますが、一般開業医と言ったらいけなくて、かかりつけ制度です。一般の人たちは必ずかかりつけの医者がいて、何かあったらそこに行って、何科にかかればいいかという紹介をしてもらって行くという制度です。日本だと患者が自分で判断しないといけません。そこが違うところで、これは良い制度だと思っています。このように、国が大きな政府として面倒をみましょうという流れになって、その後、このような保険や病院だけではなく、電気、ガス、水道、鉄道、石炭、鉄関係などがどんどん国営化されるという流れが出来たという話くらいまでに今日はしておこうと思います。

 

今日のまとめです。戦後、世界第一位の地位をアメリカに譲ったイギリスですが、福祉政策を担った労働党政権が発足し、マーシャルプランの元で経済復興を少しづつ遂げて、そして国営化の流れが出来たという最初の出だしの部分を見ました。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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