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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > アメリカの貿易赤字と北朝鮮対策 (企業財務 M&A/村藤功)

アメリカの貿易赤字と北朝鮮対策

村藤功 企業財務 M&A

18/05/16

今日はアメリカの貿易赤字や北朝鮮、イラン問題をお話ししようと思っています。貿易赤字が2017年に7,962億ドルあったのですが、この内半分近くが中国です。アメリカの計算だと3,800億ドル中国に対して赤字です。アメリカからするとあまりに大きいので、2,000億ドル削減してくれと。今年の6月から1年で1,000億ドル、来年の6月から次の1年でまた1,000億ドル、合計で2,000億ドル削減してくれと言っています。なぜそれが出来るのかと言うと、赤字は企業の輸出が原因なので、中国政府が企業の統制を強化して欲しいということです。それってある意味、自由主義ではないですよね。

そんなことが本当に出来るのでしょうか。今までアメリカがやってはいけないと言っていた企業に対する政府の介入をやれと言っている話で、習近平国家主席も対応に苦慮しています。ただし、トランプ大統領は今度中間選挙をするのですが、大豆輸出の60%は中国向けであり大豆の産地がトランプ大統領の大票田なので、アメリカからの大豆輸入をなかなか出来ないようにするという作戦で習近平がトランプをいじめています。

ただこれ、世界第2位の大国なので、これからどのように貿易でケンカするのかというのが心配です。トランプ大統領が海外で何をしているとかと言うと、この前はイラン核合意からの離脱がありました。2015年にイランと6か国合意をして、イランが簡単に核開発出来ないようにするかわりに制裁をしないようにしようと言っていたのを、5月8日にアメリカは良くない合意だから離脱すると言って制裁を再開したのです。イギリス、ドイツやフランスは、核合意は良い内容と思っているので離脱しないでくれと言っていたのだけど離脱しました。

一番恐れられていた事は、アメリカが核合意から離脱するならイランが核開発を始める事です。6か国の核合意は破棄すると言ってもおかしくなかったのだけど、とりあえずイランの指導層のハメネイ師とかロウハニ大統領とかは、核合意に残っているイギリス、ドイツ、フランスあたりと交渉して、ヨーロッパも合意を崩壊させるつもりだったら核開発するけれど、もしヨーロッパが何とかするというのなら合意は維持するという方向になっています。

一番怖い事は、合意が崩壊して周囲の国に核開発が波及する点です。イランも核合意を破棄すれば核爆弾を作ることになるのですが、周りの国もイランが作るのだったらうちも作るぞと、サウジアラビアとかトルコとかエジプトとか、中東にどんどん広がっていって収拾がつかなくなってしまうということが一番怖いわけです。

アメリカからするとイラン問題と北朝鮮問題という2つの爆弾を抱えています。北朝鮮はアメリカと戦うのは分が悪いと思ったのか、3月に突然列車で北京に行きました。そして習近平国家主席に会って中国の支援を求めたのです。そのあとも色々交渉していて、どうも中国を前面に打ち出さないと分が悪いと思った気配があり、5月になって2回目の電撃訪問をしました。今度は大連に飛行機で行って、そこに習近平国家主席が来るという事でみんなびっくりしたのです。

オリンピック後に、韓国が出来るだけ北と仲良くするという方針から、中国やアメリカを巻き込んでアメリカと北で会談するというような話になっています。北朝鮮と、中国、韓国で段階的合意をしていこうというのに対して、アメリカと日本は一気にやってくれないと困ると主張しています。最初CVID(Complete, Verifiable, Irreversible, Dismantlement)と言っていたのですけど、途中からコンプリートがパーマネントに変わって(PVID)、永遠に続く核放棄という事にしようということになっています。

これらが海外の状況ですけど国内でも色々起こっています。10年で1.5兆ドルの減税に成功して2年で3,000億ドルの歳出上限引き上げをしたので、入ってくるのは少ないのに出ていくのは多くなり、財政赤字が拡大する見込みです。これに共和党の保守派がかなり怒っていて、先日、今年度の予算の中から弱者向けの予算を150億ドル削減するという要請をしようとしているところです。

今このような状況になっているのですが、トランプ大統領の支持率はどうなっているか知っていますか? ざっくり言うと、世界では30%で国内では40%と、ちょっと微妙な数字でしょう。中間選挙が秋にあり、これで誰が勝つのかが一番気になります。アメリカには上院と下院の2つがあり、上院は一度に改選せず100人の定員の中で35人だけ改選します。現状は、上院全体では共和党51人対民主党49人で、改選される35人の中では民主党が26人、共和党が9人います。もし民主党が26議席全部取ったとしても共和党の9議席の内の2議席取らないと、上院で過半数を取れません。これはそんなに簡単な事ではなく、ちょっと難しいかもしれません。一応共和党員はかなりトランプ大統領を応援しているという現状です。ただし、下院は435人全員改選する予定なので、国内支持率40%だと民主党がまず勝つだろうという見込みです。そういう意味では、上院は分からないけど下院は民主党が勝ち、民主党が勝ったら大統領弾劾の可能性が出てくるという状況になってきており、相変わらず目が離せないということですね。

今日のまとめです。トランプ体制から、トランプの反対派がどんどん消えていきました。ロシアゲートが深刻化していて、EUや国際社会からの信頼が失われつつあります。差別主義や保護主義も継続しているのですけど、11月の中間選挙に向けてトランプ大統領は色々とポイントを稼ごうとしているということですね。中国に対する巨額の貿易赤字を減らそうとしている一方で、イランの核合意や北朝鮮の金正恩との会談だとかがどう進むのかによって、これからが変わってくるという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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