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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学28社会観⑧学問の使命 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学28社会観⑧学問の使命

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

18/05/15

⑴概論①②、(2)宇宙観:①繁栄の基、②生成発展、③大義、④調和の本質、⑤自然の恵み、⑥素直な心、(2)人間観:①人間の目的、②人間性、③理性と本能、④善と悪、⑤欲望と善悪、⑥信と解、(3)人生観:①人生の意義、②天分の自覚、③人間としての成功、④礼の本義、(3)人生観:①人生の意義、②天分の自覚、③人間としての成功、④礼の本義、⑤信仰のあり方、⑥礼としつけ、⑦悩みの本質、⑧健康の原理、(4)社会観:①、繁栄の社会、②国家と世界、③国民生活の意義、④調和の思想、⑤経済の目的、⑥生産と消費、⑦富の本質、⑧学問の使命


1.はじめに
松下幸之助の経営哲学をシリーズでお話しています。
【松下幸之助の哲学の内容】
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 宇宙観から始まる松下幸之助の経営哲学のうち第四の側面である「社会観」について解説していますが、これはさらに次のような項目に分けられます。今回は前回の続きで、「学問の使命」についてお話します。
【社会観の内容】
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2.学問の使命
・自由を広げ、秩序を高め、社会の生成発展をもたらすところに、いっさいの学問の意義があります。
・自由を狭め、秩序を乱し、生成発展を妨げるものとは、個々の学説にとらわれ、学問の総合調和を欠くところにあります。
・学問の意義を悟り、これを生かす力は、賢愚ともに、素直な心に生きることによって生まれます。そこから、よい政治、経済、文化が興り、人類は栄えます。

 「学問の使命」に関して、次の三つのことを述べております。第1は、学問は人間の自由を広げ、秩序を高めながら社会の全体的な生成発展をもたらす点にその意義があります。第2に、逆にいうと、自由を狭めたり、秩序を乱したり、生成発展を妨げるというのは、学問の個々の学説に囚われすぎていて、学問の総合的な調和力に欠けているからです。第3に、学問の意義を悟って、これを活かす力は、みんなが素直な心で生きることによって生まれてきます。これによって良い政治、経済、文化が興り、人類は栄えます。

3.実用を離れて意義がない
 個々の国民が自由に発想出来るようにということが一番重要です。しかも、個々は自由に活動しているけれども、全体として社会に秩序が保たれている、という自由と秩序のバランスがとれている必要があります。ただ単に、自由過ぎてはいけないし、しかし自由がある中でも社会の秩序がしっかり守られているという状況が理想形で、それによって社会を生成発展させていくことです。中国の諺に「心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず」というのがありますが、これは、自由と秩序とが完全に調和した姿であり、これが理想形です。個々の個人が個別的に自由に活動して、個々が持っている天分やそれぞれの才能が完全に発揮されると共に、全体としては秩序が正しく保たれている社会にしていくために、学問の使命はあります。

 したがって、このような社会を作り上げるための原理とか応用を極めることが学問の使命です。さらに、学問は実用を離れて意義はありません。要するに、このような自由や秩序が保てるようなことにならない限りは、机上の空論であり、学問の意味がありません。

4.正宗の名刀を生かすのは人
 逆に言うと、学問が、心の面においても体の面においても、自由を狭めたり秩序を乱したり、人類の生成発展を妨げる理由は、個々の学説に囚われすぎていて、学問の総合化を図ることをしないからです。現在世界の主要な研究方法である西洋的な科学の研究方法は細かく細分化し、個々の出来るだけ細かいところの秩序や法則を見出し、科学を発展させてきています。しかし、それだけでは全体が見えなくなります。それは、部分最適ではあるが、全体最適になっていないことが問題です。今アメリカ大統領は何とかファーストと言っていますが、自己だけファーストにすると、全体が上手くいかなくなります。そうではなくて、世界全体が上手く調和して秩序が保たれるようにするという大きな見方をして総合化を図るようなことを学問はしないといけません。
 したがって少し前の話ですけど、マルクス主義と資本主義の対立がありました。マルクス主義と資本主義にはそれぞれ一面に真理を持っており、マルクス主義が崩壊して資本主義になったから資本主義でいいのかと言うとそうでもありません。例えば、リーマンショック等で株の大暴落等があった後、2010年時点では約360人の所得と全世界の人口の半分の所得が同じでした。しかし、2017年には、8人で全世界の人口の半分の人と同じです。今の経済は貧富の格差非常に大きくなってきており、もっと個々を見るよりも全体を見て、自由かつ全体の秩序を乱さないように、しかも全体が生成発展していくことを考えることが非常に重要です。
 それでは、どの様な心構えで学問をすることが必要かというと、「素直な心」です。素直な心とは、我が無いこと(無我)ですけれども、要するにあまりエゴを出さないで、個々の学説や偏見に囚われないで素直に事実をありのままに見ていくということが重要です。このような素直な心で学問をすることによって、全体を考えながら自由でかつ秩序を保ちながら、生成発展をすることを考えることが必要です。

5.むすび
 松下幸之助の経営哲学のうち社会観では、「学問の使命」に関して、自由を広げ、秩序を高め、社会の生成発展をもたらすところに学問の意義があります。

〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』PHP文庫

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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