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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 習近平政権の長期化 (企業財務 M&A/村藤功)

習近平政権の長期化

村藤功 企業財務 M&A

18/04/12

今日は中国の習近平政権が長期化しそうだという話です。中国は2050年までにアメリカと並ぶ超大国になろうとして様々な事をしているのですが、アメリカと結構揉め始めています。何で揉めているのかというと、アメリカに対して3752億ドルの黒字を持っているのです。40兆円位、中国が黒字なのです。

とんでもない金額で中国としてもアメリカからの輸入を増やさないといけないだろうという事で色々してはいるのですけれども、アメリカとしてはやってはもらうのだけどすぐに中国に対する貿易赤字がなくなるようになるとは思えないのです。トランプ大統領ですから、プレッシャーをかけているわけです。まず、通商拡大法232条を使って、3月23日に鉄鋼製品に対して25%、アルミには10%の関税を掛けようとしました。中国はちょっと待てと。アメリカからの輸入を増やそうと思っているけど、闘ってくるのだったらうちも黙っていないぞということで、豚肉やワインを中国がアメリカから輸入する場合には関税を掛けるぞ、とちょっとジャブを打ったのです。

今度は、アメリカが通商法301条を持ち出しました。「中国製造2025」という中国が国家戦略として発展させたいIT・ハイテク分野を発表しているのですけど、それを狙った形で1300項目に関税を掛けると言ったのです。その翌日に中国は、そんな事をするのだったらうちも黙っていないと言って、大豆だとか牛肉だとか自動車とか飛行機をアメリカから輸入する場合に関税を掛けるとしています。

通商拡大法やそれに対する中国の報復はもう始まっている話ですが、通商法301条の1300項目は中国の出方を待ったり、アメリカ国内や他の国が何を言うのかを見たりしながら、6月位に決めるという状況で、まだ関税は掛けていません。中国の大豆や牛肉だとか自動車に対する関税もまだやっていなくて、そっちがもしやるのだったらこっちもやるぞみたいな、お互いにジャブを打ち合っているのです。

最初の通商拡大法はもう始まっているのですけど、通商法の話はこれからやるぞという風に言っているだけなのです。二つの大国が本当に貿易戦争をしはじめたら大変な事になるので、多分それなりの対応がなされて本当の貿易戦争にはならないだろうという見方がマジョリティです。しかしあのお二人の事ですから、何がどうなるかよく分からず、ウォッチが必要です。

習近平主席は国内的にも大変な事になっています。この間の党大会で2020年に小康社会、2035年に現代化強国、2050年にアメリカと並ぶ超大国になるということを言い、全人代で2期目の国家主席になりました。これまでは中国は憲法で、国家主席は2期目までという事になっていたのですけど、任期が撤廃されてしまったのです。3期目だけでなく、4期目も5期目もあるいは死ぬまでやるかもしれません。

毛沢東みたいに死ぬまでトップでいようとしているのではないのか、という疑惑が出てきたのです。習近平主席を支えていた王岐山はトップ7の定年になったので定年を撤廃すると言われていたのだけど、撤廃されませんでした。その為、トップ7からは外れたのだけど、国家副主席という国家のNo.2のポジションになりました。また、李克強首相はそのままの地位にいるのですが、習近平の言う事を聞く劉鶴が副首相になり、今度は李克強首相ではなくて劉鶴副首相がどうも経済政策を担当するという状況になってきています。

軍事・警察についてですが、以前中国の軍は国の軍ではなく共産党の軍だという事を申し上げました。テロ対策をやる人民武装警察部隊(武警)という組織があり、これまでは政府の国務院と中央軍人委員会という党の組織の両方につながっていたのですけど、もう国務院はいい、軍に関係を一本化するという話になりました。さらに、海警局という領海警備をやる組織も、公安省という国務院の一部門に対してこれまで報告していたのですけど、武警の傘下に入る事になりました。武警や海警局といったテロ対策や領海警備をやる組織が全部軍の支配下に入ったということで、軍との連携がこれから図られるでしょう。これは、尖閣の辺りで揉めていると軍が出てくるという様な体制になるのかもしれないという事です。

アメリカと並ぶ世界の超大国になろうとしている中国としては、まだ軍事予算はアメリカの3分の1も無いのですけど、それでも日本の3倍以上あるのです。富国強兵という昔明治政府が言っていたような言葉を並べて、一帯一路で陸のシルクロード、海は南シナ海やインド洋から地中海へ抜けてヨーロッパへ行くというルートを建設しようとしています。沿線に70か国あるので、民間利用だけでなくて軍事利用にそれを使うとか、お金を貸してインフラを造り、借金が返せなかったらその港や道路・橋を頂きますみたいな感じで中国の支配エリアがどんどん広がってきているという状況です。

経済も二桁成長からは随分下がってきているのですけど、それでも2017年は6.5%前後の成長目標に対して6.9%成長を実現しました。今年も6.5%前後の成長を予定しているという様な状況です。

今日のまとめです。中国が安定成長しつつあるという事ですけど、一帯一路戦略で陸のシルクロード、海のシルクロードを整備して、民間利用から軍事利用も可能にしつつあります。また、習近平は憲法にあった国家主席を2期までとする規定を撤廃して、もう永遠に在位出来るようにしたという状況です。アメリカとしても黙って見ている訳にもいかず、40兆円位の赤字をなんとかする為に、通商拡大法や通商法を使って関税を引き上げようとしているのですけれども、中国もアメリカの気持ちも分からないことはないと言って輸入を拡大しながらも、闘ってくるんだったらこっちも黙っては見ていないという形で対抗しようとしているという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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