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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > インサイトシンキング② (クリティカル・シンキング、顧客インサイト/溜田信)

インサイトシンキング②

溜田信 クリティカル・シンキング、顧客インサイト

18/04/23

「ビジネスシーンにおけるコミュニケーション」ということで、どのようにしてコミュニケーションを図っていったらいいかについてお話しています。前回は、ビジネスの中で「論理的に考える」とはどういうことか、どのようにしたら論理的な思考が構築できるのか、というお話でした。今回は、「論理的」ということについて考えていきましょう。

実は、世の中の「自分は論理的に考えている」と感じている人たちには、2つのタイプがいます。一つは「理系人間」と呼ばれる方たちです。まさにエンジニアタイプの方ですね。そうした方たちに「あなたは達論理的ではないですね」と言ったら、おそらく顔を真っ赤にして怒るでしょう。もう一つのタイプが、「文系タイプ」の方です。彼らは自分自身ではロジカルだとは思っていないかもしれませんが、ビジネスの世界での「論理的」とは、「説得力がある」という言葉と同義です。そのため、文系的な方の中にも非常に説得力のある方がいます。一般的に論理的な思考というのは、理系の人の方が得意だと考えられていますが、そうではありません。では、エンジニアの方の考える「論理的な話」と、文系の方が考える「論理的な話」との差は何なのでしょうか。これを今日のテーマにしたいと思います。

エンジニアの方とビジネスマンの方、経営者の方はうまく会話ができないという話を時々耳にします。私もエンジニアとして10年勤務した後に営業に変わった経験があるため、周りの人の考え方と自分の考え方が違うことに戸惑い、エンジニア的発想だけでは物事が進まないと感じたことがありました。

ここで一つたとえ話をしましょう。
例えば「あの山の頂上目指そう」という目標があった場合、エンジニアの方はちゃんと山道を登るにはどうしたら良いかと考えます。しかし、営業の方と話をすると、すぐに「ヘリコプターを利用しよう」という考え方をする人がいます。「要は山に登ればいいんでしょう」と考えるわけです。稀にすごいスーパー営業と出会うと、「ヘリコプターを利用して上ると、ヘリコプターにお金がかかるので、山を爆破して低くしてしまおう!ダイナマイトで爆発しよう」と考える乱暴な人たちもいます。

これはあくまでも比喩ですが、エンジニアの思考と営業の思考はこれほど違うということです。その後のコンサルタントの経験や、グロービスで教える経験を通してこの違いについて考えてみたところ、エンジニアというのは、決められたルールの中で考えるという特徴があることに気づきました。理系の人間は、数学や物理が好きな方が多いですが、公式があり、その公式に基づいて問題が解けることを気持ちいいと感じるというのが理系のロジックです。一方文系の方は、「人とコミュニケーションする」「人を説得する」という面で、その人間の考えは必ずしもロジカルではなさそうな気がしますが、どうやって人を説得したらいいのだろうかと考えたり、新しい事業をする中でどういう方向に行くと正しい決断ができるだろうかと考えたり、前例もルールもないことを決めなるためにロジカルに論理的に考えています。その論理的な世界は、理系的な論理的と対比して例えるとすると、「ルールをつくる世界」です。「うちの業界はこういう業界だ」というように、こちら側とよその業界との境界線を自分で決められます。この業界ではこうやれば勝てる、規模を大きくすれば勝てる、差別化をすれば勝てるというように、勝敗を決めるルールも自分で見抜きながらその先の戦略を立てていくわけですが、実際に実行に移すためには、その戦略を自分の部下や仲間にうまく説明しないといけません。そこで、うまく説明するということは相手を説得するということですから、そこには何らかの論理が必要です。前回お話したように、その論理の構造をきちんと考えて、うまく説明すると、多くの人が納得できる論理がつくれるわけです。

エンジニアは、もう既に与えられた、定義された世界の中で論理をつくろうとするのに対し、それ以外の方々は人間という社会の中で、人間が納得できる論理、ルール、常識、あるいは会社の中のルールをうまく使って皆が納得するような論理をつくります。このように、両者は根本的に論理のつくり方が異なります。

おそらく、この2つのタイプの方々が、お互いの論理のスタイルが違うということを知るだけで、コミュニケーションがうまくいくような気がしています。お互いが自分の論理の立て方、論理思考の方が正しいと思って会話をしてしまうと、やはり噛み合いません。エンジニアから見ると、どこか気持ち悪い感じがして、「そんなことで決めてしまうんですか?」と言いたくなるでしょうし、社長からみると「そんな細かいことまで聞かないと私の言いたいことわからないの?」となり、2人の会話は平行線になりがちです。理系も文系も自分の一方的な考えではなくて、相手の立場、相手の考え方を考えることも大切でしょう。

では、今日のまとめです。
実は「論理的」には、文系的論理と理系的論理があるように思います。この2つは異なるものですが、文系的論理と理系的論理が互いにコミュニケーションをとるといいことが沢山あります。エンジニアと経営者が上手くコミュニケーションをとれば、世の中上手くいくと思います。論理には、「定義された論理」と「人間くさい論理(説得する相手に合わせた論理)」の2つのタイプの論理があります。この2つでどうやってコミュニケーションを取っていったら良いのかということについて次回詳しくお話ししたいと思います。

分野: グロービス経営大学院 |スピーカー: 溜田信

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