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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ジョハリの窓 (産業組織心理学、社会心理学/三上聡美)

ジョハリの窓

三上聡美 産業組織心理学、社会心理学

18/04/17

今日が初登場ですので、簡単に自己紹介をしたいと思います。三上 聡美といいます。社会心理学や組織心理学を専門としています。現在は主に感謝感情の研究をしています。感謝感情とは、"ありがとう"の感謝を指します。最近では感謝のマネジメントの取り組みをしている企業が増えてきており、そのマネジメントが組織にどういった効果をもたらすのかという研究をしています。これまで"ネガティブ感情"については着目されてきましたが、"ポジティブ感情"を広げていこうという取り組みが増えてきています。

今日は、対人関係について考える上で、みなさんに知っておいていただきたい心理学の知識をお話します。春になると、就職や転職などで新しい環境で仕事をされる方も沢山いらっしゃると思います。新しい環境になると、新しい出会いもありますよね。新しい環境でも、もちろん今のままの環境でも、一緒に仕事をしていく人とよい関係を築いていくことは大切です。

心理学では二人の関係を対人関係、三人以上になると集団関係と言いますが、今日は人数に関係なく、人との関係を「対人関係」と呼ぶことにします。対人関係をうまく進めていくには、「自分を相手に知ってもらう」ということがひとつのポイントになります。初めてのときには自己紹介をするように、まずは自分が何者なのかを相手に伝えることからはじめます。しかし、最初の自己紹介だけでは、自分を知ってもらうには不十分なので、対人関係を築きながら自分を知ってもらうことになります。

自分を周りに知ってもらうには、まず自分はどういう人なのか自分で理解することが必要です。みなさんは、自分のことを十分理解していると思いますか。

自分のことを十分に理解しているかと言われると、自分でもわからないことがあったり、自分が思っていることと他の人が思ってることが違ったりということがあると思います。ちなみに、私は自分のことをおしゃべりで、自分のことをよく人に話していると思っているのですが、同僚からは「秘密主義だよね」と言われることがあります。周りの人達いわく、会話は楽しむけれど、自分の話はあまりしないタイプなのだそうです。どうやら自分が思っている自分と、周りの人から見た自分ではズレがあるようです。

ジョセフ・ルフトとハリー・インカムが発表した対人関係における気づきのグラフモデルというものがあります。発表した二人の名前をとって、「ジョハリの窓」と呼ばれています。これは自分自身について「自分でわかっている部分」と「まだわかっていない部分」、「他人に知ってもらえている部分」と「まだ知られていない部分」があるとされており、この四つの部分を組み合わせて、四つの窓を設定しています。

まず一つ目は、「開放の窓」と呼びます。これは自分のことを自分も他人もわかっている部分です。例えば、名前や所属などはこの窓に入ります。
二つ目は、「盲点の窓」と呼びます。自分では気づいていないけれど、他人からは自分のことを知られている部分になります。例えば、先ほどの私の話のように、周りの人達から「秘密主義」と思われていることは、私自身気づいていなかったので、盲点の窓に当てはまります。
三つ目は、「秘密の窓」です。自分自身では認識しているけれど、他人にはまだ知られていない部分になります。例えば、職場では家庭の話をしないようにしている人がいるとすれば、家庭のことは秘密の窓に当てはまります。

四つ目は、「未知の窓」と呼びます。自分も他人もまだ知らない部分になります。この四つの窓は田んぼの田の字のような図になっていて、それぞれの窓の大きさは人それぞれです。対人関係をうまく行っていくには、「開放の窓」を広げるようにするとよいとされています。「開放の窓」が広がると、他の三つの窓である「盲点の窓」「秘密の窓」「未知の窓」が小さくなります。

では、それを広げるためにはどうしたらいいのかというと、それには二つの方法があります。
一つは自分のことを周囲に語って、自分を知ってもらうという方法です。これを心理学では「自己開示」と呼んでいます。自己開示をすると、自分をオープンにすることと同じになるので、他人に知られていない部分が小さくなります。そうすると、自分自身では認識しているけれど、他人にはまだ知られていない「秘密の窓」が小さくなります。
もう一つの方法は、まだ自分では気づいていない部分を自分で理解することです。そのためには、相手からのフィードバックを受けることが大切です。自分ではまだ気づいていないことを周りの人がわかってくれているのなら教えてもらうと良いですよね。「開放の窓」を広げることによって、「秘密の窓」と「盲点の窓」が小さくなると、四つ目の窓である「未知の窓」も必然的に小さくなります。「未知の窓」は自分も他人もまだ知らない部分なので、この窓が小さくなるということは、自分のことを自分も周りも沢山理解できているということになります。

普段対人関係について考えるとき、相手はどのような人だろうかとか、相手のことを理解したい等、相手に焦点をおいて考えることが多いのではないのでしょうか。もちろん、相手のことを考えることも大事ですが、まずは自己理解について整理してみると、意外な発見があるかもしれません。

では、今日のまとめです。
人と初めて出会ったときには自己紹介をするように、対人関係の基本は自分のことを他者に知ってもらうことです。そのためには、自己理解からはじめてみてはいかがでしょうか。今日は「ジョハリの窓」についてお話しました。

分野: 社会心理学・組織心理学 |スピーカー: 三上聡美

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