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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > インサイトシンキング① (クリティカル・シンキング、顧客インサイト/溜田信)

インサイトシンキング①

溜田信 クリティカル・シンキング、顧客インサイト

18/04/16

初めてですので、簡単に自己紹介をしたいと思います。
私は現在グロービスで主に「戦略系」と「思考系」の科目を担当しています。大学卒業後はIBMという会社に入り、システムエンジニアとして10年ほど働きました。その後、営業に変わって2度転職し、約20年IT業界に携わりました。その後、コンサルティングファームに入り、コンサルタントをしていました。ちょうどその頃から週末にグロービスで教えるようになり、もう10年ほどになります。

エンジニアとして働いていた頃は、自分は人ときちんとコミュニケーションをとることができると思っていました。しかし、いざ営業になってみると、「あれ?エンジニアのやり方では通じない」と戸惑いました。さらに、コンサルタントになると再び「あれ、それまでのやり方が通じない」と感じ、自分は論理的に話しているつもりなのに、なぜ相手に通じないのだろうかと悩みました。今日は、こうした私の実体験から、「ビジネスにおいてどのように相手とコミュニケーションすればいいのか」ということについてお話しします。

コミュニケーションとは「自分の考えを伝える」ことですが、ビジネスにおいてコミュニケーションは、物を買ってもらう、プロジェクトを推進する、仲間を集めるなどすべての活動の鍵を握っています。情報を的確に論理的に伝えるのが基本ですが、人間はロジカルな面ばかりではないので、人間の心も推し量りながらうまくコミュニケーションをするにはどうしたらいいのかというのが今回のテーマです。

ビジネスの教科書を見てみると、「論理的に考えなさい(ロジカルシンキング)」という言葉を頻繁に目にします。その言葉を聞くと、皆さん「論理的にものを伝えなければならない」「組み立てて話さなければ」という思いが頭に浮かんでくると思います。

では、そもそも組み立てる(ロジカルに考える)とはどういうことなのでしょうか。
私が最初にこの言葉に出会ったのはコンサルタント会社に転職したときでした。ある時、「あなたの考えはロジカルではないですね」と言われました。私はキャリア上、エンジニアや人を説得するセールスも経験し、責任のある事業部長も務めてお客さんや社内の人々を説得してきた経験があるため、自分はロジカルに説明しているつもりでいました。しかし、「ロジカルではない」と言われたのです。この時、初めてコンサルティング会社で教わったのが「構造的に考える」ということでした。私はその言葉を耳にしたとき、言葉そのものに違和感がありました。

「考えるのを構造化するとはどういうことだろう」

クリティカルシンキングでは、「枠組みで考える」と言いますが、要は、人のコミュニケーションを非常にシンプルに分解するということです。特にビジネス上のコミュニケーションでは、何か言いたいこと(=主張)があります。例えば「この本は売れます」という主張があったとします。「この本は売れます」と言うと、聞いてる人は必ず頭の中に「どうして売れると言えるのか」「どれくらいの期間売れるのか」という疑問が浮かぶわけです。その辺を説明しないと、なるほど確かに...とはなりません。その主張に対して、「こういう理由なのでこの主張が成り立ちます」「かくかくしかじかなので売れます」といった理由(=根拠)が必要です。

その主張と根拠の関係をうまく作れば、その関係だけで人を説得できるというのが「構造的に考える」ということです。

例)
「この本は売れます」
"どうして売れると言うんですか?"
「大きく三つの根拠があります。かくかくしかじかで...」
と言われると、信じてみようかなと思いませんか?
これが根拠です。
しかし、ここで根拠は100ありますと言われたら、「これはかえって怪しいな」と思います。人によって様々な根拠がありそうですが、その中から「この三つの理由から本当に売れると思います」というように、「三つ」という言葉で人は納得しやすくなります。また、三つの根拠として挙げられたものが、「過去に売れた実績のある本と似ている」「著者が非常に力のある人だから」など納得しそうな柱が立つと、人はその話を詳しく聞いてみようかなという気になります。つまり、根拠も説得力のある根拠でなければいけません。

では、どうやってその根拠を見つけるたら良いのかと考えていた時に、「論理的に考える」ということがどういうことかを教わりました。そして、それまで自分がロジカルに考えていたと思っていたのは、「自分がわかるロジック」であり、人から見ると「わからない」ロジックになっていたということに気付きました。つまり、自分がわかるロジックと、人にわかってもらうロジックとは別であるということです。ここがビジネスで必要な「論理的に考える」ことのベースになります。

実は、私が最初にエンジニアから営業職に変わった際に、「エンジニアのやり方が通用しないな」と思ったのも、この部分に関係しています。このことについては、次回詳しくご説明したいと思います。

では、今日のまとめです。
実は人のコミュニケーションというのは、主張と根拠から成り立っていて、その根拠選びをきちんとすることによって、相手が納得するような話ができるようになります。では、どうやってその根拠となるような柱を選べば良いのかということについては、これから一緒に考えていきながら、ビジネスで役立つコミュニケーションを身に着けていきましょう。

分野: グロービス経営大学院 |スピーカー: 溜田信

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