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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 払ってしまった金の事は忘れよう (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

払ってしまった金の事は忘れよう

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/03/21

今回は、払ってしまった金の事は忘れようという話です。

本を買って、読み始めたけれど、全く面白くなかったという事は、多くの人が経験していると思います。その時、どうしましたか?せっかく金を払って本を買ったから、最後まで読まなければ勿体ないと考えて最後まで読んだという人も多いでしょう。そのようにして最後まで読むと、本を買った代金だけでなく、つまらない本を読んだ時間も損してしまいます。正しいのは、面白くないとわかった時点で本を捨てて、散歩にでも行く事です。そのようにすれば、損をするのは本を買った代金だけで済みます。ここで大切なことは、本を最後まで読んでも読まなくても、払ってしまった金は戻らないという事です。このような金をサンクコストと呼びます。金を払う前には慎重な検討が必要ですが、ひとたび金を払ってしまった以上は、払った金の事は忘れて、今から自分が最も幸せになれるのは本を読む事なのか散歩をする事なのかという比較をすべきです。死んだ子の歳を数えるような事をせずに、今の自分を大切にしようということです。

食べ放題のレストランに行った時、少ししか食べていないのに、お腹がいっぱいになってしまったとします。元をとらなければと考えて、無理をして食べる人も多いと思います。しかし、無理をして食べても食べなくても、払ってしまった入場料は戻って来ないので、払ってしまった金の事は忘れて、今から自分が幸せになるためには無理をして食べた方が良いか食べずに店を出た方が良いかだけを考えましょう。更に言えば、一口たべたら料理がとても不味かったという場合には、食べずに店を出て、家でお茶漬けでも食べましょう。お金を払った上に不味い料理を我慢して食べるくらいなら、払ったお金の事は忘れて、家でお茶漬けを食べた方がまだマシと思います。

株式投資をしている人から相談される事があります。「1000円で買った株が800円まで値下がりしてしまった。売るべきでしょうか?」といった相談です。そのような時の私の答えは、「あなたが今から株式投資を始めるとして、その株を800円で買いますか?」です。既に払ってしまった1000円の事は忘れましょう。500円で買った株だろうと1000円で買った株だろうと、800円より値上がりすると思えば持っていれば良いですし、値下がりすると思えば売りましょう。それだけの話です。投資の初心者は、値下がりした株は売らずに持っていて、値段が戻るのを待つ場合が多いようです。しかし、値段が戻るとは限らず、もっと値下がりするかも知れないので、冷静に判断すべきです。損をするのが嫌だという気持ちが強すぎる事で、冷静な判断が出来ないのであれば、残念な事です。もっと残念なのは、「こんな株を買った自分はバカだ」と思うことが嫌で、値段が戻ることを祈り続ける事と思います。仮に売買手数料がかからなければ、毎月一度、持っている株を全部売って、新しく株を買うという事が望ましいです。勿論、売った株と同じ株を同じ日に買う場合もあると思いますが、それはそれで良いと思います。一度損を確定してしまえば、あとは冷静な判断が出来ます。際には証券会社の手数料がかかるので、本当に売るのはどうかと思いますが、自分の気持ちの中では全部売って新しく株を買うというつもりで冷静な判断が出来るように心がけたいものです。

会社の仕事でも、サンクコストの考え方は重要です。1000万円かけて工場を建設している最中に、700万円分の工事が終わった所でライバルが画期的な新商品を発売したとします。工場が完成しても、製品の売れ行きは悪そうです。どうすべきでしょうか。この場合、既に払ってしまった700万円の事は忘れて、「300万円で工場が建てられるとした場合、それなら儲かるか、それでも儲からないか」と考えましょう。製品はほとんど売れないだろうから、たとえ300万円で工場が建てられたとしても、赤字だろう」という場合には、工場建設を中止すべきです。「700万円も払ってしまったのだから、今更やめられない」という意見も出るとは思われますが、700万円はサンクコストですので、忘れましょう。もっとも、社内の事情には気をつける必要があります。プロジェクトを推進したお偉いさんの顔に泥を塗る可能性があるからです。株式投資の場合は、「こんな株を買った自分はバカだ」と反省すれば良いですが、会社の場合には「こんなプロジェクトを推進した人はバカだ」という事になりかねないので、注意が必要でしょう。

話題を変えます。大好きなアーティストのコンサートがあるとします。1万円でチケットを買いましたが、遅刻しそうです。遅刻すると入場出来ないですが、タクシーで行けば間に合います。さて、何円までならタクシー代を払いますか?タクシー代が8000円だったら、払いますか?
合計1万8000円も払うことになります。そこまでして行きたくないかもしれません。でも、行かないと、チケット代の10000円がそっくり損になってしまいます。どうしますか?チケットを買った時の気持ちを思い出してみましょう。1万円払っても行きたかったわけです。そして今、「8000円払ってコンサートに行くか、8000円を払わずに行かないか」という選択を迫られています。もしも気持ちが変わっていないなら、行くべきではないでしょうか。もちろん、チケット代を払ったので今月の小遣いが残っていないといった場合には諦めると思います。

では、話を変えます。大事な会議があるからコンサートに行けないと諦めていたところ、会議がキャンセルになったとします。チケット屋でチケットを買うとして、何円までなら払って買いますか?これに対する答えが、あなたが感じているコンサートの価値だというわけです。

まとめ:払ってしまった金の事は、忘れましょう。払ってしまった金は戻って来ませんので、死んだ子の歳を数えるような事はやめて、今現在の自分が一番幸せになれる選択肢を選びましょう。



分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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