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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トランプのアメリカ・ファースト (企業財務 M&A/村藤功)

トランプのアメリカ・ファースト

村藤功 企業財務 M&A

18/03/12

今日は、トランプ大統領の話をしたいと思います。トランプ大統領が就任してから1年くらい過ぎました。大統領が指名して議会が承認しないといけない閣僚や高官のポストは多くあるのですが、それがなかなか進んでいません。ロシアゲートについても、去年の5月にコミーFBI長官を解任して、その後モラー特別捜査官が一生懸命捜査しているのですけど、モラー特別捜査官も更迭しろみたいなことも言ったらしく、これが捜査妨害に当たるかどうかが今問題になってきているところです。

今年の11月には中間選挙を控えています。支持率はまあ大統領としては低いのですけど、まだ38%もあるのです。日本的に言うと結構高いなという感じですが。それで、法人税は35%から21%までの引き下げに成功しました。これはすごい大変なことで、1.5兆ドルくらい税金を引き下げた事になります。海外子会社からアメリカ本社への配当に対する35%の課税も0にしました。これは素晴らしい事なのですよ、実は。共和党や大企業では喜んでいる人たちも結構多くいます。

オバマケアはお金がかかるのですが、それを全廃しようとする共和党保守派と、せっかく作ったのだから残せという民主党の間でほとんど会議が進まないという状況になっています。

しかし、税金を下げたので国に入ってくるお金が少なくなってしまいました。アメリカは広い国です。昔作ったインフラが徐々にボロボロになってきていて、補修したりそれをもっと拡張したりしないといけないという状況で、10年で1.5兆ドルくらいインフラ投資に必要だと言われています。少ししか税金を取らないのに1.5兆ドル必要だとすると、どうして辻褄が合うのかというのが不思議です。

そこで、財源をどこから賄おうとしているかというと、国債です。しかし、赤字国債を発行して大丈夫なのかという話があります。予算管理法という法律がアメリカにはあり、毎年政府の使うお金の歳出上限を決めています。ところがこれを2年で3000億ドル引き上げる事をこの間決めました。議員さんは結局やっぱり、国民が喜ぶようなものにお金使いたがるわけです。だから、共和党はもう少し国防費を増やせとか民主党はインフラ投資にもっと使えとか言うのです。政府の財政赤字で今でも大変な国債を発行しているのですが、あまり税金を取らないのにたくさん使うという事になれば、財政はもっとひどくなるというのも見えてきたという状況です。

外交防衛関係も、元々はあまり海外に介入しないと言っていたわけです。ところが、いろいろしょうもないことやるもんで海外も怒っているわけですよ。そうすると、それを軍事力でなんとかしようという事になります。オバマ前大統領はどちらかというと対話や外交で問題を解決しようとしてきました。トランプ大統領は、中国とロシアは敵でイランと北朝鮮はならず者国家であるので、もう軍事力で押さえろというような話になってきています。はじめ不介入といったのが、もう脅威には軍事で対抗という話になってきています。

我々が一番心配な事は北朝鮮問題です。北朝鮮がアメリカに届く核弾頭付きICBMを作ってしまいました。それで、アメリカはテロ支援国であると再指定し、オリンピックが終わると軍事演習を再開し戦争の計画もあるみたいなことも言っており、ちょっと心配です。中東のイスラエルでも、今年の5月くらいには大使館をテルアビブからエルサレムに移転するというようなこと言い始め、パレスチナはもちろんなのですけど、サウジアラビアだとかイギリス、フランス、そして国連までもが反発しています。

トランプ大統領の差別主義とか保護主義も相変わらずです。ところで、DACAって知っていますか? 小さい頃に親に連れられて不法入国した若者に滞在許可を与えるという制度がアメリカにはあります。トランプ大統領は基本的には不法入国を許さないという立場で、3月にこれを撤廃すると言っていたわけです。しかし、全部強制送還してしまうとアメリカのGDPは大体50兆円くらい減ってしまうという心配があります。また、サンフランシスコ地裁でもDACAを撤廃してはいけないと言われてしまいました。それでトランプ大統領は、あまりグダグダ裁判所で長引かせると訳が分からなくなってしまうという事で、高裁をすっ飛ばして最高裁で審議してくれと言ったら、この間最高裁は審議しないと言ったため、DACAは当面存続し3月には撤廃できないので、議会がどの様に対応するかこれから悩むという状況になっているところです。

アメリカは去年1年間で大体80兆円くらい貿易赤字でした。その3分の1が中国相手で、メキシコに対する貿易赤字も拡大しています。そのため、中国とメキシコだけを狙っているのかというとそうでもありません。この間商務省のリコメンデーションで、鉄を輸入する際に25%の関税を掛けるとか、アルミの輸入に10%の関税を掛けるみたいなことを言いだしたのですが、これは中国やメキシコだけでなくて全てが対象国です。だからEUも怒ったり、日本にも相当な影響が出るだろうと言われているところです。

NAFTAもアメリカ・ファースト方針でやると言うので、メキシコとカナダも怒っちゃってなかなか合意できないという状況です。アメリカは自国産の部分が50%以上ない限り、関税を0にはしないと言っていて合意ができません。

今日のまとめです。トランプ大統領は法人税の引き下げを実現したので、かなり支持者が強固になってきているところです。1.5兆ドル法人税を引き下げたら次は1.5兆ドルインフラに投資するというような話になってきてしまい、税金を引き下げる一方で歳出は拡大するということで、財政赤字が拡大して赤字国債を増発する見込みです。パリ協定離脱やエルサレム承認、イラン核合意非難等で、EUや国際社会からの信頼が失われてきています。差別主義と保護主義も継続しています。誰に対してかはよくわからないのですが、鉄鋼に25%、アルミに10%といった輸入関税を言い始めました。さらに、当初は国際紛争に介入しないと言ったのに、ロシアと中国は敵で北朝鮮とイランはならず者だから、軍事力で対処しようという風に見えてきたというのが最近の状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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