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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「つながり・人間関係」に着眼したリーダーシップ (組織行動とリーダーシップ/福田亮)

「つながり・人間関係」に着眼したリーダーシップ

福田亮 組織行動とリーダーシップ

18/03/02

「リーダーシップ」についてシリーズでお話ししています。前回は、「ブーカ」をキーワードに、不安定で不確実で曖昧な今の時代だからこそ、リーダーシップの在り方、リーダーとフォロワーの関係が変化してきているというお話でした。

このように、リーダーの捉え方・リーダーの在り方が変化してきていますが、現在世界の大学院では、「関係性」に着目して、リーダーシップを捉え直しが行われています。これは、人と人とのつながりを円滑にすることで、組織全体をより良くできないか、社会全体をよくできないかという考え方です。この考え方が、実は私がお教えしている別の科目「組織行動」の領域に入ってきます。

ここで少し「組織行動」についてお話ししましょう。
期待している通りに人に動いてもらうために、組織が使える手段にはどのようなものがあるでしょうか。
「褒める」「(金銭的な)報酬を与える」「根回しをする」「事前に合意を作っておく」という方法。その他に、評価をする際に「あなたはこういうことをしたから素晴らしい/素晴らしくない」という基準を明確にするという方法もあります。また、同じような仕事・役割を担っている人を集めた組織作りを行うというのも非常に有効な手段です。よく「戦略」と言われますが、大きな方向性や具体的な計画を示すと、それが地図になって人を導いていく目印になることもあります。

このように様々な要素があるわけですが、「組織行動」とは、組織(集団)を一つの「システム」と捉えます。システムと言うと、これまではどちらかというと無機質なもの(例:報酬や評価制度など)で人を導くということが前提でした。人間には感情など非合理的な側面があり、ニーズや要望も一人一人異なり、なかなか一筋縄ではいきません。だからと言って一人一人と話し合っている時間もありませんし、考え方や状況も日々刻々と変化するためすべてに対応することはできませんでした。そこで、先ほどお伝えした無機質な指数を用いることが主流とされていました。

ただ、人間というのは不思議なもので、実はそれ以外に繋がる要素があります。それは当人たちが持っている当たり前の考え方、いわゆる組織の文化(カルチャー)です。リーダーの影響力が低くなってくると、むしろそういう有機的なもの、それぞれの信頼だとか組織の文化(カルチャー)を判断の拠り所にして行動するようになります。これが良い方向にいくこともあれば、悪い方向にいくこともあります。今の「組織行動学」は、人間の理解が科学的に進んでいるため、そういった理論などを応用して、人間をいい方向に導けないかということに関心が高まっています。グーグル、フェイスブック、ザッポスなどのスタートアップ企業は、人間のそういうつながりをいかに大事にするかということに取り組み始めています。

その時にカギとなるのが「信頼」です。「信頼」も従来はリーダーとフォロワーという関係でした。リーダーとフォロワー関係というのは、上司と部下の信頼関係と規定できるのですが、そうするとどうしても組織が縦割りになってしまい、組織間や企業間を超えた横の連携が上手くつくれないということで、あらゆる人との信頼を如何に作っていくかということがカギになってきていると言われています。
「信頼」を醸成する要素には、様々なものがあります。「トラストファクター」という本が最近出版されましたが、これは神経経済学というホルモンの研究をしている方の本で、信頼が高まっている時に分泌されるホルモン物質オキシトシンが、どのような時に分泌されるのかを8つの要素を挙げて紹介しています。
1.「オベーション」、褒めることです。
2.「エクスペクテーション」、期待をかけてあげること。
3.「イールド」、委任です。つまり、「やってみてって、任せるよ」ということです。
4.「トランスファー」、委譲です。委譲とは、自分で管理してやってくださいという任せ方です。
5.「オープン」であること。とにかくあらゆる情報をよどみなくタイムリーにし、自分の感じることもオープンに話すことが大切です。
6.「思いやり」です。思いやりと共感には違いがあるのですが、みなさん何かわかりますか?共感は、「あなたの気持ちわかるよ」と伝えることです。しかし、「思いやり」は、「あなたのために何かできるかを考えること」です。共感できる人も大事ですが、一方で、あなたのために何かできるかを考えるということは、利己ではなくて利他です。利他的な精神というのは、相手を信用するウエイトを高めてくれます。
7.「投資」です。人のつながりや、その環境を整えてあげることが大切です。
8.最後はナチュラル。自然体でいることです。
これら8つの要素が信頼を作り出すと書いているんですね。このような組織行動学の変化を色々聞いている中で私が思うことは、特定の人にリーダーが限定される時代はもう古いのではないかということです。リーダーシップは全員が発揮すべきものであり、全員がリーダー、組織でいえばフォロワーという言い方かもしれませんけど、全員がそういう力を発揮するほうが、組織はより柔軟になり、エネルギーに満ち溢れ、新しい可能性が増幅されるのではないかと思います。

では、今日のまとめです。
一言でいうと、「全員がリーダーになれる」ということです。全員がリーダーのように、目の前の身の回りのことを少しでも良くしていくようなカルチャーを作っていくことが本当の意味での企業の発展や組織の発展に繋がっていくと思います。

分野: リーダーシップ 組織行動 |スピーカー: 福田亮

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