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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 在庫管理② (国際経営、国際物流/星野裕志)

在庫管理②

星野裕志 国際経営、国際物流

18/02/22

昨日は、ロジスティクス管理の基本のひとつである在庫管理について、なぜ商品などの在庫は増えるのか、また余分な在庫を抱えることの問題 点についてお話しました。またそれは、企業でも個人でもほぼ共通する問題でした。今日はその続きを話します。

在庫を抱えることが如何に問題なのかについて解説をしました。倉庫で商品を管理する保管料、人件費、光熱費、保険料、管理費といった費用の発生もですが、それ以外にも商品が倉庫で眠っている間に、品質が劣化したり、陳腐化したりと商品価値がさがること、まったく利益を生まない在庫を持つことでキャッシュ・フローが滞ることもお話ししました。

それでは企業は在庫を極力持たなければ良いのかというとそうとも言い切れないのです。在庫がないとせっかくヒット商品を投入したとしても、十分な利益があげられない可能性もあるということになります。流行の洋服や靴などがその典型なのではないでしょうか。人気がある時に販売して、利益を上げるということが基本になります。顧客が求めるときに店頭にないと、もう流行は終わってしまうことになりかねません。

今年の冬は、街で長いブーツを履いて言える女性が本当に少ないですよね。決して温かい冬でもないのに。ファションのトレンドは本当にわからないですし、ブーツを準備していた靴のメーカーが気の毒になります。まさに在庫となって、今年はバーゲンでも売れないのではないでしょうか。まさに流行は移ろいやすいですから、流行をあて込んで、どの程度製造して良いのかアパレルメーカーは、どう判断して良いのかとなります。どんな色やスタイルが流行るのかというアパレルのトレンドもそうですが、今年の夏の気温によってソフトドリンクがどの程度売れるのか、冬の寒さでダウンの需要がどの程度あるのかといった判断は、メーカーにとって大変に重要になります。

メーカーがどのタイミングで、製造を判断するのかということについて、「延期」と「投機」という考え方があるので、ご紹介したいと思います。延期と投機という言葉は、生産の判断の仕方の違いです。どのタイミングで生産計画を作り、商品を供給するのかという、ふたつの正反対の考え方です。

まず、延期とは実際の需要に合わせて対応し、生産・流通を同期化することです。具体的には、流行を把握ながら、顧客のニーズに応えられる最終段階まで商品の生産や配送を遅らせる方法です。例えば、多頻度小口生産によって、無駄なく実需に合わせて、商品を供給することになります。そのような方法であれば、在庫を最小化することができますし、在庫を抱えるリスクも下げることができます。

投機という考え方は、その反対で、次のシーズンのトレンドや環境などを精緻な予測に基づいて、計画による見込み生産をすることになります。顧客の需要や実際に注文に先んじて、計画的に生産・流通を行うことになります。

在庫のリスクが小さいという意味では、延期による生産の方が優れていることになりますが、ただ商品の在庫を抱えることにも、一定の利点があります。特にファッション性の高い商品には、ある程度の在庫は必要かもしれません。

投機型の生産であれば、実際の需要発生する前から生産を開始しますので、在庫費用がかかりますが、顧客からの注文に対して、短い納期で供給が可能です。商品の欠品リスクといった機会損失も小さくなります。

延期型の生産の場合には、在庫費用は低いですが、欠品の発生の可能性が大きくなり、せっかく人気のある商品でも受注後の生産のため納期が長く可能性があります。

在庫だけの視点で見るのではなく、全体の最適性を考える必要があるのということです。もちろん、延期型か投機型かの二者択一ではなく、どのメーカーもその折衷的な考え方から、少しでも生産計画の判断を遅らせながら、かつ人気のピークに商品を供給する方法を模索しています。ただ今年のブーツの売れ行きの悪さは、判断できたのでしょうか?

今日は、昨日からのロジスティクスの基本としての在庫管理について、商品をどのタイミングで生産をするのかを判断する「延期」と「投機」の考え方をご紹介しました。これらの2つの方法では、商品の在庫が大きく変わってきますが、機会損失を考えると、在庫についてさまざまな考え方ができるということです。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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