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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 在庫管理① (国際経営、国際物流/星野裕志)

在庫管理①

星野裕志 国際経営、国際物流

18/02/21

年末にご自宅の大掃除をされた人も、企業でこれから年度末に向けて、在庫の整理に取り組まれる人も少なくないかと思います。今日は、ロジスティクスの基本のひとつである在庫管理についてお話をしたいと思います。

在庫管理とは自宅に溜め込んだものや会社の倉庫にある商品を整理することです。在庫管理は、増えがちなものを適切に管理するということです。まず断捨離ではないですが、なぜものが増えていくのかを考えてみたいと思います。

最初に、価格が安いから必要以上に購入するということがあると思います。例えば多くを買うことで価格が下がるので、必要以上に購入するということはあると思います。購買の担当者なら、ボリューム・ディスカウントという考え方で、安く大量に仕入れることもあります。スーパーでの買物やバーゲンセールも同様ですね。

あるいはいつか必要になるかもしれないので、購入するあるいは捨てられないということもあるかと思います。企業であれば、いつか顧客から注文を受けるかも知れないので、機会損失を恐れて在庫しておくということですね。もっていることで、安心するという心理もあるかと思います。

さらには、ものがどんどん溜まっていくので、どこに保管したのかかえって整理がつかなくなっていくということもあります。大量に購入する、安全在庫として持ち続ける、在庫管理が困難になるといった理由は、企業でも個人にも共通しています。

ロジスティクスに、「ブルウィップ効果」という用語があります。ブルウィップというのは、牛や馬をうつ「鞭」の事で、手先の小さな力が大きな結果になるということです。販売から生産、調達と川下から川上に遡る段階で、どんどん在庫の量が大きくなっていくことです。

お店で商品が売れたので、新たに商品を注文する際に他の顧客も注文されるかも知れないから多めに注文する、注文を受けた卸業者やメーカーは、同じ理由で多めに発注したり製造する。そして、原材料の調達の注文を受けたサプライヤーは、これも同じ理由で多めに準備する。まさに鞭の小さな力が大きな結果を生むように、実際の需要=実需が、川上に遡るに従ってどんどん供給量が大きくなって、それぞれに無駄な在庫を生じさせるということです。

それぞれの段階で、同じように判断することで、実際には不要なほどの多くの製品が供給されて倉庫で眠るということです。それでは、次にそんな余計な在庫が増えることで、どんな問題が生じるのでしょうか。さまざま問題があります。

まず、保管のスペースの確保が必要になります。企業の物流倉庫であれば、それを管理する人員や費用も必要になります。次に、在庫管理の間には、保管料の他にも、光熱費や保険料などの費用もかかります。三番目には、長く在庫をしているうちに、商品の陳腐化、品質劣化や盗難のリスクなどの商品価値の低下が考えられます。それが、最後には破棄や値下げして処分することにもなります。四番目には、在庫された商品は、棚卸資産と呼ばれますが、まったくこの段階では利益を生まないだけでなく、その分自由に使える資金としてのキャッシュ・フローが減少します。

今お話ししたように、長く保管をすることには、多くのリスクや費用といった問題が発生します。

そのために、企業は余分な在庫を持たないようにしているのですが、企業のようになかなか数値には現れないものの、個人でもほぼ同じことが当てはまるのではないでしょうか。古新聞やトイレットペーパーが住宅の貴重なスペースをものが占拠していること、食品などを安く買い込んだのはいいけれどいつの間にか消費期限を過ぎてしまうこと、使おうと思ったときにはより良い新製品が販売されているということもあります。
小濱さん:ということは、必要以上の量は買い込んではいけないということですね。

おそらく断捨離という考え方の基本は、そういうことなのかと思います。ただ企業の場合には、そうとだけも言い切れないこともあります。例えば新製品を発売して、爆発的なヒットを呼んだとしても、十分な在庫を持たないために供給が追い付かず、より多くの利益を得ることができないという機会損失が生じるということにもなりかねません。

あるいは、さきほどお話ししたように、流通の段階で商品を大量に購入することや、メーカーが原材料を大量に仕入れることで得られるボリューム・ディスカウントもあるので、トータルのコストを十分に検討することも必要になります。

今日は、ロジスティクス管理の基本のひとつである在庫管理について、なぜ商品などの在庫は増えるのか、また余分な在庫を抱えることの問題点について、お話をしました。

明日は、実需と供給を少しでも合わせることについて、お話ししたいと思います。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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