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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ベンチャー企業における製品開発③ (マーケティング/岩下仁)

ベンチャー企業における製品開発③

岩下仁 マーケティング

18/02/08

これまでベンチャー企業の製品開発というテーマでお話を進めています。大企業と比べるとリソースの少ない中小企業やベンチャー企業ですが、様々な工夫を加える事によってキラリと光る製品を開発できるわけです。製品以外にも、優れたサービスを作るベンチャー企業もあります。

今回は結婚式場に関する口コミサイトを運営する、株式会社みんなのウェディングについて見ていきましょう。同社のサイトでは結婚式場利用者の体験に基づく300字以上の口コミや挙式の費用明細といった情報を見ることができます。現在サイトの閲覧者は250万人で、収益の大半は約1300の式場からの情報の掲載収入となっています。

同社は株式会社ディー・エヌ・エーから2010年に分社化しました。食べログの様に、口コミ評価がバイラルにネット上で瞬く間に拡大されるというテーマのプロジェクトからこのサイトが生まれています。ここでみんなのウェディング社が注目した事は顧客の不満足、即ちカスタマーペインを解決することによって付加価値を提供した点です。

お客さんは相当な金額の結婚式費用を払うのですが、それに対するサービスの内訳というのが見えづらいわけです。何に幾らかかるのかが分かりにくく、僕も自分自身の結婚式の時に色々な式場を見たわけですが、テーブルにお花を1本追加すると5千円程高くなってしまうとか、食器をちょっと変えただけで1人当たり3千円位上がり、それを参加人数でかけると凄い金額になってしまう事が起こりうるわけです。

そこにみんなのウェディング社は商機を見出したのです。成功の要因は次の4つに整理されるかと思います。1つ目がビジネスモデルや収入源を多様化した事です。結婚式場の不透明性を払拭するための本音の口コミや実際の費用明細の表示といった基本のサービスだけでなく、授かり婚カップル向けの式場の相談や、家族のみの結婚式にも対応しています。

一方の収入源も多様化しており、1つ目は有料掲載式場からのサイト掲載料、2つ目が資料請求された際の企業への課金、3つ目が成功報酬、そして4つ目が掲載広告料の4点です。費用明細の作成に関しては、実は明細の開示に反対する式場が大半でした。しかし、同社は粘り強く説得し、開示する事によってサービスの品質の向上に繋がるという評判が定着したために、有料掲載の式場が少しずつですが増えていっています。

2つ目がデジタルにアナログを組み合わせている点です。インターネットサービスを提供するベンチャー企業の社員達はWebの開発には熱心である方が多いのですが、辛い個別営業をどちらかというと避けたがる傾向があると言われています。みんなのウェディング社は営業にも力を注ぎ、式場の悩みやカスタマーペインを収集してビジネスモデルを素早く修正できるようにしています。直接顧客の所に出向きコミュニケーションを密に取る事で、お客さんからの信頼性を高めていきました。

3つ目がエンジェル投資家やベンチャーキャピタルが指導している事です。彼らはベンチャーの成功や失敗事例を多く見てきたプロです。こういった人達からの助言はみんなのウェディング社にとって非常に大きな力となったわけです。

4つ目が情報の非対称性を無くしたビジネスモデルである点です。情報の非対称性とは、売り手側が非常に多くの情報を持っていて買い手であるお客さんとの間で情報のギャップが生じている状態が、情報の非対称性にある状態と言われています。

ウェディングは一生に何度もやらないイベントですよね。企業側はビジネスのプロですので情報を沢山持っているのに対して、お客さんは情報を殆ど持たないという正に情報の非対称性がある業界だったわけです。そのため、ウェディング業界は、高額で非常に旧態依然として不透明な場合が多いといった事が非常に多く見られました。しかしながらみんなのウェディング社は、情報の非対称性を無くしたビジネスによってサービスが成り立つ事を証明したわけです。

成功の要因ですが、情報の非対称性を解決するために透明化を図る事によって、業者は自然に淘汰されていきます。このビジネスモデルは情報の非対称性のある他の業界にも展開が出来るわけです。例えば、家も何度も建てないわけですからハウスメーカー等もそうですよね、しかも非常に高額な商品ですが素材の部分では材質や価格は分かりにくいですよね。つまり、みんなのウェディング社と同じような考え方に立てば、同じような素材で家を建てるとどのくらいの価格になるか、これをお客さんは一目で把握ができるでしょう。

今日のまとめです。本日はベンチャー企業のサービス開発について話を進めてきました。本日紹介した4つのポイントを押さえることで、ベンチャー企業であっても優れたサービスを開発できるチャンスは多々あると言えます。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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