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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > デザイン+ビジネス+アントレプレナーシップの連携の意義(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

デザイン+ビジネス+アントレプレナーシップの連携の意義(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

18/02/05

現在、QBSでは、九大の芸術工学府およびQREC(ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター)との連携プログラムを進めている。このデザイン+ビジネス+アントレプレナーシップの連携による教育研究がどのような意義や狙いを持つのかを2回にわたって解説してみたい。

デザインの力を経営(ビジネス)に活かす試みは、世界的にも注目度が高く、それを担う人材育成や実験の場づくりが大学で進んでいる。例えば、スタンフォード大学のd.スクールは、所属学部にかかわらず様々な学生が集まり、多様な科目やプログラムが提供され、イノベーティブなアイデアを生み実践する苗床として知られている。この放送でも以前紹介した「デザイン思考」のワークショップや、そのために様々なプロトタイプ(試作品)づくりが行える工房、気軽なディスカッションが出来るフリースペースなどが設けられ、日夜学生達が集ってイノベーションに向けて活動している。
他にも、フィンランドのアールト大学など、デザインとビジネスが融合した領域で、イノベーション人材の育成が熱心に行われている。

このイノベーションに向けた活動で、なぜデザインとビジネスとアントレプレナーシップが連携する必要があるのか?大きな理由のひとつとして、イノベーションが従来の枠組みを越えて生まれることが挙げられる。つまり、業界の枠(業界の常識)を越えることで、全く異なる視点から社会課題を捉え直すことができ、予想もしなかったソリューションと新たなビジネスが生まれるのだ。例えば、タクシーの車両を持たずにタクシー業界に参入したUber、ホテルの部屋を持たずにホテル業界に参入したAirBnBなどは、業界の枠を越えて実現したイノベーションの例として紹介される。このような事例では、古い伝統的な業界の慣習に囚われず新たな事業機会を発見し、ユーザーの利便性を究極まで追求してユーザー・インターフェースを徹底的に磨き上げ、それらを踏まえて全く新しいビジネスモデルを考案し、事業を継続発展させることに成功している。
つまり、常識に囚われず新たなイノベーションの機会を発見し行動する「アントレプレナーシップ」、ユーザー(人)が製品やサービスに対して真に求めていること(=イノベーションの目的)を明らかにして形に落とし込む「デザイン」、それらを踏まえてイノベーションの実現と継続を担う「ビジネス」が重なるところがイノベーションの"スイートスポット"なのである。

国内の大学を見渡すと、デザインとビジネスとアントレプレナーシップの教育研究機能を全て保有しているところは九大以外に無い。QBS・芸術工学府・QRECは、国内では唯一無二の存在なのだ。そこで、今年この3組織が連携して学内の提案制度に応募したところ、人員と予算が配置されることになった。今後は、例えばデザインの学生(芸工)とビジネスの学生(QBS)が一緒にチームを組成し、イノベーティブな事業構想を立案・実践できるような、新たな教育プログラムを開発していく予定である。将来的には、QBSや芸工内に新しい"コース"を設置し、デザイン+ビジネス+アントレプレナーシップの要諦を学んでイノベーション創出を実践できる人材を輩出していくことを目指している。
また、この連携の枠組みは、九大内にもポジティブな影響をもたらしうると考えている。デザイン+ビジネス+アントレプレナーシップによるイノベーション創出の枠組みが学内共通基盤(プラットフォーム)として機能することで、九大内の他の部局(工学、医学、農学、情報、等々)が、部局内の専門性だけでは解決できない社会課題を、このプラットフォームを活用して解決する道を拓くことも目論んでいる。

次回は、このデザインとビジネスとアントレプレナーシップが連携した活動として、2017年度から先行している経済産業省補助事業「コンテンツプロデューサー育成プログラム」の様子について紹介したい。

【今回のまとめ】
常識に囚われず新たなイノベーションの機会を発見し行動する「アントレプレナーシップ」、ユーザー(人)が製品やサービスに対して真に求めていること(=イノベーションの目的)を明らかにして形に落とし込む「デザイン」、それらを踏まえてイノベーションの実現と継続を担う「ビジネス」が重なるところがイノベーションの"スイートスポット"であり、九州大学は国内の大学で唯一それを実行できる資源を保有している。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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