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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 景気が循環する理由 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

景気が循環する理由

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/01/23

今回は、景気が良くなったり悪くなったりする理由についてです。経済学の教科書を読むと、景気は在庫循環や設備投資循環で動くとありますが、それは昔の話です。今は、在庫管理技術が進歩していることもあり、在庫の動きが景気を動かすことは滅多にありません。設備投資も、コンピューター関係のように投資サイクルが短いものが増えているので、すべての企業が一斉に設備を更新するといったことも起きません。

景気に関して一番大切なことは、景気は自分では方向を変えないということです。景気が一度上を向くと、物がよく売れるようになります。そうなると、会社は物をたくさん作るために人を雇います。そして、失業者が仕事にありついて給料をもらうため、元失業者がもらった給料で物を買います。このようにして、徐々に物が売れるようになっていきます。会社が増産のために工場を建てることになれば、鉄やセメントや設備機械も売れます。工場を建てる資金は、銀行が喜んで貸してくれます。景気が良いときは会社が黒字になるので、銀行も安心して貸し出しに応じます。ただ、反対に景気が悪くなっていく時も、徐々に悪くなってしまいます。

次に、景気の方向が変わる場合についてです。一つには、政府日銀が景気の方向を変える場合です。景気が悪い時には失業者が大勢いるので、政府と日銀は景気を良くしようと頑張ります。政府は公共投資などを行い、日銀は金融緩和を行います。政府の公共投資というのは、橋や道路を作ることです。失業者が建設労働者として雇われることで、失業者が減ります。また、雇われた人がもらった給料で物を買えば、会社は物が売れるので、物を作るために新しく人を雇うかも知れません。日銀は、金融を緩和します。金利を下げて、「借金して工場を建てましょう」と宣伝します。もっとも、今のように元々金利がゼロの時には、大量にお札を印刷して銀行が持っている国債を買いますが、それでも金利が下がらないので、金融緩和が景気を良くする効果はあまり大きく無いのが普通です。

アベノミクスの黒田日銀総裁は、非常にうまく景気を回復させましたが、これは例外的に成功した例だと言って良いと思います。金融緩和それ自体の効果というよりも、「金融緩和をしたら景気が良くなるぞ」と自信満々に発言したことで、人々が「そうかも知れない」と思ったことが大きかったと思います。政府日銀は、景気が良すぎてインフレが心配な場合には、反対にわざと景気を悪化させてインフレを抑え込むこともありますが、バブルが崩壊してから一度もありませんし、今後も当分ありそうも無いですので、今日はこの話はやめておきます。

政府日銀が景気の方向を変えなくても、海外からの影響で輸出が増えたり減ったりして日本の景気が方向を変える場合もあります。リーマン・ショックで輸出が激減して日本の景気が急激に悪化したのを覚えている人も多いでしょう。日本は国内の需要が弱いので、輸出に頼っている経済だと言えます。そのような国の場合、輸出が減ると国内の景気が悪化する可能性が高いです。反対に、輸出が増えると国内の景気も回復することになります。輸出は国内の景気と関係なく動くので、景気が回復している最中に急に景気が減って景気が下を向いてしまう場合も少なくありません。

実は、バブルとその崩壊というのも景気の方向を変える重要な要因です。バブルというと滅多に無いことのようですが、そうでもありません。私も意外だったのですが、日本のバブルが30年前で、20年前はアメリカのITバブルがあり、15年前はリーマン・ショックの原因となった住宅バブルがアメリカで起きています。過去30年間の間に、日本の景気はバブルで持ち上げられ、バブルの崩壊で崩れ去っています。バブルの時に、今がバブルであるかどうかを判断するのも難しいですが、もっと難しいのは、今がバブルだとして、いつごろバブルが崩壊するのかを予測することです。そのようなことは、誰にも出来ません。もしも私がそれが出来たら、景気の予想などやめて、株の売り買いで大儲けを狙います。

そして、バブルが崩壊すると、深刻な不況が来る場合が少なくありません。破産する人が大勢いて、倒産する金融機関が出てきます。金融は経済の血液という言葉がありますが、お金の流れが止まってしまうと経済が止まってしまいます。材料を仕入れるお金や給料を払うお金が借りられなかったら、会社にとっては大きなことです。

今日のまとめです景気は自分では方向を変えません。政府や日銀が景気の方向を変える場合もありますし、海外経済の動きから日本の輸出が増減して国内の景気が方向を変える場合もあります。バブルとその崩壊が景気に大きな影響を与える場合もあるので要注意です。

分野: |スピーカー: 塚崎公義

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