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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 変革リーダーシップ~実践からの知恵~④短期的な成果を生む。さらに変革を進める。 (企業家リーダーシップ/廣瀬 聡)

変革リーダーシップ~実践からの知恵~④短期的な成果を生む。さらに変革を進める。

廣瀬 聡 企業家リーダーシップ

18/01/05

「変革リーダーシップ~実践からの知恵~」というテーマでお話をしています。組織が変革をするために必要なものとして、8つのステップがあります。これまで、ステップ1からステップ5までお話してきました。
ステップ1:危機意識を高めること
ステップ2:変革チームを作る時には、そのプロジェクトにきちんと合った人材なのかを見極めること
ステップ3:困った時の拠り所となるような指針を持っていること
ステップ4:変革の為のビジョンを周知徹底するには経営者は現場を回ること
ステップ5:現場を回る際に、「で、次は?」という言葉がけをして、自発的にスタッフ1人1人が考えるような声掛けをすること

今日は、ステップ6「短期的な成果を生む」ということで、成果を小さく生み、大きく育てようというお話です。

私の体験談からお話します。ある会社の営業組織を作り直すという時に、これまで様々なプロジェクトをいつも成功させてきたチーム・拠点がありました。リーダーもしっかりしているし、チームとしても非常によくできていました記憶があります。プロジェクトマネージャーであった私は、まず、このチームでパイロットプロジェクトを実行しようとお願いして、社長からそこの拠点のトップにお話をしていただき、実際パイロットは非常にうまくいった経験があります。さらにそのうまくいった人たちには今度は改革の伝道師として全国を回って頂き、全国の変革を自分達の言葉で、現場を分かる人達の言葉で広げていって頂くようにしました。これが非常にうまくいきました。

もう1つ別の経験をお話しすると、「会社の利益を改善しよう」とした際に、最も収支が悪く、問題が見えている項目1つに集中して、ここだけに利益の改善のための打ち手をまず実施をするとということを行いました。多くの場合は、気になったすべてのプロジェクトやクライアントとの関係に対して手を打っていこうとしますが、まずはこの中の1つに資源を集中し、きちんと結果を出すということを徹底しました。そうすると何が起きるかというと、「このプロジェクトはちゃんと結果が出ている」と見え、周りがより協力的になってくるわけです。営業組織の改革の件にも利益の改善の件にも共通して言えることは、最初に確実なところからしっかり結果を出して周りの方に理解してもらうということです。
やはり結果が出やすい所から取り組むことによって、周りも「ああいう風にすれば結果がちゃんと出るんだ」と分かります。そこが非常に大切です。そして、「自分達の同僚がやって出来ているのに、自分達が出来ないはずはない」と思ってもらうことがとても大切です。私のようにコンサルタントとして会社に加わり、いきなり企画部門に入って変革プロジェクトを進めている人間が「こうしましょう、ああしましょう」というよりは、仲間が出来ている所を見ていただく方が間違いなく結果が出ます。

では、ステップ6のまとめです。
変革の最初にはどうしても最初の一押し、慣性の法則の「慣性の力」が必要です。一度動き出せばある程度は動き続けます。やはり最初は変革のプロジェクト、成功確率の高い事業、成功確率の高い拠点で必要な人材を結集して成功体験を積み上げるということがとても大切です。

では続いてステップ7に移ります。ステップ7は「敵は競合他社だけではない。自分自身が本当の敵である」というお話です。

これは私自身の辛い体験をお話せざるを得ないのですが、ある会社で組織を改革するというお仕事を引き受けた際のお話です。その組織は色んな意味で丼勘定をする大きな組織で、みんなでわっしょいわっしょい、とやる組織でしたが、どうしても利益がうまく出ませんでした。そこで私が考えたことは、それぞれのチームごとの役割と責任を明確化して、あなたはここまで仕事をしたらいいんですよ、と提示した上で、その作業の中で見えてきた余った人達を他の部門に移したり、あるいは辞めていただいたりしました。これは短期的には効果が出ました。私自身もすごく褒められたわけですが、2年程経ったころ、突然このチームのパフォーマンスが悪くなりました。知らず知らずのうちに、この2年間でみんなが壁を作っていました。この後に大慌てで色々インタビューをしていくと、当初の丼勘定の組織の時には、例えば誰かが大量の仕事があって夜の10時を過ぎて"もう駄目だ"というオーラを発していると、知らず知らずみんなが気付いて集まってきて、一緒にやろうと朝の2時3時までみんなで仕事をして、そのあと全員で飲みに行くことがあり、それが組織の一体感醸成にとても寄与していたのだそうです。そういうことによって目配り気配り心配りというのが組織の中で出来ていた。そしていざという時の"火事場のXX力"的なものになっていた。私自身は実はこれを壊していたのです。理論的には正しくても、私自身が本当に考えるべきだったのは、組織の役割と責任を明確にした時に、次に起きることを予測して、それを回避するための打ち手、例えば懇親会を定期的に開くとか、あるいは少し多めに人事の交流を増やすとか、そういうことをしなければならなかった。今振り返ってもとても悲しく、申し訳ない思いでいっぱいの思い出なのですが、そういった経験があります。

このことから、何か取り組んだ時に一番危険なのは「短期的な結果が出た時」ということだと学びました。短期的な結果が出るということは、実はその先にきっと歪みが起きるという"予感"を持たないといけません。つまり、本当の敵は競合他社だけではなく、自分自身の中での「大丈夫だ」という驕りの中にあるのかもしれません。
組織というのは常に変化するものです。何か1つの打ち手だけで完全に最高の状況が続くというわけではありません。環境も変わります。だからこそ短期だけではなく、長期もしっかりと見ないといけません。そういう観点では、特に変革のリーダーは自分自身を常に戒めていかないといけない、というお話でした。

分野: 企業家リーダーシップ |スピーカー: 廣瀬 聡

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