QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本の年金制度 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

日本の年金制度

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/01/08

今回は、日本の年金制度についてです。日本の年金は3階建てだと言われます。

まず、1階部分の基本についてです。1階部分は、基礎年金や国民年金と呼ばれるものです。その基本は、20歳から60歳までの全員が毎月16500円ほどの年金保険料を支払い、65歳になったら全員が毎月65000円ほどの年金を受け取るというものです。全員一律ですので、原則として学生でも失業者でも年金保険料を払う必要があります。免除や猶予の制度はあり、払えなくても罰則はありません。年金保険料を支払っておかないと老後に年金が受け取れなかったり受取額が減らされてしまったりするので、注意が必要です。

なお、これには大きな例外が2つあります。1つは、サラリーマンです。サラリーマンは、厚生年金保険料を給料から天引きされるので、それによって国民年金の保険料も支払ったことにしてもらえます。今ひとつは、少し驚きですが、サラリーマンの専業主婦は、何も払わなくてもご主人が厚生年金保険料を支払っているので、自分も国民年金保険料を払ったことにしてもらえます。自営業者の専業主婦も失業者の専業主婦もダメですが、サラリーマンの専業主婦だけ特別扱いなのはおかしいと思います。共働きのサラリーマン夫婦からも文句が来そうです。法律ですので、文句を言っても仕方ありません。

サラリーマンの専業主婦については、「130万円の壁」という言葉を覚えておいてください。サラリーマンの専業主婦がパートなどで働いて130万円以上稼ぐと、専業主婦ではなく共働きだということで、自分も厚生年金保険料などを払わなくてはいけません。そこで、年収が130万円を超えないように気をつけて働いている人も多いです。これについては、似たような話が色々あるので、混同しないように注意してください。また、「103万円の壁」という言葉があります。これは、ご主人の税金を計算する際に配偶者控除が受けられるかどうかという判定基準ですので、全く別の話なのですが、言葉が似ているので混同している人も多いようです。もちろん、どちらも大事な話です。130万円の壁の方は働きすぎると自分の手取り収入が減ってしまうかも知れませんし、103万円の壁の方は、自分が働きすぎるとご主人の手取り収入が減ってしまうかも知れません。今ひとつ気をつけることとして、130万円という金額が、人によっては106万円となる場合もあります。103万円の壁については、今年(2018年)から150万円の壁に変わるという話もあります。とにかく複雑なので、関係ありそうな場合はよく調べた方が良いです。

さて、3階建ての2階部分に行きましょう。2階部分はサラリーマンなどの厚生年金です。公務員などは共済年金という制度でしたが、今では普通のサラリーマンと同じ厚生年金という制度になっています。自営業者などは1階部分だけで2階部分はありません。共済年金が厚生年金になりました。これは、給料が多い人ほど支払う年金保険料も多く、老後に受け取る年金も多いという制度です。収入が高い人は老後も生活費が嵩むだろうから、老後の年金をたくさん支払ってあげるけれども、その分は現役時代の保険料も高くするということです。

ここまでが、公的年金と言われるものです。公的年金の特徴は、どんなに長生きしても年金がもらえること、インフレが来たら原則としてその分だけ年金額が増えることです。長生きは良いことですが、老後資金のことだけを考えれば、長生きはリスクです。現役時代に一所懸命貯金しても、長生きしている間に貯金が底を突いてしまう可能性があります。その点、どんなに長生きしても確実に受け取れる公的年金は大変有難い存在です。公的年金は、現役世代が払った保険料を使って高齢者に年金を支払うのが基本です。そこで、インフレが来たら現役世代が払う保険料を値上げして、高齢者に支払う年金を増やせば良いです。インフレになれば現役世代の給料も上がると思いますので、現役世代が支払った年金保険料を使うというのは、インフレに強い仕組みです。

ただ、良い事ばかりではありません。今の日本のように、少子高齢化が進むと、年金保険料を支払う現役世代の数が減って年金を受け取る高齢者の数が増えるので、政府が資金不足になってしまいます。そこで、これからも少子高齢化が続くとすると、現役世代の保険料はこれからも少しずつ上がっていくと思いますし、高齢者が受け取る年金は少しずつ減らされていくことになりそうです。もっとも、今の若い人は、将来は年金がもらえないとまで考える必要はなさそうです。専門家たちは口を揃えて「年金は減るけれども、もらえないことは無い」と言っています。

最後に、3階部分は公的ではなく私的な年金です。企業によって色々で、自営業者にも色々な制度がありますが、一つだけ覚えておいて欲しいことがあります。昨年から、個人型確定拠出年金という制度を誰でも使えるようになりましたiDeCoという愛称を聞いたことがあるかも知れません。この制度を使うと、20歳から60歳までの人は、毎月一定の金額を拠出して運用して、将来の年金として受け取ることが出来ます。この制度は、税法上のメリットなどが大きいので、オススメです。検討してみては如何でしょうか。

今日のまとめです。年金制度は3階建てです。1階部分は国民年金で、原則として全員が加入します。2階部分は厚生年金で、サラリーマンや公務員などが加入します。3階部分は、私的年金です。iDeCoはオススメです。

分野: |スピーカー: 塚崎公義

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ