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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本のGDP (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

日本のGDP

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

18/01/22

今回は、日本のGDP統計を見ます。その前に、GDPというものが何であるか説明します。

GDPは国内総生産なので、各社に作った物を聞いて、それを合計します。たとえば、部品会社が30万円の部品を作ったのであれば、30万円分を足します。自動車会社が30万円の部品を仕入れて100万円の自動車を作ったのであれば、自分で作った部分は100万円から30万円を引いた70万円分なので、それを足します。このとき、自分で作った部分の事を付加価値と呼びます。自動車販売会社は、100万円で仕入れた自動車を120万円で売れば、自分で作った部分は20万円なので、20万円を足します。自動車会社は何か物を作ったわけではありませんが、サービスを提供して自動車の価値を高めたので、付加価値を生み出したことには違いありません。それと同様に、サービス業は物をつくり出さなくても価値を生み出しているので、当然GDPの計算には含まれることになります。日本に以上の3社しか会社が無いとすると、日本のGDPは120万円になります。部品会社と自動車会社と自動車販売会社の付加価値の合計です。

さて、GDP統計は作った会社に聞かなくても作ることが出来ます。消費者に何円の自動車を買ったかを聞けば良いです。この場合、120万円ですと答えると思いますので、それが日本のGDPです。作ったけれども輸出されてしまったので消費者が買ったわけではないという物もあると思います。それについては税関へ行って輸出の数字を聞いてきて足せば良いです。実は、GDP統計の作り方は3つありますが、3つ目は省略します。

次は、実際に日本のGDPを見ます。昨年度のGDPは538兆円でした。大雑把なイメージとしては、日本人の大人一人あたり538万円の付加価値を生み出したという計算になります。高齢者も専業主婦も全部を平均した値なので、現役労働者だけで見れば、一人当たりが産み出している付加価値は結構大きいと言えると思います。538兆円というGDPは、アメリカ、中国に次いで世界第3位です。もっともこれは、アメリカ人と中国人が日本人よりも豊かに暮らしているということではありません。中国は、日本よりも多くの物やサービスを作り出していますが、それを使う人の人数も日本より遥かに多いので、一人が使える物やサービスは決して多くありません。一方で、日本より人口が少ない国では、GDPは小さくても日本より豊かに暮らしている場合もあります。豊かさを比べる場合には、一人当たりのGDPで比べる必要があります。

外国との比較はこれくらいにして、去年との比較をします。これは経済成長率です。GDPが去年より何%増えたかというものです。経済成長率が高ければ、多くの物が作られて多くの物が使われて国民生活が豊かになっているということですが、経済成長率にはもう一つの意味があります。経済成長率が高いということは、企業が去年より多くの物を作るということなので、多くの人を雇い、失業者が減るという事を意味しています。つまり、成長率が高いということは景気が良いということです。ひとつだけ注意が必要なのは、GDPが2倍になったけれども物価も2倍になったという場合には景気は良くないということです。自動車の生産台数は去年と同じなので、失業者は減らないからです。そこで、景気を見るために経済成長率を計算するときには、GDPの増加率から物価の上昇率を差し引いて計算するのが普通です。これを実質経済成長率と呼んでいます。このところ、経済成長率は平均1%程度となっています。高度成長期には10%成長でしたが、それと比べると相当低い成長率です。それでも労働力不足になっているのは不思議です。

理由は色々ありますが、既に日本企業が立派な設備を持っているからということが重要です。高度成長期には、人が縫っていたシャツをミシンで縫うようになっただけで、必要な労働者の数は大きく減りましたが、最近では企業が持っている機械を最新式に買い換えても必要な労働者数はそれほど減りません。人口が減っていること、介護などの人手を必要とする産業が伸びていることなどを併せて考えると、最近の日本では1%成長すれば労働力が不足すると考えて良いようです。日本企業がもっと省力化投資をして、2%くらい経済成長しても労働力不足にならないようになってくれると良いです。ちなみに、何%成長すると労働力不足になったりインフレになったりするかというのは、国によっても時代によっても違いますが、それを潜在成長率と呼んでいます。中国では7%くらい、日本では0.5%くらいだと言われています。

今日のまとめです。GDP統計は、作っている企業に聞いても消費者に聞いても作ることができます。外国と豊かさの比較をする時は、一人当たりGDPで比べること、経済成長率で景気を見る時には物価上昇率を差し引くことなどが大切です。

分野: |スピーカー: 塚崎公義

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