QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 習近平の夢 (企業財務 M&A/村藤功)

習近平の夢

村藤功 企業財務 M&A

17/12/28

今日は習近平の夢という話をしたいと思います。習近平はどういった夢を持っているのかという事が、2017年の秋に開かれた5年に一度の19回党大会で明らかになってきました。14億人の中国国民の中で共産党員は8,900万人います。なんとなく共産党の国みたいな気がするので共産党員は結構いると思われているのですが、割合としては少なく大体6%位です。党大会代表が2,300人いて何をするかというと、中央委員を200人選び、候補委員を160人まず選ぶわけです。これが党大会の一番大きな仕事です。

この時に習近平国家主席が何を言ったかというと、2050年までには世界の二強になるという事です。今は明らかにアメリカ1強なわけです。購買力平価GDPでは中国はすごい勢いで他国を抜いているのですけれど、一人当たりではまだ小さいですね。そういう意味では、どんどん発展していくと世界はアメリカと中国の二強になり、経済だけでなくて軍事だとか文化だとかあらゆる点で世界の超大国になるということを宣言したわけです。一帯一路を通じて、中国の周りの開発で富国強兵の夢を叶え、世界でアメリカと並び立つような超大国になるというのが習近平国家主席の夢だということが明らかになってきました。

共産党の党大会が終わると、その直後に中央委員会の全体会議が開かれます。全体会議で何をするかというと、政治局員が25人選ばれ、常務委員が7人選ばれます。政治局員の25人は月に1回会議をするのですけれど、その中の7人が週に1回常務委員会という会議をして、これがチャイナセブンと言われる最高権力者の人たちです。この7人はどういう人かというと、そのうち2人は今までの2人、習近平と李克強。そこに新しい人が5人入ってきたのですが、その5人の中に習近平の跡継ぎが入ってくるのかどうかということがちょっと問題でした。

ところが、習近平は跡継ぎを常務委員7人に入れなかった。習近平国家主席のことを第5世代というので跡継ぎのことを第6世代というのですが、第6世代は政治局員には2人入っているのですけれど、常務委員には入れなかった。これはどういうことかというと、習近平は国家主席をあと1回やるつもりということではないでしょうか。

今回で習近平氏は国家主席が2期目なのですけれど、あと1期やり合計15年やるつもりではないかという疑惑がかなり強まり、そういう意味ではチャイナセブンと言っても1人と6人の間には大きな溝があると言えます。事実上何でも一人で決めているという疑いがあり、習近平国家主席が何をしようとしているのかということが問題です。

中国にはまだ共産党が支配するような国有企業は結構あるのですけれど、共産党の支配を強化しようということで今までは書記を出していたのですね。董事長というのがその企業の社長ですが、董事長と書記を同一人物にせよと。つまり共産党が出した書記を董事長にせよというのが一つ目です。それから、定款という企業の憲法みたいなものがあるのですけれど、その中に共産党の言うことを聞くみたいな内容を入れろと言われ、皆慌てて入れたわけです。

この様にして多くの中国企業が共産党の支配下に置かれると、外国企業にとってはとても困ったことになります。合弁企業で合弁相手と交渉して話が合わなかった時に、今までは相手ともめれば良かったのですが、これから相手ともめるとどういうことになるのかというと北京に呼ばれて共産党の偉い人が出てきて、「あなたはあなたの事業を中国でやりたいのですか?」という宣告されることになります。企業のバックに中国が付いていることになるので、そうすると言うことを聞かないといけなくなる。合弁で何割持っているかという話ではなくて、何か言おうとすると全部共産党が駄目と言うので、それで話はおしまいという恐ろしいことになってきて、これから一体どうなるのかという状況です。

それから軍なのですが、中国の軍だから中国の国の軍かと思われるかもしれません。ところが、中国の軍は国の軍ではなくて共産党の軍なのです。従って、国家の軍だったら国家のトップが命令するのですけれど、共産党の軍だから党に中央軍事委員会があり、中央軍事委員会の委員長が決めるのです。中央軍事委員会の委員長は誰かというと、勿論習近平国家主席です。この軍に関してちょっと心配な事は、2050年までに軍事力はアメリカに追いつくのですが、これで何をしたいのかというと勢力拡大に応じて領土・領海を拡大していくというのです。

少し前から日本が気になっているのが、中国がたまにアメリカと太平洋2分割しましょう、東の方はアメリカさんどうぞ、西側は全部中国に下さいという事です。怖い話でそれってちょっとどうかと思うわけですけれど、習近平の夢は一帯一路、つまり海のシルクロードと陸のシルクロードを整備することによって富国強兵を実現することのようです。富国強兵は日本では明治時代の言葉ですけれど今中国で富国強兵という言葉が使われていて、2050年には二大強国になるとしています。

第一列島線とか第二列島線という言葉を知っていますか? 沖縄・台湾・フィリピンを結ぶラインを第一列島線と言い、伊豆諸島からグアムを結ぶのが第二列島線。要するに徐々に中国から海の方に押し広げていくという事をやっているところです。単に尖閣諸島とかそういう話が出てくるのですけれど、本当は中国が西側全部を頂きますみたいな長期戦略を持っているらしいということで、恐ろしい話ですねということです。

今日のまとめです。先日19回党大会があり、習近平が2期目の国家主席になりました。一帯一路で中国の周辺を開発して富国強兵の夢を叶え、2050年には政治や経済だけではなくて軍事力も持ち合わせたアメリカと並ぶ超大国になろうという夢を持っているのです。党の政治局常務委員や中央軍事委員会の委員の人事は勿論ですけれど、企業に対する党の支配も強めながら国有企業の再編を加速しています。第6世代を常務委員に入れなかったので3期目をやるのではないかと見られているという状況です。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ