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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 最近のヒット映画に見る経営 (経営学 (経営戦略、経営組織、日米比較経営、金融機関経営)/久原正治)

最近のヒット映画に見る経営

久原正治 経営学 (経営戦略、経営組織、日米比較経営、金融機関経営)

17/11/14

これまで映画で学ぶ経営・経済を取り上げてきましたので、最初に最近見た映画を紹介して、映画が時代を映す鏡であるということを申し上げたいと思います。

最近一番面白かった映画は、「ダンケルク」という戦争映画です。イギリス軍とフランス軍がドイツ軍に第二次世界大戦の時に追い詰められます。戦争が始まってすぐにダンケルクという英仏海峡の小さな町に追い詰められて、そこからどうやってイギリスに撤退するかというストーリーです。

当時のイギリスのリーダーであるチャーチル首相は、何とか大事な軍隊のメンバーをイギリスに戻してそこでもう一遍立て直そうということで、当時40万人のフランス軍と合わせてダンケルクにいたといわれています。ここでどうやって救出するのかがテーマです。この映画の面白い所は、撤退作戦における三人の主人公です。まずは逃げる兵隊自身。それから次にイギリスから漁船やヨットを全部動員して助けに行くのですけど、この漁船の船長さん。それから最後に、空から爆撃して助けるのですが、イギリスの空軍パイロットです。この陸海空の三つのシーンをノーラン監督が素晴らしい戦争映画にしています。

ノーラン監督は、従来から「ダークナイト」や「インセプション」等で、非常に斬新で圧倒的な映像表現をしています。普通のフィルムカメラやIMAXの大型カメラを、メッサーシュミットやスピットファイアー等の当時の戦闘機に括りつけて、それで実写していました。そうしますと、これは特にイギリスの空軍ですから、スピットファイアーという当時世界的に有名な戦闘機のパイロットがどうやって爆撃するかをカメラできちんと捉えられて、しかも背景には海に点々とする船まできれいに映りこんで、兵隊も映っています。この映像表現はノーラン監督ならではのものがあったと思います。

この映画を見ている間中緊張して、あっという間に終わるといっても過言ではないくらい、途中で飽きる所が無い映像表現になっていますね。これを見ると、戦争映画が時代とともに変わっていくことが分かります。このダンケルクの戦いでは戦争に行った普通の若者がどうやって生き延びるかがテーマになっています。

昔の戦争映画では所謂ヒーローが登場し、「アルジェの戦い」にしても「アラビアのロレンス」にしても、カリスマ的な戦争のリーダーが主人公でした。これが、時代がベトナム戦争に入っていくと、「プラトーン」や「地獄の黙示録」では戦争に翻弄される兵士たち、つまり精神的に病んでしまう兵士たちが主人公になっていきます。それから、さらに時代が進んでいき「ハート・ロッカー」や「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」では、これはドローンで爆撃する話ですが、戦争の中で戦場から離れオペレーターが孤独に戦闘を行う様に変わってきています。

「ダンケルク」では、ごく普通の人が戦争の中でどうやって生き延びるかを取り上げていますが、実は組織も同様です。最近の企業で働く若い人達はどうやって組織の中で一人で生き延びるかを考えているものが多くなっていて、従来の様な誰かカリスマリーダーがいるとか、あるいはチームワークでやるとかいう所から、段々変わってきています。「ダンケルク」という映画を観ると、戦争映画はその時代の組織を映す鏡であることがよく分かってくると思います。

他に最近観た映画で印象に残っている作品に、「ワンダーウーマン」という映画があります。これは女性のスーパーヒーローが男性の専門家を率いて相手を次々に倒していくというストーリーで、パティ・ジェンキンスという女性の監督が作った映画です。この夏のアメリカのNo1のヒットで、女性が監督した映画では最近一番ヒットした映画です。

この映画を観ますと、これからの女性のリーダー像がよく描かれており、男性から見てもこれから組織人としてこういう女性のリーダーが出てくるのだと分かります。女性の組織人が見れば、相手、特に男性をどんどんなぎ倒すという女性のヒーローに日頃の組織での憂さ晴らしにもなる映画になっているのではないでしょうか。

他にも、最近では「アトミック・ブロンド」というMI6のスパイのリーダーを描いた映画があります。シャーリーズ・セロンは以前アカデミー主演女優賞を獲ったすごいスター女優ですが、この映画でも男性を次々と倒していってスパイとして生き残るという映画です。これらの映画の様に、組織においてはこれからこういう女性リーダーが出てくるということを示しているのではないかという気がします。

今日のまとめです。映画を観るとその時代の組織がどうなっているかが良く分かります。ですから、組織のあらゆる階層の人は最近の映画を観る事で、特に最近の若い人が組織の中でどの様に考えているのかがよく分かってきます。是非皆さん、働いている方は時間があれば映画を観ながら組織のことを考えていただきたいと思います。

分野: 経営学 |スピーカー: 久原正治

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