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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 業界"外"からの新規プレーヤーの参入(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

業界"外"からの新規プレーヤーの参入(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

17/11/29

・前回は、既存業界に対して、業界"外"から新規プレーヤーが参入し、競争環境が大きく変化する動きが増えていることについて話をした。今回は、「では、どうすべきか?」という点について考察してみたい。

・まず1点目として、「全体を広く俯瞰する」ことが重要だ。従来の自社の活動領域内で競合との争いに気を取られている間に、業界外から全く異なる価値をひっさげて新たなプレーヤーが参入し、古い"ゲームのルール"を変えられてしまう。従って、意図的に自社の活動範囲の外も含めて広く俯瞰することが不可欠となる。特に近年は、競争優位性の源泉が、要素技術や製品単体から、それらを統合的に組み合わせたビジネスモデルやソリューションのレイヤーへと移行しているので、広く俯瞰するなかでで顧客がどのような状況に置かれており、それを、自社だけの個別最適解ではなく、他社の資源も取り込みながら、顧客にとってトータルで最適となるような解決の絵姿を提案する力が求められる。
・2点目は、「異なる視点からの機会発見」である。従来の自社の常識に囚われず、新鮮な目で顧客の課題を見出すことが、新たな事業機会の発見につながる。ある物流会社の社長が、会長(物流業界出身ではない)と一緒に新たに竣工する物流センターを訪れときの話を紹介する。広大な駐車スペースに膨大な数のトラックが止まっている景色を見て、物流業界出身の社長は「荷降ろしが混んでいるのだろう」くらいの認識しか持たなかったが、会長は「なんでこんなにたくさん止まって待ってるの?」と素直に疑問を持ち、社長を引き連れて、ドライバーの差し入れを持って理由を聞きに行ったら「翌朝の荷降ろしが先着順だから、今(前日の夕方)から順番を待っている」との回答を聞いて仰天したという。そのことが、その後の同社における情報電子化と予約制の導入に結びついたという。このように、業界内の見方に染まっていることはリスクであり、日頃から新鮮な目で「なぜ?」と問い続けることや、そのために業界"外"の視点を得ることが有益となる。
・3点目は、「枠を越えた積極的な連携」だ。例えば、物流業界では、配送の小口化によってドライバー不足が常態化しており、もはや単一企業で物流機能を完結させることが極めて困難となっている。製品レベルでは競争的な関係の企業どうしが、物流においては枠を超えて連携する動きが増えている。あるいは、近年取組が増えている大企業とスタートアップによる「オープンイノベーション」も、自社や業界の枠を越えて新しい事業価値を創造する活動のひとつといえる。
・このような連携の際に課題となるのは、お互いの価値観や業務プロセスのすり合わせである。そもそも、言葉の定義からして組織毎にバラバラだったりするので、連携に向けた協議や交渉は複雑で面倒なものとなり、途中で頓挫しかねないことも多々起こる。従って、関係者には獲得目標(ゴールイメージ)を常に意識するともに、トップが主体的に関与することが不可欠である。

・日本企業の場合、欧米のように標準的な経営マネジメント手法が歴史的に普及してこなかったため、各社特有のマネジメント手法が存在するため、今回触れた「広く俯瞰する」「異なる視点で機会を発見する」「枠を超えて積極的に連携する」ことは簡単ではない。しかし、逆の見方をすれば、そのような視点や行動力を持つ組織は、競合に先んじて優位な地位を獲得できる可能性がある。

・ちなみに、QBSでは、多種多様な業界から社会人学生が集まり、活発にディスカッションを行いながら「新たな事業価値の創造」につながる経営マネジメント手法を学ぶので、自らが知らずに持ってしまっていた常識(=偏見)の非常識さに気づくことも多い。
・今年の12月末には、来年4月入学者向けに1月末に実施する「特別選抜入試(http://qbs.kyushu-u.ac.jp)」の応募受付を行うので、関心ある方にはぜひ挑戦して、新たな事業価値創造の糸口を見出して頂きたい。

【今回のまとめ】
・業界を越えた競争環境の変化に対応するには、「全体を俯瞰すること」「異なる視点から機会を見出すこと」「枠を超えて積極的に連携すること」を日頃から意識して行動することが必要だ。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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