QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ガソリン自動車のEV化 (企業財務 M&A/村藤功)

ガソリン自動車のEV化

村藤功 企業財務 M&A

17/11/24

今日はガソリン自動車の電気自動車化という話をしたいと思います。地球温暖化や大気汚染防止のためにはガソリン車やディーゼル車が良くないという話から、イギリスやフランスは2040年までにガソリン車とディーゼル車を禁止すると言い始めました。ドイツは自動車大国で80万人が雇用されているため、それを聞いてびっくりして、そんなことを急に言われても全部電気自動車には出来ないし、今までのガソリン自動車も認めてもらわないと、我々の業界はやっていけないという話になっています。

中国は環境問題が大きく、パリ協定で様々な約束をしました。世界で中国は自動車の新車販売がここのところずっと1番で、2016年に2,800万台の新車を売った国です。自動車の排気ガスがいけないという話になっていて、ガソリン車の排気ガス問題を解決するためにはもうちょっと環境にやさしい車に代わってもらわないといけないと考えています。本当は2018年から規制しようと思っていたのですけど、外資系の自動車メーカーを中心に間に合わないからやめてくれといわれて、2019年から全体の生産の10%はNEV(New Energy Vehicle: 新エネルギー車)にすることになりました。NEVというのは電気自動車だけでなくプラグインハイブリッドも含まれるのですけど、電気自動車かプラグインハイブリッドを2019年から10%は生産し、2020年は12%、そして2025年には700万台はNEVを生産してくれという話です。

トヨタは、将来は水素自動車の方向に行くと考えていました。北九州に水素タウンを作ったり、九大も水素研究を一生懸命頑張ったりして、水素自動車にかけていました。1回のチャージで水素自動車の方が電気自動車よりも長距離を走れるため、将来は水素だと考えて水素自動車の研究を一生懸命していました。しかし、水素自動車に水素を入れるステーションは日本中でも100カ所もないくらいですが、電気自動車の充電スタンドはガソリンスタンドを今年越えるだろうと言われています。電気自動車のインフラが全部できたら水素自動車はもう手遅れで、結局電気自動車でやるしかないだろうという話になってきて、ちょっと慌てています。

トヨタは水素自動車で一生懸命やるつもりだったので、電気自動車への対応がちょっと遅れています。去年の12月にやっと電気自動車事業企画室というのを立ち上げ、デンソーやマツダと一緒に電気自動車の基幹技術を共同開発する為の新会社であるEV C.A. Spiritという研究開発会社をついこの間に作ったところです。40人位の技術者を配置して、2020年位までに電気自動車を作ることが目標です。そこでは、乗用車とかスポーツユーティリティビークル(SUV)だけでなくて、小型車や軽自動車だとか小型トラックにも応用できるような技術を開発しようしています。オール日本という事でダイハツ、スバルやスズキとか日野自動車にも参加を促しており、2020年までに技術を開発して中国市場に投入するという話です。

そもそも論としてこれから一体どうなるのということですけど、エンジンやトランスミッションとかガソリンで走るものは機械系です。ところが、電気自動車はバッテリーとモーターで出来ているため電気系です。そうすると、今までの自動車部品を作っていた会社は売り上げがどんどん減っていくでしょう。日本の自動車産業は何が得意かというと、すり合わせ技術と言って、色々なものをすり合わせてうまく作るというのが強いと言われていました。ところが、電気パーツを組み立てるという話になってくると、IT業界とか家電業界の話になってくるわけです。IT業界からグーグルだとかアップルだとかが参入したり、家電業界から掃除機を作っているダイソンとか昔ハードディスクドライブのモーターを作っていた日本電産が参入してきたり、この間はヤマダ電機も参入するという話になっています。みんな参入して競争が激しくなると、そもそも自動車業界って儲かるのでしょうか? 誰一人儲からないのではないかということで、将来一体大丈夫なのという話になっています。開発スピードもグーグルやアップルあたりが出てくると、突然すごい勢いで色々な事が起こるのではという話もあり、トヨタも自分だけでやるというわけにはいかなくなってきています。

また最近は、人間が運転しない自動運転車や、ネットに繋がっているコネクティッドカーの研究が始まっています。エヌビディアは画像処理が得意な半導体を作る会社なのですけど、エヌビディアの半導体を使うことで、車が走行している周りで誰がどういう風に来たという事が瞬時に把握でき色々対応できます。つまり、自動運転に欠かせないような基板や半導体を作っている会社ですので、トヨタもエヌビディアにお世話にならないと無理でしょということでエヌビディアの力を借りています。グーグルも架空の町を作って600台の試験車を走らせているとか、コンピューター上で2万5,000台のヴァーチャルカーを走らせるとか、何か良く分からない話になってきています。ガソリン車だから強かった日本の自動車業界ですが、昔は自動車と家電と言われていた家電業界もやられたように、自動車業界もひょっとしたら時間の問題ではないのかというとても心配な状況になってきたということです。

今日のまとめです。エンジンで動くガソリン車からモーターで動く電気自動車への転換や、AIとかIoTの自動車への導入の加速が起きています。イギリスやフランスは2040年までにガソリン車とディーゼル車を禁止するとか、中国も2019年からNEV生産を始めると言っているのですけど、日本が今まで追いかけていたのは水素自動車でした。ガソリン車の電気自動車化によって日本は部品メーカーが困るというだけでなく、すり合わせの優位性を失うことでそもそも自動車メーカーが儲かる事自体がなくなるのではないでしょうか。IT企業や家電メーカーがすごい勢いで参入してきて、自動車業界の将来が怪しくなっているという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ