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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 習近平の支配強化 (企業財務 M&A/村藤功)

習近平の支配強化

村藤功 企業財務 M&A

17/10/12

今日は、習近平の支配強化という話をしたいと思います。10月18日に5年に1回の党大会が開かれる予定で、ここで何が決まるのかというのが非常に大きな問題になっています。中国には14億人位人口がいるのですけど、共産党員はどれ位いるか知っていますか? 8,900万人とあまりいないですよ。14億人中のということですから、10%もいないことになります。

8,900万人の中から党大会にどの位参加できるのかというと、10月18日に開かれる党大会の代表は2,300人です。党大会で一番大事な仕事が、中央委員会の委員を選ぶことです。中央委員が200人、それから候補委員が160人選ばれます。党大会が終わった後に、中全と言われる中央委員会全体会議が開かれます。そこで何を決めるかと言うと、政治局員を25人選ぶのです。政治局員の中から7人の常務委員を決めるのですけど、これがトップセブンと言われる中国最強の権力者と言われる人たちです。この25人の政治局員だとか7人の常務委員が一体誰になるのかというので、大騒ぎで権力闘争をやっているという状況です。これはどこで決めるかというと、中央委員会の全体会議で決めるので党大会で決めるわけではありません。

では、何が問題になっているのかというと、68歳定年ルールというのがあります。7人の内5人は68歳を超えるので、引退しないといけないというのが今までの慣習です。ところが、習近平は右腕の王岐山が69歳になるので、この定年ルールを廃止しようとしているという噂があり、どこかで仕掛けてくるかもしれないという話が1つ目です。2つ目が憲法で国家主席は2期までしかやってはいけないというのが決まっているのですけど、習近平は憲法を変更して3期目の国家主席をやるのではないかという噂です。3つ目の話が党主席問題です。習近平は、国家主席だけど党主席ではありません。毛沢東は党主席だったのですけど、毛沢東の後に文化革命だとか困ったことが起こったので、共産党の党主席というポストを廃止しました。習近平は、党規約を変更して毛沢東の後ずっと廃止されていた党主席を復活させ、党主席になるのではないかと色々噂が飛び交っていて、本当に何が起こるか分かりません。

ところで、中国に軍隊があるでしょう? これは日本の多くの人はよく知らないのですけど、人民解放軍は中国という国の軍ではなくて共産党の軍です。共産党の党中央軍事委員長というのが軍のトップです。もちろん習近平が共産党の中央軍事委員長なのですが、党の軍として色々中身を変えているところです。

それから、国有企業の中でも大きい企業を中央企業と言いますが、ちょっと前までは200社位あったのが今100社位になりました。日本で言う社長さんは董事長と言うのですけど、董事長と共産党が派遣する書記は、前は別々の人でした。しかし、ここのところ書記が董事長になれと、同じ人にしようとしています。それから、経営について共産党の言う事を認めるようなルールを定款に入れるということになり、99社しかない中央企業はみんな定款変更したという状況です。中国の組織には、その組織のトップだけではなくて、共産党関係者の利害を守るために党から派遣された人がいるものですけど、それが董事長もしないといけないとなると、それで外資系の企業から見ればそれは本当に民間企業なのでしょうか。党が後ろにいるとなると、嫌だと言うと結局あなたは中国で商売したくないのですねという話になるので、嫌だと言えなくなるということです。段々と習近平がすごい勢いで色々な所に支配を強めていて、国有企業だけではなくて、民間の上場企業にまでそういったことをし始めているので、最近本当に中国は大丈夫なのかと外資系企業はとても心配になってきました。

貿易取引ではなく、投資や配当支払い等を資本取引と言うのですけど、資本取引でちょっと大きい取引は事前審査が必要ということで、配当も簡単に払えないので中国に対する外資系の投資が止まったりしています。

ところで、走出去という言葉を知っていますか? 走出去というのは外に出て行くということです。要するに、海外の企業を買収する等で、中国の企業が海外に進出していくのです。走出去という掛け声をかけられながら中国の企業が外に出ていったので、ここのところ中国から海外に対する投資の方が、海外から中国に対する投資よりも大きくなってきたという状況です。

しかし、段々と海外のM&Aにブレーキがかかりはじめました。海外買収とか言いながら、党幹部の親族が国内から海外にお金を持ち出そうとしているのではないかとか、お金を貸して海外で買ったものの、価値が下がったら貸したお金が不良債権になるのではないかとかが心配になり、海外に出ていく資本も激減するし、外から入ってくる資本も激減しています。最近、民間企業も党のOKが取れないと重要な事が出来ないという状況になってきたので、外資系企業はさらに中国に投資するのが心配になってきたというようなことが今起こってきていることです。

今日のまとめです。そろそろ10月の19回党大会が開かれるのですが、その中で68歳の定年制を廃止するとか党主席に自分がなるとかそういう話が出てくる可能性が出てきました。政治局の常務委員や中央軍事委員会委員の決定はもちろん、企業に対する党支配も強めて国有企業の再編を加速し始めています。資本規制も色々し始めて、対外投資や外資の対内投資がすごい勢いで急減し始めたという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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