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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 企業変革の難所を「社会心理学のサイエンス」で乗り切る③賛同 (組織・リーダーシップ研究/芹沢宗一郎)

企業変革の難所を「社会心理学のサイエンス」で乗り切る③賛同

芹沢宗一郎 組織・リーダーシップ研究

17/10/06

変革の難所を「社会心理学のサイエンス」で乗り越えようというテーマでお話をしています。
前回は、企業変革の難所の一つ目である、「なぜ今自分たちの会社が変わらないといけないのか」という意識の壁をどう乗り越えるかということで、「希少性」という、なかなか手に入り難いものほど欲しくなるという心理を利用しようお話をしました。

今日は2つ目の難所である、「では、なぜ自分自身の行動を変えないといけないのか」という壁への取り組み方を考えていきましょう。会社が変わらないといけないのはわかったけれども、なぜ自分自身が変わらなければならないのかという難所です。

企業の業績が悪くなった時、そこで働いている人が持ちがちな感情というのは、「こういう状況になったのは経営者が悪いからだ」「上司が悪いからではないか」という組織の上位層に対する批判や不満であり、なかなか自分に矢が向きません。さらに、経営環境が変わってくると、これまでの自分たちの部門の中で完結するような仕事の仕方ではおさまらなくなってきます企業。他の部門と連携し、色々と試行錯誤しながら、これまでと違う仕事のやり方にチャレンジしないといけないことが出てくるわけです。そうすると、大体そこには対立が生じます。こっちはこっちでやってほしいやり方があるけれども、当然相手には相手の言い分があるため、受け入れられず、余計な労力がかかり、他部門に対して、負の感情を持ちがちです。そのため、なぜ自分から動かないといけないのかを腹落ちさせられるかどうかが重要になってくるわけです。そこを超えるために結局何が必要かというと、やはり今申し上げた上司や経営層、それから他の部門への不信感を払拭することが大切です。そうしないと、なかなか自分に矢が向かないということになります。そこで、今回そういう難所を乗り越えるために、社会心理学で実証されている2つの原理をご紹介します。具体的には「好意」と「返報性」です。

今回は、まず「好意」にフォーカスしてお話をしていきます。
人は、好意を持つ相手ほど賛同したくなります。では、対立している人と信頼構築を作らないといけない場合には、どのようにしたら良いでしょうか。
なかなか難しい問題ですね。しかし、そこを諦めずに、相手の悪い点ばかり見るのではなく、良いところ探しをしてください。それができたら次は、自分との「共通点・類似点」を意識して探す。相手とそのためのコミュニケーションをしていくことがポイントになります。また、あえて相手に対してまず自分の弱点を先に明らかにしたり、自分の過ちをあえて認めたりすることも実は相手との信頼関係を構築するためには効果的だと言われています。自分の過ちを認めたり、自分が先に弱点をさらけ出したりすることは難しいですが、様々な実験でその効果が明らかになっています。

会社の中で、仕事上では対立している部署であっても、社内でレクリエーションをしたり、飲み会をしたりして、「あ、この人意外とこういうところがあったんだ」ということを知るだけでも違ってきます。食わず嫌いになっていますからね。また、上司の考え方に集団の考え方が規定されてしまうというネガティブな権威主義がはびこっている可能性もあります。

上司の言うことを皆が疑いもなく鵜呑みにしてしまうと、現場で起きている変化を一番知っている人たちが、その変化を感じても、先ほど述べたような「ネガティブな権威主義」がはびこっていると、上司に声を上げることができません。正に、現場の悪い情報は上に上げないという先日お話しした内容と同じことが起きてくるわけです。こういった状況を乗り越える必要があります。そのためには、上司の方が自分の考えを述べる前に、まずメンバーから意見を聴くということをしっかり丁寧にやるという上司の行動変容も大事になってきます。あと一つ申し上げておきたいのは、組織で働いている人々は、自分一人では出来ないことを他人に協力要請したいという気持ちはもっていても、相手が協力要請に応じてくれないのではないかというふうに思ってしまう傾向があることも実験で証明されています。それを脱却するには、やはり上司がいつでも「悩んでいる時には喜んで手を貸すよ」という姿勢を普段から意識して示していないと、本当の意味での信頼関係醸成にはなかなかつながりません。

では、今日のまとめです。
企業変革の難所の二つ目として、「なぜ自分自身が行動を変えないといけないのか」ということに対する納得感を得ることが難しいということがあります。それを乗り越えるために、「好意」それから「返報性」という二つの原理・原則を使うことが有効でないかということで、今日はその中でも「好意」についてお話をしました。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 芹沢宗一郎

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