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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学23社会観④国家と世界 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学23社会観④国家と世界

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

17/10/26

(1)①②概論、(2)宇宙観:①繁栄の基、②生成発展、③大義、④調和の本質、⑤自然の恵み、⑥素直な心、(2)人間観:①人間の目的、②人間性、③理性と本能、④善と悪、⑤欲望と善悪、⑥信と解、(3):①人生の意義、②天分の自覚、③人間としての成功、④礼の本義、(3)人生観:①、②、③、④、⑤、⑥、(4)社会観:①、②国家と世界、③国民生活の意義、④調和の思想


1 はじめに
松下幸之助の経営哲学をシリーズでお話しています。
【松下幸之助の哲学の内容】
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宇宙観から始まる松下幸之助の経営哲学のうち第四の側面である「社会観」について解説していますが、これはさらに次のような項目に分けられます。今回は前回の続きで、「調和の思想」についてお話します。
【社会観の内容】
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2 調和の思想
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「調和の思想」は「社会観」の中で出てくるのですが、根本的にはやはり「宇宙観」から出てきています。松下哲学は宇宙観を中心として全部が調和されています。宇宙から出発すると全体がブレないということが、ここを見てもよくわかります。
「調和の思想」について、次の三点を述べています。第一に、平和を乱し、貧困を招くのは、お互いが個々の思想や主義に囚われているからで、個々のものは、一面においては真理であるけれども、それが全体としてはやはり誤りであり、正しくない、ということです。第二に、このような個々のものをそれぞれ生かしながら、一歩上の高き秩序に従ってその力を活用するところに調和があり、これによって真理が全面的に働いてくる、ということです。第三に、このお互いの自覚と努力によって、全てが調和される社会が作られると、自ずから平和で繁栄した幸福な社会になる、ということです。

3 大空から全景を眺めるように
今の世界的な現状もそうですけれど、お互いに相争って多くのものを失っている、という現実があります。これは、自己の主張や思想が絶対に正しく、相手は絶対に間違っている、という一面的な思想が多いからです。しかし、自分の思想は一面では正しいけども、それが全てではない、というところを見ないといけません。
例えば、富士山を見るのに角度や季節や天候によって、様々に形や色が変化します。この場合、それぞれのものはそれぞれ正しいのですが、それだけで富士山の全体を表しているかというと、そうではありません。したがって、色々な所を、色々な角度から、色々な季節に、色々な日に見ていくと、より本当の富士山が見られます。みんなを生かすような、より高い大きい視野を持つことが重要です。このように、この世界の実相は、個々の真理がそれぞれの部分の働きをしながら、より大きな真理に包含され、全体として大真理が、全て一つの秩序に基づいて規則正しく行われようになっています。

4 カクテルの素晴らしい味覚
例えば、社会主義や資本主義というように、色々な主義が主張されますが、それぞれいいところと悪いところがあります。したがって、両方のいいとこどりをして、お互いを認め合って融合して一段高いところで調和していくことによって、繁栄・平和・幸福がもたらされます。このような例として、種々のお酒をブレンドしてカクテルにして飲むと、味わいやコクがあって美味しいものになる、ということが挙げられます。このように、どれか一つということではなくて、みんなをブレンドしてコクのあり、味わいがあるものを楽しむことが大切です。

5 調和は完成形・理想形
調和は物事の理想形であり、完成形です。反対に、調和が崩れている状態が争いや戦争という状態です。調和した状態は非常に平和で繁栄もできるし、幸福にもなりえます。この調和の思想は東洋思想の根本にあります。例えば、ご存知のように聖徳太子の17条の憲法には「和を以て貴しとなす」というものがありますけれども、日本においては、この完成形を昔から持っていました。それを近代国家になるために西洋に追いつけ追い越せと西洋教育をすることによって、逆に現在においてこれが崩れてきています。今日の世界の現実を見れば、多くの争いの姿が見えてきますが、これを調和という理想に近づけるように努力することが非常に重要です。東洋の昔からの理想形・完成形である調和の思想を求めて、一歩一歩進んでいくことが大切であり、このことが繁栄、平和、幸福(PHP)にも結び付く、ということです。

6 むすび
松下幸之助の経営哲学のうち社会観では、「調和の思想」に関して、個々のものをそれぞれに生かし、一歩高い秩序に従ってその力を活用するところに調和があり、これによって繁栄、平和、幸福(PHP)がもたらされる、と考えています。


〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』PHP文庫

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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