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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 企業変革の難所を「社会心理学のサイエンス」で乗り切る①イントロダクション (組織・リーダーシップ研究/芹沢宗一郎)

企業変革の難所を「社会心理学のサイエンス」で乗り切る①イントロダクション

芹沢宗一郎 組織・リーダーシップ研究

17/09/22

今回のシリーズは、企業変革の難所を「社会心理学のサイエンス」で乗り越えるというテーマでお話します。

今まさに世の中が変化している中で、企業で働いている人達の意識や行動を変えなければならない。行動変容が求められています。しかし、それを言うのは簡単ですが実行するのは非常に難しいわけです。では、その難所を乗り越えるためにはどうしたらいいのか。人間というのはこういう刺激を受けるとこういう反応をしてしまうなど、社会心理学における様々な研究や実験で実証されているメカニズムを中心に、企業変革の難所の乗り越え方を考えていきたいと思います。

「企業が変わる」。言い換えれば、その企業で働いている人々の意識、行動を変える(行動変容)。そのためには4つ程の難所があると考えています。

1つ目は、まずそもそも「なぜ、今自分達の会社や組織が変わらないといけないのか」ということに対しての納得度です。
2つ目は、今申し上げた1つ目の難所が越えられたとしても、「なぜ自分自身の行動を変えないといけないのか」という難所が待ち受けています。「会社が変わるためには経営者の考え方が変わる必要があるのではないか」とか、「上の人がしっかりしてないからいけないんだ」など、一種の他責意識が生まれてきます。そうするとなかなか自分に矢が向きません。これが2つ目の難所だと考えています。
3つ目は、自分が動かないといけないというところまでは納得できたけれども、今度は「具体的にどう動いたらいいのか」イメージ出来ていないという難所です。行動がイメージできないと人間は動けません。今のように世の中が変化している時は、当然自分達のこれまでの仕事のやり方、あるいは物の考え方を変えないと対応できません。しかし、これまでと違う物の考え方・行動と言われても具体的にそれが何なのか、どうやったらよいのかというのが分からないわけです。
最後の難所は、具体的にどう動いたらいいのかある程度イメージ出来たとして、実際にその一歩を踏み出せるかどうかということです。どう動いたらいいのか何となくイメージはあるけれども、いざに行動する段になると、できないのではないかとかこんな悪いことが起こってしまうのではないかといった不安が生じます。こうした心理が最後の一歩を踏み出すのを逡巡させるのです。

これら難所を乗り越えるために有効なのが、「人間の心理」のメカニズムを知りそれを利用することです。人間は、ある特定の刺激を受けると、それに対して自動的にこう反応をしてしまうといういくつかの原理があることが様々な実験で証明されています。
今回は、今から30年ほど前にロバート・チャルディーニという有名な社会心理学者が行った実験からわかってきた人間の心理のメカニズムをいくつか紹介します。「なぜこの人が言うと私は買ってしまうんだろう」。人にうまく商品を買わせる商法には、何か人間の心理のメカニズムをついたアプローチがあるのではないかという仮説のもと、彼は実際に様々な実験を行いました。そこから明らかになったことが6つあります。
1つ目は、「希少性」です。人間は、手に入りにくいものほど逆に欲しくなってしまうという特徴があります。次に2つ目は「好意」です。人間は好意を持つ相手ほど賛同したくなる傾向があります。そして3つ目が「返報性」です。これは、人間というのは誰か人から先に恩恵を受けてしまうと、その相手に対してお返ししたいという気持ちが出てきます。4つ目が「社会的証明」です。人間は他人の行動に影響を受け、他人の行動を指針とする傾向があります。5つ目が「権威」です。権威というのは、まさにその分野の専門家の話や指示に人間はどうしても従おうとしてしまう傾向があります。最後が「コミットメントと一貫性」です。これは、自分の言ったこと、自分がやると決めて宣言したことは自分に対する約束なので、やらざるを得ないという気持ちになってしまう特徴を言います。

次回からは、これらの人間の心理のメカニズムを使って、企業変革・行動変容のそれぞれの難所をどう乗り越えていったらいいのか、一つ一つ丁寧に解説していきます。

では、今日のまとめです。
人間が行動変容するには4つほど難所があります。その4つを乗り越えるためには、社会心理学で証明されている人間の心のメカニズム・原理に従ってアプローチすることが非常に有効ではないかということで、次回からその1つ1つを紐解いていきたいと思います。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 芹沢宗一郎

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