QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 超スマート社会の実現に向けて (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

超スマート社会の実現に向けて

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

17/08/31


前回は、Society5.0についてみてきました。政府の "未来投資戦略2017"という成長戦略ですが、問題意識としては今の日本経済が長期停滞に陥っているため、それをなんとか打破しなければいけない。そのためには新しい産業を興し、イノベーションを起こしていかなければならないという問題意識です。ですから、結局経済成長や研究開発、人材育成といった政策分野で、今やイノベーションという言葉を聞かないことはないくらいだと思います。
もともとイノベーションという概念は、シュンペーターというオーストリアの経済学者が提唱した新結合、新しい組み合わせを表し、持続的なものだけでなく古い構造を壊して新しい経済構造を創造するということで、創造的破壊、クリエイティブディストラクションといわれるものが経済発展を生むという考え方があり、単なる科学技術上の発明とは区別をしています。

破壊といわれると、あまり良い響きはしませんが、例えば、石炭産業がありましたが、これもいわば丸ごとなくなってしまいました。産業構造が変わるという事は、地域の経済の核になるもの、あるいは職業、雇用といったものが丸ごと変わってしまうということが起こりうるわけです。例えば、電気自動車では新しい技術がどんどんできているし、この開発もどんどん進むでしょう。ということは、結局ガソリンエンジンは不要になり、エンジンの色々な部品を作っているたくさんの会社、すなわち自動車産業につながる多くの部品会社は、「モーターでいいんだ。内燃機関はいらない」となった途端に大変なことになります。部品を作るとしても3Dプリンタの時代になれば金型は不要になるかもしれません。そう簡単だとは思いませんが、そもそもそういうことが今起ころうとしていて、それがまさに、Society5.0とか第4産業革命といわれていることです。

産業構造の変革が起こり、古い経済構造がいわば非連続的に変化し、この非連続的な変化があるところこそ、経済発展があるのだとなると、まさに革命的な変化が起きないと経済の長期低迷が打破できないとなり、これは大変な話だ、容易ではないということになってきます。

これは2011年の話ですが、アメリカではその時に小学校に入った子供が大学を卒業する時には、その65%は今存在しない職業に就くことになるだろうといわれていました。新しい仕事がクリエイトされていきます。それはとても大事なことで、もちろん産業構造の変化で雇用が失われることは、社会にとって深刻で耐え難いことですが、一方、新しいタイプの雇用を作り出し、ここに若い人たちが仕事を求めて入っていくことも起こります。そのためには、新しいスタイルの会社を立ち上げる、あるいは起業家として企業を興す若い人たちが、新しい技術を使ってどんどんチャレンジしていくということが出来ると、そこに新しい雇用がうまれてきます。ですから、そういったチャレンジを大事にする社会のあり方が、とても大事だと思います。政府の様々な政策のなかで、起業家を生み出す政策、あるいは新しいことを考える若い人を育てるといったことに、政策的にも力をいれていくということです。

九州大学の "アントレプレナーシップ・センター"で、やっていることですが、今年、次世代アントレプレナー育成事業というプロジェクトが文部科学省から示され、これに九州大学は応募して採択されました。全国で5つしか採択されていません。そのうちの1つとしてこれから5年間やっていくプログラムです。例えば、起業したい、してみたいと思っている学生達がサークル活動のように起業部を作り、そこで先生の指導をうけながら、実際に起業をしてみようというプログラムを組み込んでいます。
具体的にいうと、実際に若い人たちがこういうのをやりたいからということで、最初のプロトタイプを作るときに支援をしたり、あるいは、すでに起業したOBをメンターとして迎え、指導を受けたりしていくことで、本気で起業したいと思う学生たちのニーズに応えています。

それでは今回のまとめです。
世界は、猛烈なスピードで変化しています。その変化というのは単に技術の世界のことではなく、自分たちの生活に直結するビジネスや職業といった面での変化です。それを自分たちで雇用を生み出しリードしていくには、若い人たちが世界で活躍できるような場をつくり、そのチャレンジを応援することが重要となってきます。

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ