QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 物流コスト① (国際経営、国際物流/星野裕志)

物流コスト①

星野裕志 国際経営、国際物流

17/08/08

今日は物流に関わる省力化とコストについて、お話しします。

前回は、e-コマースの成長で、今後ますます商品を配送する宅配便が追いつかないというお話をしました。その主な原因は、労働力が対応能力を超えているからです。そのために、従来からのトラック輸送だけではなく、モーダル・シフトと呼ばれる船舶や貨物列車での輸送に移行することの必要性について説明いたしました。

モーダル・シフトとは、トラックに代わって、大量輸送機関を利用することによって、時間はかかるけれど、トラックドライバーの不足といっ た労働問題やCO2の削減にも寄与するという話でした。つい先日、日本でも最新かつ最大級の物流施設であるヤマト運輸の羽田クロノゲートを見学する機会をいただいて、改めてこの問題を考えていました。

東京の羽田空港に近い東京ドームの4個分の敷地に、2013年に建設された施設なのですが、そこでは24時間稼働して、一日当たり約60万個の宅急便の処理能力をもっています。宅急便が、全長1,070メートルのベルトコンベアーで運ばれて、送り状のバーコードに従って、行き先ごとに仕分けされていくのは壮観でした。空港の手荷物のように、ベルトコンベアーの上に宅急便の荷物が載せられて、24時間動くと、60万個が処理できます。これが、宅急便が早く確実に届く秘密のひとつです。

ヤマト運輸では、これをゲートウエイ構想と呼んで、羽田と共に、関東の厚木、中部地方の豊田市と関西に同じようなゲートウエイを設置して、相互に多頻度の輸送を行っています。いわゆるハブ&スポーク輸送のハブ拠点になるのが、これらの国内4箇所のゲートウエイになります。
今までは、一日集めた貨物を夜にまとめて出荷していたとすれば、今では24時間首都圏、中部地方、関西圏で、相互に発送することができます。この施設の巨大さと効率性と共に感じたことは、驚くほどに人がいないということでした。

物流、貨物輸送の現場と言えば、労働集約型で、多くの人手がかかるというイメージがありますが、貨物の積み下ろし、ベルトコンベアーに載せること、仕分け、伝票のチェック、積込みと、本来は多くの人手がかかるのが通常ですが、羽田クロノゲートでは、センサーで送り先の伝票を読み取り、その指示で自動的に目的別に仕分け作業がされます。ベルトコンベアーへの貨物の積み込みも、ロボットが人に代わって活用されていました。
もちろんこの施設への投資は大変な額だと思いますが、それ以上に省力化が物流における深刻な課題だからでしょう。

労働力が十分に確保できないとなると、機械やロボットが物流の現場で人間に代わって作業を行うということになり、ここからが、物流コストの問題となってきます。日本ロジスティクスシステム協会が、3月に発表した『2016年度の物流コスト調査報告書』によると、この10年間売上高に占める物流コスト比率は低下傾向にありましたが、一昨年から昨年にかけて上昇しました。売上高に占める割合は、4.97パーセントでした。

やはり、人件費の増加が、物流コスト比率を押し上げたようです。人件費の上昇で対応できればそれでも良いのですが、現実として、もうその人材すら確保できなくなりつつあるということです。

物流業務といえば、輸送すること、倉庫などに保管すること、梱包すること、荷役作業、それからこれからを管理することから構成されていますが、それぞれに大変な労働力を必要とすることは、容易に想像できます。問題は、それを如何に減らせるのかです。


物流とは、輸送、保管、梱包、荷役作業、物流管理などから構成されていますが、労働力の確保が難しい中で、いかに省力化を進めて、物流コストを下げられるかが、問われています。物流コストを下げることは、商品の競争力を上げることになるからです。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ