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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 有機ELディスプレイ (テクノロジーマネジメント、オペレーションズマネジメント、日本的経営/金子浩明)

有機ELディスプレイ

金子浩明 テクノロジーマネジメント、オペレーションズマネジメント、日本的経営

17/08/07

今日は「有機ELディスプレイ」についてお話します。スマートフォンや大型テレビのディスプレイには、液晶が使われていますが、「有機ELディスプレイ」はそれに代わるディスプレイだと言われています。
既に今ではスマホにも採用され始めています。ひょっとしたら皆さんのスマホのディスプレイも有機ELでできているかもしれません。次世代のiphone8のディスプレイは有機ELディスプレイが採用されています。「有機ELディスプレイ」には、いくつかメリットがありますが、iphone8が「有機ELディスプレイ」を使用する最大の理由は、ディスプレイを折り曲げることができ、「デザインが自在にできる」ためです。現状では自由に折り曲げられるほどにはなっていませんが、曲面をつくることが出来ます。そのため、角の所に曲面で丸みを帯びたデザインや、丸い部分が光るようなデザインをつくることが出来ます。

では、なぜ折り曲げられるのでしょうか。液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの大きな違いは、ディスプレイ自体が光るかどうかです。液晶ディスプレイは、ディスプレイ自体は光っていません。光っているように見えて、実は後ろから光を照らしているのです。バックライトといい、昔は蛍光管の中の蛍光灯が光っていました。しかし、最近では蛍光灯の代わりにLEDを入れることで、今の薄さを実現しています。つまり、スマホの中にLEDが入っているわけです。昔はテレビのブラウン管の画面をずっと見ていてもブルーライトで目が痛くなるようなことはありませんでしたが、最近の液晶パネルを見ていると、LEDを長時間眺めているのと同じため、人によっては目がしばしばするという人も出てきています。
そのため、現在ではブルーライトをカットするような眼鏡が出ています。

液晶ディスプレイは裏からライトを当ててその上に液晶ディスプレイがあったわけですが、有機ELディスプレイになると、それ自体が光るのでライトが必要なくなり、より薄く出来ます。さらに、折り曲げることも可能です。その他にも、陰影、コントラストがつき易かったり、ちらつきが少なかったり、「視野角」と言いますが、斜めから見てもクリアに見えたり、色が綺麗に出たりといった様々な利点があります。

実際にいくつかの日本のメーカーはこの有機ELディスプレイを作っていますが、まだ量産化を本格的にしている会社はありません。これはなかなか難しく、有機ELディスプレイの弱点の一つです。実はELディスプレイは、高精細化が液晶よりも難しいと言われています。高精細化とは、どれだけ画面に近づいてもそれが本当にそのものに見えるきめ細かさのことです。スマホであればそもそも画面が小さいのであまり大きな問題にならず有機ELが勝っていますが、テレビでは液晶が残るかもしれません。日本メーカーは有機ELにも力を入れていますが、液晶も頑張っているということですね。実際にこの「有機ELディスプレイ」は、他にももう1つ弱点があります。それは、「持ちが悪い」という点です。段々と性能が落ちていってしまいます。スマホであれば3、4年に1度買い替える方が多く問題になりにくいので、まずはスマホから普及してその間に改善してほしいものです。しかし、まだ日本のメーカーは十分に供給出来ていないのが現状です。

そこに日本の企業が入り込む余地というのはあるんでしょうか。一応頑張っているところですけれども、恐らく液晶パネルも今は「サムスン」や「LG」が非常に強いです。そう考えると、有機ELの世界も同じような状況になるのではないかと言われています。そうするとスマートフォンは実際にアップルやサムスン、中国勢が強く、パネルも台湾勢や韓国勢が強いので、これも液晶と同じです。そうなると、有機ELが普及して便利にはなりますが、日本企業はなかなか活躍出来ないのではないかという懸念もあります。

ただ、実際には日本企業も結構稼げる可能性があります。有機ELというのは、画面自体が発光するわけですが、発光する時に使う貴重な重要な材料があります。それが「発光層」と言われる光を発する部分です。実は、その材料は日本企業が強いのです。出光興産が作っている発光材料がiphone8に搭載されるらしいです。他にも日本企業が頑張っている所があります。有機ELのパネルを作る製造設備を作っているキヤノントッキというキヤノンの関連会社が世界シェアナンバー1です。このように、実際に日本企業は見えない所できちんと活躍しているわけです。

では先生、今日のまとめです。有機ELディスプレイは、これからますます普及していくと思われますが、日本企業は表に見えない所、材料だとか生産設備などで実は非常に重要な活躍をしています。皆さんもこれからスマートフォンを買い替えられたりする時には有機ELのディスプレイが使われているかもしれません。是非その裏側で日本企業が活躍しているということをイメージして頂くと、その有機ELに対する見方も変わってくるのではないかと思います。

分野: 企業戦略 技術経営 |スピーカー: 金子浩明

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