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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > コスト管理(2):コストの種類 (企業戦略、生産管理/目代武史)

コスト管理(2):コストの種類

目代武史 企業戦略、生産管理

17/07/21

前回に引き続き、今回も「生産管理」の最大要素QCDの2番目「コスト管理」について取り上げます。QCDとは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字です。
コストを管理するからには、コストが分からないと話が始まりません。そこで今日は、そもそも製品のコストをどう捉えるかについてお話します。

コストを知るためには、コストの構成要素を調べる必要があります。ところが、これが一筋縄ではありません。というのも、コストの構成要素は、視点によって違ってくるからです。順番に説明していきたいと思います。

まず、製品コストの構成要素として、最初に思い浮かぶものは、恐らく「材料費」、「労務費」、「経費」といったものだと思います。例えば、レストランのメニューであれば、お米や野菜、調味料といった材料費。それから、労務費は料理人やアルバイトなどにかかる人件費です。経費については、水道光熱費や通信費、家賃などが含まれます。このように、コストの構成要素の形態に注目することを、「コストの形態別分類」と言います。コストの捉え方としては一番直感的に分かり易い視点だと思います。

これらのコストを詳しく眺めてみると、製品と直接関わりのあるものとそうでないものがあることに気付くと思います。先程のメニューの例で言うと、お米や野菜といった食材は、料理のコストとして直接的に関わっています。1個40円のトマトを2個使っていれば、その料理については少なくとも80円分のトマトが食材費として計上されます。
では、料理人やアルバイトの人件費や水道光熱費、家賃といった経費の場合はどうでしょう。料理人は「調理する」という点で関わっているため、「人件費」はある種の技術料のような形で料理に反映できそうです。このように、製品と直接関連付けることの出来るコストのことを「直接費」と言います。それに対して水道の光熱費とか家賃というのは、直接製品には関わらない部分になります。こうした直接製品に関連させて把握できないコストのことを、「製造間接費」と言います。このように、ある製品のコストが製品と直接関連付けられるか否かによって、コストを分類する視点もあるわけです。

3つ目として、「生産活動の操業度」との関連でコストを分類する視点があります。コストの中には、生産量の増減だとか、稼働時間の長短に比例して増減する費用があります。例えば、レストランでは沢山料理すればするほど食材費もそれだけかかってきます。或いは営業時間が延びれば、アルバイトの時給の支払いも増加します。逆に、出す料理を減らしたり、営業時間を短縮したりすれば、食材費や人件費も減少します。このように、「事業活動の操業度」に応じて増減する費用のことを「変動費」と言います。
一方、家賃や原価償却費、通信費といったものは生産量が多かろうが少なかろうが、月々一定のコストが発生します。こういったものを「固定費」と言います。固定費の額は一定ですから、生産量が増える程、製品1個あたりの固定費の比率はどんどん小さくなっていくわけです。いわば、固定費を生産量で割り勘していくようなものです。生産量が増える程コストも下がる。所謂、「規模の経済」というものが生まれます。このように、一口にコストと言っても様々な視点があり、こうしたコストの性質を理解することは、コスト管理を効果的に進めるうえで重要になってきます。その理由についてもう少し説明したいと思います。

例えば、雑誌に載っているような献立メニューにはレシピと共に食材費の目安が載っていることもありますよね。これはコストの形態別分類でいうと、材料費だけを見ています。料理をするための人件費やガス、水道などの経費は入っていません。しかし、正確に料理一皿のコストを把握しようと思ったら、一皿当たりの人件費や経費も計算に含めるべきです。
この時問題になるのが、2番目の視点である製品との関連によるコストの分類です。材料費、つまり食材にかかったコストは、単純に料理一皿に計上することができます。一方で、例えば、フライパンや包丁、冷蔵庫といった設備、それからガス代や水道代といった経費はどう計算すればいいのでしょうか。所謂、「間接費」にあたるものですが、これは一定の基準に基づいて、料理一皿あたりの費用として配分する必要があります。このことを専門用語で「全部原価計算」と言います。この「全部原価計算」については、専門的な内容ですので、またいずれ機会を改めてご説明したいと思います。

最後に、「操業度との関連によるコストの把握」も重要です。例えば、卵焼きを作るための専用の四角いフライパンがありますが、これを買ったとします。もし1回きりしか卵焼きを作らなかったとしたら、随分高い卵焼きになります。同じフライパンを使い続ける程、卵焼き1個当たりのフライパンのコスト比率はどんどん下がっていくことになります。このように、操業度とコストの関係を考えることによって、例えば生産量に応じてコストがどのように動いていくのかということを分析することが可能になります。

では、今日のまとめです。
製品のコストを理解する上では3つの視点があります。材料費や労務費、経費といったコストの形態に着目する視点、コストが製品に直接関連付けられるか否かに着目する視点、そして、生産量といった操業度に応じて変化する変動費と変化しない固定費に着目する視点の3つです。

分野: 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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