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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 品質管理(12):QC七つ道具―管理図 (企業戦略、生産管理/目代武史)

品質管理(12):QC七つ道具―管理図

目代武史 企業戦略、生産管理

17/07/07

 今日は「品質管理におけるQC七つ道具」の7番目である「管理図」についてお話します。品質管理のための「分析道具」として、これまで「チェックシート」「ヒストグラム」「パレート図」「特性要因図」「散布図」「層別」をご紹介してきましたが、今日が最後のツールです。これまでは、比較的直感的に理解できるツールでしたが、今日ご紹介する「管理図」の理解には、統計学の知識が必要となります。使いこなすには練習と経験となるため、今日はできるだけかみ砕いて管理図のエッセンスをお伝えしていきます。

 生産工程では、品質を保つべく常に一定の加工ができるように最新の注意を払って管理が行われています。例えば、金属の棒を100㎜(10㎝)の長さに切断する工程では、常に100㎜に加工できるように、材料や機械や作業方法が管理されます。ところが、生産にはばらつきというものが付きものです。常に100㎜に切断できればいいのですが、100.1㎜になったり、99.8㎜になったりしてしまいます。このばらつきが公差(ここまでだったら許容できるという範囲)の中に収まっており、なおかつ偶然の原因によってばらついている限りはそれ以上管理のしようがないため、とりあえずは良しとしようというのが基本的な生産管理の考え方です。
 しかし、偶然ではない要因でばらついている場合、例えば、機械の設定を誤っていたり、材料の材質が変わっていたりした場合には何らかの対処をとることが必要になってきます。例えばサイコロを振って1が出る確率は、理論的には6分の1です。時には1が続けて2回、3回と出ることはあるでしょうが、正常なサイコロであれば何回も繰り返していけば6分の1に落ち着いていきます。しかし、もしサイコロの重心に偏りがあったとすると、1の出る確率が必然的に高くなるかもしれません。こうした偶然によるばらつきと異常原因によるばらつきを統計的な手法によって明らかにするというのが「管理図」の役割です。

 では、その「管理図」が具体的にどのようなものかを説明します。金属の棒を100㎜の長さに切断する工程で考えてみましょう。品質を検査するために、例えば100本加工する毎に5本金属棒を取り出して長さを調べるとします。これを20回繰り返すとすると、5本の金属棒のサンプルが20組できます。100本ごとに5本ずつ、これを20回繰り返すということです。
 まず、この20組のデータについてそれぞれの長さの平均を求めます。金属棒の長さはおそらくそれぞれ微妙に違うでしょうから、20組の平均値も若干異なったものになると思います。次に計算されたそれぞれ20組の平均のさらに平均を計算します。これでサンプル全体の金属棒の長さの平均を算出することができます。
 これを折れ線グラフに書き込んでいきます。横軸に「金属棒のサンプルをとった順番」をとります。縦軸に「金属棒の長さの平均値」をとります。そうすると20組のサンプルの平均値がサンプル全体の平均値の周りに散らばる形で折れ線グラフとして表されます。これにある計算手続きに基づいてこれ以上外れると異常であるということを示す「管理限界線」というものを引きます。平均値がこれ以上大きいと異常と判定される限界のことを「上方管理限界線」、平均値がこれより短いとやはり異常だという「下方管理限界線」の2本で線を引きます。そうすると上下に限界線ができます。
 生産工程が正常であれば、サンプルの平均値は、この2本の「管理限界線」の内側に現れるはずです。一方で、「管理限界線」を越えるということは、統計上滅多に起こらないことが起きていることを意味しています。この管理限界線の上下に外れる確率は、1万回に27回しか起こらないような事象です。
 このようにサンプルの平均値が管理限界線を外れているというのは、生産工程に偶然ではない異常が起きているのではないかということが推測されるわけです。先程のサイコロの例で言いますと、1の目が出る確率は平均的には6分の1。この場合管理図では2本の管理限界線の内側に1の目が出る確率が収まっていく筈です。しかし、もし続けざまに特定の目が出るようなことがあれば、管理限界線の外側にデータがはみ出してしまうことになります。言い替えますと、こういう現象が起きているということは、サイコロの重心自体が変わってしまったからではないか、そのことはサイコロの生産工程に何らかの異常が発生したのではないかというふうに解釈出来るわけです。

 では今日のまとめです。
 生産工程においては、生産品に寸法や重さ、特性などにばらつきが生じることが避けられません。「管理図」は、そうしたばらつきを偶然によるものと異常原因によるものとに峻別する管理ツールです。生産品のサンプルを繰り返しとり、その平均値や範囲を管理図にプロットしていきます。「管理限界線」を超えた数値が現れた場合に、何らかの異常原因によりばらつきの分布自体が変化した、つまり生産設備や材料などに異常が発生した可能性を分析することが出来るわけです。


分野: 企業戦略 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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