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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 品質管理(11):QC七つ道具―散布図と層別 (企業戦略、生産管理/目代武史)

品質管理(11):QC七つ道具―散布図と層別

目代武史 企業戦略、生産管理

17/07/06

 今回も品質管理におけるQC七つ道具についてお話します。その中でも今日は「散布図」と「層別」をご紹介します。いずれも生産工程における品質問題を分析する際に用いられる手法です。

 まず、「散布図」からご説明します。「散布図」とは、ある2組のデータを縦軸と横軸で視覚的にグラフの上に表現する手法です。紙の上に米粒をパラッと撒いたように図が見えることから「散布図」と言います。「散布図」は品質管理だけではなく、統計学で一般的に用いられるグラフです。
 まず、イメージをつかんでいただくために、自動車の燃費の例でご説明します。車を運転する人であれば、カタログに掲載されていた燃費と実際に走ったときの燃費にはかなり違いがあるということをご存じだと思います。いわゆる「カタログ燃費」というのは、一定の走行条件の下、シャシーダイナモと呼ばれる装置の上で車を走らせて測定される燃費を指します。一方で、実際の路上の運転では、渋滞にはまったり、エアコンをつけたりすることで燃費が悪くなることが一般的です。
 例えば、トヨタの最新のプリウスは、最も燃費の良いグレードで1リッターあたり40.8㎞となっていますが、実際の燃費は、e燃費というサイトの調査では、リッターあたり24.9㎞と言われています。このようにかなり違いがあります。
 そこで、例えばこの「カタログ燃費」と「実燃費」を様々な車種について調べて、一つのグラフ上に表したものが「散布図」になります。横軸に「カタログ燃費」、縦軸に「実燃費(実際の燃費)」を取って様々な車種の燃費データをグラフの上にプロットしていくと、おおむね右上がりの点が散ることになります。「カタログ燃費」が低い車は、「実際の燃費」も低い傾向があり、概ね右上がりに点が散らばるグラフになります。こうすることで、「カタログ燃費」と「実燃費」の関係性が目で見て分かるように表現することができます。

 では次に、「層別」についてご説明します。先程の散布図ですが、「国産車」対「外国車」、「ハイブリット」対「普通のガソリン車」によって、違いはないのでしょうか。このように、「層別」というのは、あるデータを層によって別にすることで、何らかの傾向の違いが無いかを調べることを意味しています。
 では、先程の燃費データで見ていきましょう。例えば、「国産車」対「外国車」の違いで層別してみると、国産車の方が外国車よりもカタログ燃費も実燃費も明らかに燃費がいいということがわかっています。一方で、ハイブリット車とガソリン車を比較してみると、非常に興味深いのですが、この2つのデータは殆ど重なっていて明確な違いがありません。ハイブリット車の方が普通は燃費が良いというイメージがありますが、層別してもデータが重なるということは、普通のガソリン車とハイブリッド車とでは、実はそんなに変わりがないということが分かります。このように、あるデータをある基準に基づいて層別することで、意外な事実を発見することが出来るかもしれません。

 では最後に、品質管理では、散布図と層別がどのように応用できるかを見ていきたいと思います。例えば、鉄板の上にレーザーで一定の大きさの穴を開ける工程があったとします。虫メガネを上げたり下げたりすると焦点がぼけたり絞られたりするように、レーザーと鉄板の距離が変わると穴開けの精度も変わるかもしれません。そこで、レーザーと鉄板の距離を測定して、それをグラフの横軸に取り、穴の直径を縦軸に取って、実際の測定データを散布図上にとっていきます。もし、データが右上がりもしくは右下がりの傾向を示せばレーザーと金属板の距離が加工品質に影響を与える可能性があるということを見てとることができます。これが「散布図」の使い方の一つの例です。
 次に、「層別」ですが、例えば、鉄板の材料をA社とB社、2つの鉄鋼メーカーから購入していたとします。仕入れ先の違いを層別の基準として散布図を描いてみると、同じ条件でレーザー加工していても、A社の鉄板のみ公差を超えてばらついたりすることがあるかもしれません。このように仕入れ先の違い、機械の違い、作業者の違いなどを基準として振り分けしてデータを整理することで、真の原因を突き止めようというのが「層別」の使い方です。

 では今日のまとめです。
 「散布図」は2組のデータを縦軸と横軸にプロットすることで、2つのデータの傾向を視覚的に表現する手法です。データに右上がり、右下がりの傾向が見られれば、この2つの要素には何らかの関係性があるということが考えられます。もし、グラフ上の点がまんべんなく散らばっていたとすると、この2つの要素には関係が無いということが推測されます。また、「層別」とは、あるデータを何らかの基準、例えば車のタイプの違い、メーカーの違い、設備の違いなどの基準により分割することで系統的な違いがないかを検討する手法です。

分野: 企業戦略 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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