QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > フェーク・ニュース2 (マーケティング/出頭則行)

フェーク・ニュース2

出頭則行 マーケティング

17/06/08

前回から、世界で話題になっているフェーク・ニュースについてお話をしています。いわゆる「嘘のニュース」ということですけども、以前は「プロパガンダ」というと、集団だったり、国家だったり、組織、団体などが流していた情報ですけれども、今のフェーク・ニュースというのは、個人が発生源になっており、発信源が無限にいるわけです。SNS、ソーシャルメディアの浸透や自分優先、自分が主役という自分イズム(meism)がその背景にあるのではということをお話ししました。今日はその続きです。

フェーク・ニュースがいってみれば氾濫、跋扈している状況があります。それに対して既存のメディアはどうしているのかというと、公正中立な立場を取ろうとしています。例えば、BBCは時間をかけて取材して正しい発信をしていこうと丁寧な取材と調査に基づくニュース発信(slow news)で対応しています。現にアメリカの有力紙New York Timesは、Web上でも実際の紙でも発行部数を伸ばしています。
では、既存のメディアがフェーク・ニュースに対して有効な対応を行っているかというと、それは別の話です。フェークの拡散というのは一瞬で拡散されます。時間をかけて丁寧に対応すること自体は非常に重要なことなのですが、これでは瞬間的に拡散されるフェーク・ニュースに対してのスピーディーな対応はできません。フェーク・ニュースに対抗した時にはもう拡散してしまった後で、そのフェーク・ニュースが世論を形成して引っ張っていってしまっている可能性すらあります。そのため、丁寧な取材だけで対応できるとは私は思えません。基本的に自分の意見第一主義者にとっては、既存メディアには不信感があるわけです。多くのメディアは、「良識ある判断を皆さんに求めます」と、イギリスでは「EU離脱をなるべくやめるように」、大統領選では「トランプは危険だ」という論調が大体だったわけですが、結果は皆さんご存知の通りです。逆の結果となりました。そのため、一般大衆のメディア不信というのは根強いものがあるだろうと言えます。

私自身は左派系、右派系、中間誌と三誌を取って購読していますが、事実の取り上げ方が、「自分たちの社の意見」と「記者の意見」とないまぜになっていて、真否の確認がとても難しいです。それから、ファクトの選択自身が一種の反映になってしまうということなので、これに対して"media literacy"を高めるため、池上彰さんの「新聞斜め読み」などが推奨されていますが、それだけで対応できるかというとスピーディーな拡散に対応できないでいるというのが現実ではないかと私は思います。

元々、「フェーク・ニュース」とは「嘘のニュース」という意味ですから、無いものを証明することというのは、いわゆる「悪魔の証明」で難事なわけです。そういう中で、フェーク・ニュースに有効に対応していると思われる例があるので一つご紹介します。
アメリカのMBSでSaturday Night Live (SNL-You Tubeで視聴可能)という毎週行われているライブショーがあります。そこでは、トランプ大統領、ヒラリー、オバマ、プーチーン、金 正恩達のそっくりさんが出演していて、完全に彼らの言動をおちょくっています。爆笑といわれる位の毒のある笑いをさそっています。いわゆる「風刺」です。正しいのは何かという示唆は全くありません。ただ彼らのフェイクさというものは完全にあらわにしています。そして大変タイムリーです。これはサタデーナイトライブだけではなく、ケーブルチャネルではフェーク・ニュースだけのプログラムがあります。つまり、ニュースをフェイクにしてしまうわけです。まじめなコメンテーターの発言は全部作りもののニュースで、非常にユニークで面白いのです。日本では考えられないことですが、聞いている人達は、そこで流れているニュースは嘘だとわかってちゃんと楽しんでいます。その背後では、実際のフェイクをあざ笑っているというところで、一部の特に電波メディアは健闘しているわけです。

アメリカではフェイク現象。一方、日本の電波メディアでは、テレビに目を転ずると報道のエンターテイメント化が起こっていて、たいていはタレント化したコメンテーターがパネリストとして並んで自分の感想を言い合って内輪的に盛り上がっているというのが現状でしょう。それで時々問題発言があると批判が殺到して、テレビ局の幹部が謝罪したり、広告主が下りたりといった現象になってしまっています。実を言うと、昔からそうだったかというと、テレビが新聞とメディアの力を競い合っていた時代には、テレビもなかなか健闘していて、皆さんご存知だとは思いますが、「俺たちひょうきん族」や「巨泉の11PM」、「巨泉×前武ゲバゲバ90分」など毒のある笑いが世の中に起きていることを絶妙な加減でフェイクを織り交ぜながら風刺していた時代もありました。現在はどうでしょうか。日本のメディア、特にテレビメディア、電波メディアがフェイクな現象というものに対して、もう一度活力を取り戻して日本のコメディアンといわれる人達ももっと毒のある笑いというものを取り戻してもらいたいなと思っています。

最後にエールですけれども、フェーク・ニュースの毒には毒気のある笑いがもっとも有効であると思います。その為には、電波メディアに活力を取り戻して欲しいと思っています。「頑張れ電波、テレビ、ラジオ、FM福岡そしてこはまちゃん」ということで、今日の話のまとめにしたいと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ