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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > フェーク・ニュース1 (マーケティング/出頭則行)

フェーク・ニュース1

出頭則行 マーケティング

17/06/07

今日は、今話題の「フェーク・ニュース」についてお話します。

「フェーク・ニュース」とは、「嘘のニュース」のことです。今世界中で話題になっている現象ですけれども、これは、「ポスト真実」"Post-truth"と言われたり、あるいはある個人あるいは団体が明らかに事実に反することを意図的に公言し「もう一つの真実」"Alternative facts"と嘘を言い張り続けたりする現今特有の現象です。このフェーク・ニュースという言葉が頻繁に使われ始めたのは、トランプとヒラリーの大統領選辺りが契機ではないかと思います。2人の討論は生中継されましたが、彼らの発言がある度に、CNNなどでは"Reality Check"として発言が事実に基づいているか、「根拠なし」「判断不能」など、嘘かどうかをテロップで流していました。トランプは圧倒的に真実とは異なる発言が多く、ヒラリーは時に感情的になりましたが"political correctness"な慎重な言い回しが多かったわけです。しかし、大統領選の結果はご存知の通りで、どうもアメリカの有権者達はフェイクに対して相当寛容であるということが言えると思います。

日本では、政治家や公人と言われる人が明らかな嘘の発言をした場合、通常相当問題になると思います。その一方で、日本でも熊本地震の時に「動物園からライオンが逃げ出した」と嘘の情報がSNSで拡散され世間を騒がせました。

どうしてこのようなフェーク・ニュースが跋扈する状況になったのでしょうか。それには様々な背景があるとは思いますが、まず一般の人達の「既成メディアに対する不信」が大きいと思います。それから、コミュニティ自体が衰退していて個人的に寂しくなっている「個人化」も関係しているでしょうし、格差が拡大していて被害者意識を感じている層も増えています。なによりも、ソーシャルメディアが浸透しているといったことも背景にあると思います。SNSの普及により、個人の意見を世間に発信しやすくなりました。

しかし、当然過去にフェーク・ニュースが存在していなかったわけではありません。太平洋戦争時には、「大本営発表」というものがあり、嘘の情報や「敵艦撃沈」「我々の被害はまことに僅少」など誇大な戦果を報告し、アメリカが広島に原爆を落とした時には、「最初は軍事施設を狙ったものだ」と喧伝しました。その後、「戦争を終わらせる為にやむをえなかった」と公式見解に変わってきていましたが、多くの場合、過去のプロパガンダというのは、どちらかというと国家や組織や団体が自分たちのメンツや存在理由の為に流したものだした。信仰に関しても、今アメリカでは福音派(Evangelist)が最大の教派ですけれども、聖書というものを自分通りに解釈するため、そこではダーウィンの進化論も否定されています。それをフェイクといえるかどうかは信仰ですからまた別の問題になります。

かつてのフェーク・ニュースというのは、そういう団体ベース、組織ベース、国家ベースだったとすると、今のフェーク・ニュースというのは個人が発信源になっています。トランプ大統領は毎朝起きるとすぐにツイッターで発信しています。かつてこれほどツイッターで個人の見解を発信する大統領はいませんでした。

その内容に関して、自分が任命した補佐官が否定したり、軌道修正したりしていますから、ヘイトスピーチやデマ、それからトランプ大統領のツイッター攻勢含めてソーシャルメディアというのが今フェーク・ニュースの最大のメディアになっています。それは、一つには交流サイト上の情報の真否確認は難しいという理由が挙げられます。フェイスブックはその為だけに何千人というチェック要員を増やすと言っていますが、それでも難事であることに変わりはありません。なぜならば、SNSというのは個人プロパガンダメディア化していますから、やろうとする人間はやってしまうわけです。いちいちそれを真否確認することはとても難しいのです。時代の風潮としては、やはり「本音主義」が強く、他人がなんと言おうと私の本音を発信するというのがあると思います。公式見解とは、自分の意見を自分が持っていること。それはいわゆるセルフィー、自撮り写真を載せる現象などにも表れているのではないかと思います。したがって、ソーシャルメディアと自分が主役(これを"meism"と言いますが)これがフェイクブームの背景にあるのだと思います。

これだけ情報が氾濫している世界では、受け取る方としてはどうやって嘘と真実を見極めていったらいいのか本当に難しくなっています。よく"media literacy"と言いますが、すべてのメディアをある程度複数チェックすることが必要ですが、それでもやはり限界があります。メディアに流れている情報は常にある程度の疑いを持って触れざるおえないということになります。

それでは今日のまとめです。
「プロパガンダ」。かつては集団が発生源でしたけれども、今は個人が発生源となっており、事実より自分の本音優先というセルフィー現象がその背景にあると思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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