QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 味覚の働き (マーケティング/岩下仁)

味覚の働き

岩下仁 マーケティング

17/06/01


今回はセンサリー・マーケティングの中でも味覚、すなわち味について話をすすめます。

味覚はもちろん嗜好の問題ですが今回は特に、例えば同じ人が同じものを食べたとしても味をおいしく感じたり、消費量が多くなるといったことについてみていきましょう。

例えばチロルチョコをイメージして下さい。チロルチョコのどのような点が好きでしょうか。味をあげられる方もいれば、食感、形状、そして包みのデザイン。そういった様々なものがあげられるでしょう。まさにここがポイントです。食べ物というと我々は一見味のみで判断するかもしれませんが、味のみならず複数の要因によって食べ物は形成されています。つまり味覚はこれまでにみてきた他の感覚からも影響されるということです。

一般的に我々の味覚は味と香りという2要素から構成されるといわれています。基本的には好みの味の食べ物に対しては香りも好ましいと感じ、好みの香りがするものは味も好ましいと感じます。しかしながら興味深いのは、例外がある点です。例えばドリアン。腐敗した玉ねぎにも似た強烈な香りを放ち、この匂いに不快感をおぼえる方も多いでしょう。しかし一方で味はフルーティーで、腐った食べ物の味は全くしません。つまり、香りと味だけではなく、他の感覚も味覚評価に影響を与えます。例えば食べ物を口に含んだときに得られる触覚情報も味覚に影響を与えます。人間は食べ物を口に含んでいる間、舌で食べ物の触覚情報を感じ取ります。ですから、口当たりの良い物は同じ味でもより評価が高くなる傾向があります。例えば赤城乳業のガリガリ君を食べてみて、どのような感じを得るでしょうか。食べた時の食感にこだわり、板アイスの中にかき氷を入れるように特殊な機械を使用して製造しています。

また、未だ解明されていない事が多いのが、味覚と聴覚の関係です。ここで1つ面白い例を紹介したいと思います。ヘッドフォンを装着した状態で、ポテトチップスを食べてもらう実験です。この際、参加者は2グループに分けられており、一方のグループは、ポテトチップをかみ砕く時の音がヘッドフォンで低減されます。もう一方のグループは、逆に音が増幅されます。その結果、かむ音がヘッドフォンによって増幅されたグループは、低減されたグループに比べポテトチップの鮮度やサクサク感を高く評価する傾向が明らかにされました。メーカーは既にこうした治験を活用し、一口で食べるには大きすぎるサイズでポテトチップスを作っています。ポテトチップスを食べる時に、消費者にサクサクという独特の音を感じをとりながら味わってもらうための工夫です。

では話を一歩すすめて、食品の消費量を増やすにはどうしたらいいか考えてみましょう。
まず1つ目は、製品のバラエティ、つまり種類の多さです。ある研究によると、ボウルに入ったM&M'Sチョコレートは7色を入れた場合よりも10色を入れた時の方がより多くの量を消費するといわれています。実際、店頭を見てみると、例えばヨーグルトを4つのパッケージにして売る際、フレイバーを4種類にしたり、チョコレートなどを袋につめた製品の場合には、様々な種類を同じ袋に詰めたりするものをよく見かけると思います。まさにこれはバラエティが多くて買ってしまうケースです。2つ目は、パッケージ内のレイアウトです。整然と中身が並んでいるパッケージよりも、形状、色、種類がまちまちに並んでいるパッケージの方が、実は人は多くの量を消費します。例えばゴディバのパッケージに並列ではなく、ランダムに入っているものがあるのはそのためです。しかしながら、この場合には消費者は好きなフレーバーを探しにくくなってしまうといったマイナス面もあります。まさにこのランダムに配置する。レイアウトに着目してたくさん食べてもらうといった工夫がされています。3つ目はサイズです。ここでのサイズはグラムやオンスといった実際のものではなくて、スモール、ミディアムといったラベル付けされる表記です。例えばラージサイズのポップコーンを購入すると、スモールサイズを購入した時よりも消費者が手にとって食べる際、より多くのポップコーンを握って食べます。つまり、結果として1回当たりの消費量が増えるということになります。これは粉末などにも当てはまります。例えば大きなサイズの粉末コーヒーボトルと、手のひらにのる粉末コーヒーボトルでは、大きなサイズのコーヒーの方が1回当たりの使用量が多くなるといわれています。このことから考えるとコーヒーメーカーとしては、大きなサイズの粉末コーヒーボトルを消費者に販売した方が1回当たりの消費量が増えるため、年間当たりの使用量も増加します。これが3つ目のサイズにみられる消費量の増加です。

それでは今回のまとめです。
今回はセンサリー・マーケティングの中でも味覚について話をすすめてきました。他の五感や製品、バラエティ、サイズをコントロールする事で実は味覚を変化させる事が可能です。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ