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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > イギリスの歴史(36):19世紀(4)労働者 (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

イギリスの歴史(36):19世紀(4)労働者

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

17/06/29

イギリスの歴史シリーズは今回、19世紀に入って4回目となりますが、働く人の話をしたいと思います。産業革命があり、工場労働者が増えて、イギリスが世界の工場と言われるようになったというお話は以前したと思いますが、働く人は働く人で色々な厳しい生活をしていました。あまり働かせ過ぎるのも大変なので、労働組合などがこの時代に出来ました。これは世界的にみてもかなり早い、もしかしたら一番だったのかもしれませんが、労働組合というものがイギリスに出来ました。いわゆる経営者の方々とそれぞれの職場の単位、地方の単位で賃金や労働交渉が始まりました。ところが最初はそうやって散発的にあちこちで始まっていたものが、やがて全国組織みたいなものが出来るようになります。最初は揺れている時期があり、地方や職場単位の組合が出来たり潰れたり、国の方から見ても合法化されたり非合法化されたりと不安定な時代が少し続いた後で、全国的な組織が出来ることになりました。この全国的な組織には以前にもお話をしたことがあります、空想的社会主義で有名なロバート・オウエンというニュー・ラナークという理想工場を作った人も加わっていました。しかし、残念ながら最初の全国規模の労働組合というのが、色々な横やりが入った挙句、結局解体に追い込まれる事になってしまいました。これが最初の全国組織の動きです。大まかに言うと、この後出てくる全国組織の動きから最終的には現在の労働党に繋がる組織が生まれてくるという話になります。最初の動きが頓挫してしまった後、1860年代位に職場の中でも昔からギルドというのがあり、職人の種類によって色々な組合的なものがあったのですが、そういった職能別の組合というものが出てくるようになりました。その後、全国組織のようなものがまた出来始めてきて、政府としても組合を抑える法律を段々と緩めていくような方向に働いてきました。その背景には、19世紀の後半に起こった不況があります。この不況の反動としてマルクス主義がヨーロッパに入ってきた時代です。ですから、政府もこれに呼応した動きを少し見せました。1880年代位になると、色々な組合がかなり活発に作られるようになり、1893年、独立労働党が結党されました。これが最初の労働者の政党です。党と名乗って組織を創った最初のものと言えるでしょう。現代の労働党の前身が出来たのはちょうど1900年頃ですから、けっこう長い歴史があると言えます。労働党という名前が付くようになって活動を始めるのは1906年で、後はご存じの通り労働党は戦後の「ゆりかごから墓場まで」と言われた福祉政策をとって政権を担うなど、その後の流れはご存知の方が多いでしょう。労働党のような労働者を守る組合というものが入ってきた背景には、色々な労働者を守るという事がありましたが、一番その中で目立ったのが、子供の保護です。なぜ子供が働いていたかというと、もちろん生計を助けるということも当然あったと思いますが、子供を働かせることは工場にとって便利な一面がありました。色々な紡績、その他の機械の類いが工場にあったため、細かい隙間に入り込んで種々のメンテナンスをするのに子供の小さい体が役に立ったということもありました。これは全然関係ありませんが、「シンドラーのリスト」という映画の中に子供の細い指で弾丸の中のところを磨いたりするので子供は必要だといって子供を殊更守ったなどというエピソードもありますが、それに似ているところがあります。

ところが子供の働ける年齢の最低限を決めましょうという話になり、当時11歳に決まりました。その後色々と制限は変わるのですが、一番最初に決まった時は11歳だったようです。我々の感覚からすると働ける年齢なのかと疑ってしまいますが、この年齢に関する点が一番目立つことで、その他にも色々と労働者を守る施策が行われるようになってきました。しかし、規則が決まったままで、実際に職場ではそれらが守られているかなどの検査が公の手から入ってくるということもこの時代に始まるようになりました。イギリスは最初に工業化を成し遂げた国であることに加え、それに関わる労働の基準や法制を考え始めて実行し始めたのも早かったという事になります。

それでは今日のまとめです。
産業革命の後、世界の工場と言われたイギリスで労働者を保護するための運動が行われるようになり、労働組合が作られるようになりました。全国組織が出来て、やがてそれが労働党に繋がっていったという流れがあります。そして特に子供を守るための運動という側面もありました。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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