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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トランプ大統領と対立 (企業財務 M&A/村藤功)

トランプ大統領と対立

村藤功 企業財務 M&A

17/06/26

今日はトランプ大統領がもたらした対立の話をしたいと思います。

政権の政治任用ポストは4000人以上あり、上院が承認しないといけない主要ポストは557人あるのですが、その中で100人位しかまだ指名されていません。しかも、トランプ大統領が100人指名した中で上院が承認したのは30人くらいしかいなく、その意味ではまだ体制が出来ていないわけです。共和党とは法律を通さないといけないということで割と仲直りしたように見えるのですが、マスコミとは選挙当時の対立が解けていません。CNNやニューヨークタイムズなどとはもめているわけです。このような状況ですが、選挙の時に言っていた様々なトランプ政策が大統領令などで出されてきました。

一つ目が法人税です。今まで連邦法人税が35%だったものを15%に引き下げるということです。連邦法人税が35%なのですが州地方税で5%程度ありますから、連邦法人税35%と州地方税5%で合計40%だったものを、15%+5%の合計20%にしようという提案です。しかし大統領が実は税金を決められるわけではないのです。基本的に税金や予算を決めるのは議会です。大統領は色々提案するだけで、別に決められるわけではありません。この引き下げ提案を4月に出しました。

元々共和党というのは法人税を低くして小さな政府を作るという考え方であるのに対して、民主党は大きな政府の立場です。トランプ大統領は元々事業家ですから、企業に掛かる法人税は小さいに超したことはないと元々思っていました。ただそうすると、使うのを減らさないで法人税だけ減らしたら財源が足りなくなるので一体どうするのと。財源をちゃんと確保すること無しに減税だけするわけにはいかないだろうという共和党の人たちも結構いるので、なかなか通りそうにないという状況です。

次にオバマケアですが、これも共和党と民主党の大変な戦いになっています。オバマケアは5000万人の医療保険に入っていない人を救おうということで、2014年に導入されました。日本は政府の健康保険に皆入っていますが、アメリカはそうではありません。一部の低所得者層と、公務員および元公務員、軍人および元軍人が政府の健康保険に入っています。普通の人やお金持ちの人は民間の健康保険に入っています。アメリカには、政府の健康保険にも民間の健康保険にも入っていない低所得者がたくさんいました。元々共和党は、オバマケアのようにお金が掛かるのは撤廃したいと考えていました。しかし、トランプ大統領は撤廃でなくて政府が払うお金を減らす提案をしたのです。ところがこれが結構もめています。共和党の中で強行な人たちはオバマケアを撤廃しろというし、民主党は、せっかくオバマケアを導入して医療保険に入っていない多くの低所得者の人たちを医療保険に入れたのにどうしてくれるんだと。共和党も民主党も怒っているという状況で、なかなかトランプ大統領の出したオバマケア修正提案が通りそうにない状況にあります。

それから移民や難民に対する差別主義の問題です。これもトランプは元々選挙のときに、グローバル化でいろんな人たちがアメリカに入ってくるからアメリカの普通の人の給料が上がらないと言っていました。そこで、アメリカに人を入れないようにしようという事で、1月にすぐ大統領令を出しました。しかし、裁判所にあまり反対されたため、大統領令を少し修正して3月に大統領令を出し直したのです。イラクを7カ国から除いてビザの発給を停止するのを少し緩和し、グリーンカードやビザを持っている人たちは入国できるようにするなどの修正をしました。ところが裁判所はやっぱりその大統領令はダメと言っています。最初メリーランド地裁やホノルル地裁で新大統領令差し止めの判決が出て、政府がそれに対して控訴したのですが、メリーランド地裁の判決はリッチモンド高裁でも支持されたし、ホノルル地裁の判決はサンフランシスコ高裁でも支持されてしまったという事で、新大統領令は差し止めになっています。

最高裁は今まで保守派とリベラル派が4対4だったのですが、この間ゴーサッチ判事という保守派をトランプ大統領が指名し、上院で承認されました。それで5対4になっているのでが、ゴーサッチ判事がトランプ大統領の言うことを聞くかどうかは分かりません。トランプ大統領が指名しているのですが、裁判官ですからちゃんと法的に考えて、どういうふうに言うか分からないですよね。最高裁が一体何と言うのかということが問題になっているという状況です。

今日の話をまとめます。トランプ体制は整っていませんが、大統領令は選挙時の公約通りどんどん出ています。共和党や議会とは協調も始めましたが、マスコミとは激しい戦いが継続しています。特に法人税引き下げとかオバマケアの代替案や入国制限に対する大統領令は反対勢力が結構強いので、なかなか進みそうにありません。特に税金は議会に権限があって、大統領には無いので簡単に通りそうにないという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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