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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > フィンテック② (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

フィンテック②

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

17/06/20


前回はフィンテックについてフィナンシャル、金融とテクノロジー、技術を結び付けたものがフィンテックで、その金融の世界にもイノベーティブなものが入ってきているというお話しをしましたが、今日はその続きです。

例えば自分の財産を管理してもらう、或いは資産を運用するといったような時にも金融機関は色々とアドバイスをしてくれますが、そこにも新しい技術が入ってきています。所謂ロボット、つまりロボアドバイザーが、どういう風にするのが一番適した資産管理なのか、或いはその投資先など、たくさんのデータを集めて、データでもって最適なやり方をアドバイスするといったことが起こってきています。前回お話しした決済や送金、融資のほかにもそういう技術が使われるようになってきています。

例えば銀行はお金を貸すときに、この人がお金をちゃんと返してくれるだろうかという所を審査するのですが、従来はやはりその人の事業の進め方、或いは人となりを見て評価をする訳です。一方実は銀行にはものすごい大量のデータがあって、例えば口座に入ってくる入金や出金、この人はいつどういう風にしてお金を出し入れしているといった情報もあるので、それをたくさん積み重ねてくると、「あ、この人は大体お金をちゃんと返す人だ」とか、「いやぁ中々危ない」とか、そういったことも数字を見ているうちに段々出てくるというのもあります。

しかし、危ないから担保だけあるかないか見る、あるいは保証人があるなら貸しましょうとなってくると、中身を見ないでシビアになってしまうでしょう。そうではなく中身を見てみて分析し、「いやぁこの人は返しそうだ」ということが分かってくれば、「別に担保ないけども貸してもいいですね」という様な事が起こるわけです。ですから、そういうデータを使って解析をするという事を金融の中で手法として取り入れていくと、金融の世界も変わってきます。そしてそれが今実際に起こりつつあります。

今は所謂、第四次産業革命と言われており、これは蒸気機関が出来た時と同じようなものすごい世の中の変化が起こりつつあると言われています。何がどう変わるのかよく分からないかもしれませんが、AIやIOTによって世の中が変わるのは、実はデータを処理する能力が前と今とで格段に違うからです。データ処理能力というのは、ムーアの法則というのがあって、1年半毎にパワーが倍になっていく、そうするとこの20世紀末から今日まで情報処理能力は76兆倍になっていると言われています。とにかく桁が違っていて、従来考えられもしないようなほとんど無限のデータを使う事が出来、それを処理することによって出来る事、これが言わば革命というのに値するようなイノベーションになるわけです。

そうすると金融の世界でも今盛んにフィンテックが大事で新しいことに何か投資しなくちゃいけないとなってはいるのですが、何に投資するかと言えば、データ、すなわちビッグデータを集めてきてそれを分析し、それをビジネスにするという所が恐らく一番大事なところでしょう。それをやらない限り、フィンテックと口だけで言っていてもおそらく本当の意味でのイノベーションにならないだろうと思います。たとえばFacebookにしてもGoogleにしても、そこで色んなメールや電話、様々なやり取りをしているうちに、情報をいっぱい持っている訳で、それを使って色々なビジネスが生まれてきます。銀行や金融機関も自分の中だけではなくて、そういったようなものを分析解析できる能力を持った人にやってもらい、それを使って別のビジネスに使うという風になってきます。すると、段々金融機関の外側にそういうのが生まれてきて、これをオープンイノベーションとよく言いますが、自分の所に全部囲い込んでしまうのではなく、

そういったものを外で得意な人がちょっとずつやります。そうすると何が起こるかというと、今迄は全部銀行の中で、「預金もあります」、「決済もします」、「送金もします」という風に銀行の中で閉じていたものを、「決済というのはこのアプリ」、「送金はこのアプリ」、「資産運用はこのアプリ」という風にそれぞれ得意分野をやっている事業会社が出てきて、金融機関ではない所がデータを処理して、ビジネスをつくっていくという事が今起こっています。先日聞いた話ですが、アフリカでも携帯電話を使ってみんな決済をしているため、銀行口座なんか無くても携帯電話さえあればいいそうです。だから先進国とか新興国とかいう概念よりも、寧ろ日本の場合はキャッシュがすごく安全で安心ですが、そうすると逆に新しい物が世界では動いているのにキャッシュで安心して日本はあまり先に行っていないという事が起こっているのかもしれません。例えばアメリカでも41%位キャッシュレスでやっていて、韓国が54%、中国は55%っていうくらいにキャッシュレスになってきているのに、日本は18%ないし19%です。

それでは今日のまとめです。

フィンテックっていうのは単に技術が変わるというのだけはなく、金融サービスのあり方や金融の担い手が変わる、或いはそれを使う人の生活の方を変えてしまうという事が今起ころうとしています。日本の場合にはそういったものを実感する場が少ないのですが、一度それを実体験してみてその変わり方、それがどういう風になろうとしているのか、それを是非皆さんも認識しておく必要があるのではないかと思っています。

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

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