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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 求められるリーダーとしてのDEO像(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

求められるリーダーとしてのDEO像(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

17/06/05

・近年、デザインとビジネスとの関わりが注目を集めている。例えば、"デザイン思考"という新製品/サービス開発の方法論が広く世界中に普及し、あちこちで取り組まれるようになった。デザイン思考をごく簡単に説明すると、対象となるユーザーをじっくり観察し、彼ら自身も気づいていておらず共感を呼ぶような課題(痛み)を明らかにし、大胆で創造的な解決策をブレーンストーミングなどを通じて考案し、プロトタイプなどを作成しながら製品/サービスがユーザーに真の便益をもたらし得るか、素早く仮説検証を繰り返しながら市場投入を図る、というプロセスだ。
・ここでの"デザイン"という言葉は、製品の造形的な側面という狭い意味合いに留まらない。新たな社会システムや革新的なビジネスモデルの考案、あるいは課題解決のための方法論も広義の"デザイン"に含まれる。
・このように、近年は広い概念で取り扱われる"デザイン"という言葉が、ビジネスのあり方に対して、より強い影響力を持ち始めているのだ。
・今回は、ビジネスに対するデザインの関わりという観点から、DEO(デザイン・エグゼクティブ・オフィサー)と呼ばれる役割について考察してみたい。
・DEOの概念は、マリア・ジュディースとクリストファー・アイアランドという二人の(広義の)デザイン分野の専門家が執筆した"Rise of the CEO ~Leadership by Design(和訳書は『CEOからDEOへ デザインするリーダーになる方法』)に記されている。
・著書の中で二人は、デザインが持つ力の中でも「変化をもたらす力」に着目して、それを実行するリーダーシップを発揮する人材をDEOと定義している。
・そもそも、なぜ「変化」に着目しなければならないのか?そこには、混沌として常に変化し続けるビジネスの外部環境に、否が応でも適応せざるを得ない時代に我々は生きているという背景がある。つまり、20世紀の右肩上がりの時代のCEO(特に大企業の)は、過去の成功体験に基づき、企業が持つ経営資源を適切に管理して市場シェアと売上(利益)を伸ばすという行動原則であればよかった。そこでは、外部環境に変化はあるものの、その動きは緩慢だった。従って、技術開発に長時間をかけても、製品化にこぎ着けて売上を計上できた。
・しかし、21世紀に入ってビジネスの外部環境が激変している。例えば、UberやAirBnBといった、固定資産を最小限しか持たずに市場に参入し、古典的なタクシー業界やホテル業界のプレーヤーを退場に追いやるような革新的なビジネスが突然生まれ、世界規模で急拡大するようになった。『CEOからDEOへ』の中でも、IBMが世界のCEOを相手に2年毎にインタビュー調査を行った結果をまとめたリポートを引用し、「CEOが益々複雑化するビジネス環境の中でうまくやっていくには、厳格さ、管理能力、誠実さ、洞察力といった資質よりも、創造力が必要(2010年)」や、CEOに不可欠な能力として「価値観の共有を通じて従業員に権限を委譲する」、「個のレベルで顧客に対応する」「パートナーシップによってイノベーションを増幅する(2012年)」といった点や、企業の寿命が1937年のS&P 500(スタンダード&プアーズ総合500種株価指数)平均では75年だったところ、現在ではわずか15年にまで短命化している点などを引用しながら、事業環境の変化の激しさを指摘している。
・以上のように、昔ながらのCEOの能力やリーダーシップでは時代の変化を乗り越えられないという危機感から、二人の著者は、従来のCEOに代わってDEOの概念を提唱しているのだ。
・次回は、具体的なDEO像について、『CEOからDEOへ』で紹介されている内容を参照しながら考察してみたい。

【今回のまとめ】
・ビジネス環境が激変し、先が見えない時代に突入し、従来型のビジネス・リーダーでは通用しないと言われる中で、DEO(デザイン・エグゼクティブ・オフィサー)という概念が提唱され始めている。 

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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