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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > バブルの発生 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

バブルの発生

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

17/05/17

今回は、バブルについて御話しします。1985年にプラザ合意という会議があり、その後3年間で大幅な円高となりました。円高で日本の輸出は激減すると思われていましたが、ほとんど減らず、貿易収支は大幅な黒字を続けました。日本製品の品質が高いため、値段が高くても買いたいという人が世界中に大勢いたからです。
これを見た多くの日本人は自信過剰になり、「日本経済は世界一だ。21世紀は日本の時代だ」と考えるようになりました。また、貿易収支が大幅な黒字で、これに海外からの利子の受取などを加えた経常収支も大幅な黒字でしたから、東京が国際金融センターになると考える人も大勢いたのです。
最初は、東京の都心の地価が上がりました。国際金融センターになると、外国の金持ち金融マンが都心に住むようになる、という発想から都心の土地を先回りして買った人がいたからです。しかし、これを切っ掛けとして、東京の地価が一斉に上がりはじめ、大阪などにも広がっていきました。株価も急激に上昇していきました。「世界一の国の土地や株が高いのは当然だ」と考えた人が多かったのです。

金融が緩和されていたことも、バブルが拡大した一因でした。円高のおかげで物価が安定していたので、日銀は金融を緩和していました。そこで、世の中には大量のオカネが出回っていましたし、土地や株を買う投資家たちは低い金利で簡単に融資を受けることが出来たのです。
株価も地価も、後から考えると「どうしてあんなに高くなったのだろう」と思うような所まで値上がりました。株価や地価を考える際の材料をファンダメンタルズと呼びます。株価で言えば、企業の利益とか持っている財産等ですし、住宅地の地価で言えばサラリーマンの年収などですし、商業地の地価でいえば、その土地を買って商売すると儲かるか、といった事です。バブル期には、株や土地が、こうしたファンダメンタルズから説明できないような高値で取引されるようになったのです。

出はどうして高い値段で取引されていたのでしょうか。この話を聞くと、「経済がわかっていない人々がバカな買い物をしたのだろう」と思うかもしれませんが、そうではないのです。日本経済を動かしているような賢い人々も株や土地を買っていたのです。これがバブルの興味深い所ですから、賢い人たちの行動について考えてみましょう。
バブルの時に、賢い人々はどう考えたのでしょうか。「今の株価や地価は、今のファンダメンタルズから考えると高すぎる。しかし、21世紀は日本の時代で、日本経済は今後も発展し続けるのだから、経済のファンダメンタルズは上がり続けるはずだ。それならば、今の株価や地価も決して高くない」と考えたはずです。これなら、論理的には間違えていません。
間違えていたのは、日本経済が今後も発展し続けるはずだ、という部分です。しかし、この点については、ある程度仕方のない事だったと思います。日本人全体が自信過剰になっている中で、自分だけが違う考えを貫くことは容易ではありません。しかも、当時の状況を考えると、日本人が日本経済の先行きに自信を持つ事は、とても自然な事だったのです。日本製品は世界中で高く評価されていましたし、新しい技術を用いた工場が大量に建設されていましたし、日本の景気も非常に良かったからです。

バブルというのは、当時の人々が何かとても愚かな判断をした結果だ、というわけではないのですね。それよりは、ユーフォリアに陥っていた、という事だと思われます。ユーフォリアというのは、日本語で熱狂とか陶酔とか訳される言葉です。
バブルが愚かな判断の結果ではない、ということは、非常に重要です。歴史を見ると、バブルは何度も繰り返されていますし、今後も繰り返されるでしょう。賢い人々にも、バブルを止める事は難しいからです。

大変難しいことですが、バブルが疑われる時には投資をしない、という事が必要になります。では、疑わしい時とはどのような時なのでしょうか。いくつか判断材料を挙げてみましょう。
第一は、人々が強気であり、その理由が示されていることです。日本の場合は「日本経済は世界一だ」と言われていました。
第二は、株価などが上がっても、一般の物価は上がらずに、金融の緩和が続くことです。日本のバブル期は、円高で物価が安定していました。
第三は、今まで投資に興味を持たなかった人が大勢投資をする事です。日本のバブル期には、はじめて株を買った、という人が大勢いました。
第四は、「日本の地価や株価は高すぎる」という外国人が増えることです。その場合、日本人がユーフォリアに陥っている可能性もあるからです。
こうした条件が揃った時には、必ずバブルだと言うわけではありませんが、安全のために投資を控えておいた方が良いのかもしれません。

まとめ:1980年代の後半、土地と株の値段がファンダメンタルズから説明できないほど上昇しました。バブルです。好況時の金融緩和も一因でしたが、何といっても重要な要因は、日本人が「日本経済は世界一で、21世紀は日本の時代だ」という自信過剰になっていた事でした。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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