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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > センサリーマーケティング:聴覚 (マーケティング/岩下仁)

センサリーマーケティング:聴覚

岩下仁 マーケティング

17/05/01


前回から話を進めているセンサリー・マーケティングについて今回も話を進めていきたいと思います。
今回は、耳、つまり聴覚に注目して話を進めます。

自社の製品について顧客に高い興味を持ってもらうため、音はとても重要な役割を果たすと言われています。例えば、鉄板で生肉が焼かれるシーンを思い浮かべてみて下さい。鉄板で実際に肉を焼いている人々は、仮に音が無くても音が原因で肉を美味しいと感じるわけでは無いので、焼いたお肉の美味しさが低下するわけではありません。一方でインターネットの動画などで鉄板でお肉が焼かれるシーンを見ている人は、音によって肉の美味しさをより強く感じる筈です。音を無くしてしまうと、鉄板焼きで肉を焼く動画の美味しさは伝わりにくいでしょう。ここで重要なのは音を聞いて興奮した時の方が対象になっているもの、今の場合であればお肉お肉を買うといった行為になりますが、消費者はより多くの時間或いはお金を費やすことになります。ですから、企業は音を上手く活用することで自社製品により興味を持ってもらえ、何より、より多く消費してもらえるでしょう。実際に鉄板で料理を提供するレストランは、テーブルにハンバーグを運んでからお客さまの目の前でソースをかけてジューッと音を聞かせたりすることがよくありますよね。

音に対して我々がどのように反応しているかということで、ここで一つの例を挙げましょう。薩摩酒造のさつま白波のCMをご存じでしょうか。この語り手の森本レオさんは皆さんご存じの非常に有名な俳優の方で、きかんしゃトーマスなどのナレーターもされていて非常に活躍されていますよね。この森本レオさんの声から視聴者はどんなイメージを抱くかといえば、森本さんの優しく語りかけるような声から連想されるのは信頼ですとか或いは伝統といったものになるかと思います。これこそがさつま白波のCMというのが非常に高い認知率を有し、とりわけターゲットとなっている中年の男性から高い評価を得ている要因でしょう。信頼或いは伝統といった印象を視聴者に持ってもらうことが同社にとっては非常に重要です。ブランドに対しても同じようなイメージを抱いてもらえるという効果があると思います。この森本レオさんの声の場合、実は優しい声に加えて重要な特徴というのがもう一つあります。話し方のスピードが心地よくゆったりした早さである点です。ゆっくり話すと聞き手は話の内容をより長く記憶することになります。ですから、話の情報を処理したり考えたりするのに多くの時間を費やすことが可能です。しかしながら、早く話すといったケースもありますが、これにもメリットがあり、話し手の知識が豊富だと聞き手に判断される傾向があります。

それでは企業がこの音を取り入れて、顧客にマーケティング戦略を立案していくにはどうしたらいいでしょうか。一般的に用いられる音というのは店舗内のBGMで、実際の店頭においてBGMを流すことによって消費者の知覚時間、つまり時間の感覚に影響をあたえることが出来ると言われています。具体的にはスローテンポな音楽を流した時にはアップテンポの音楽を流した時に比べて、消費者はより長い時間をかけて店舗を見て回ると言われています。つまり、スローテンポな曲の方が店により消費者が長く滞在してくれるため、購入金額も自然に向上します。ですから、クラシック音楽を店舗内のBGMとして流しても効果があるというふうに言われています。特に中高年の方が比較的好むのが、このクラシック音楽と言われていて、ホテルのラウンジなどかでクラシック音楽が流れているのは正に理にかなっているということが言えると思います。そうすると、ホテル自体にもブランドのイメージが良くなるという効果が期待できます。

店舗内のBGM、実はこの他にも効果的な手法があるという風に言われています。ファッションブランドのアバクロ、ご存じでしょうか。各店舗には若者が好みそうな流行のポップミュージックが流れていますが、実はこのアバクロのBGMには秘密が隠されています。実はこの音量は店舗で流すことが許可される基準をわずかに下回る90dbでボリュームが設定されています。こちらはアメリカのケースですが、実際この90dbというのはチェーンソーに匹敵する程の大きな音量です。これによってどういった効果があるのかというと、ターゲットである若者以外のお客さま、同社の場合であれば高齢者の方や親世代を遠ざける役割があります。あえて大きな音量で、流行の音楽、若者に人気の音楽を流すことによって、若者は取り入れながらも、自分の所のターゲットでは無いお客さんを遠ざける役割もあってこの音量にしています。

それでは今回のまとめです。
今回は近年注目を集めているセンサリー・マーケティングの中でも、聴覚、そして音楽に注目してみました。音で食欲を増進させたり、店内のBGMのボリュームや種類を上手く活用することで、滞在時間を長くしたり、ターゲットを絞り込むことが可能です。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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