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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > センサリーマーケティング(3)嗅覚 (マーケティング/岩下仁)

センサリーマーケティング(3)嗅覚

岩下仁 マーケティング

17/05/31


人の感覚をマーケティングに応用する、センサリー・マーテケティングについてお話をしていますが、これまで視覚・聴覚と話を進めてきました。3回目の今回は嗅覚、すなわち香りについて話を進めたいと思います。
例えば前回音の話をした際に出てきたアバクロンビー&フィッチでは、音楽の質や量で特徴的な取組をしてきたと話をしたと思います。実はこの企業、香りに関しても工夫をしています。こちらのショップに行ったことのある方はわかるかと思いますが、店内に入ると独特な香りがしますよね。これが若者を引き付けるわけです。他にもカルディという輸入食品店、ご存知かと思いますが、入り口でコーヒーのサンプルを配布することでわざとコーヒーの良い香りを流し、通行人を引き付けて店内に引くことに成功しています。更にウエスティン・ホテルの一部ではペンに香りをつける取組を行っています。実は香り付きのペンがあり、顧客がホテルの部屋で使用する際に記憶に残る経験を作り出すとともに、顧客がペンを持ち帰って再び利用する時、同じ香りを漂わせます。それによってウエスティン・ホテルでの素晴らしい滞在の経験を思い出すというものです。

非常に上手く香りを利用してリピーターを作っているということが言えると思います。勿論消費者にとって好ましい香りはポジティブな行動に繋がるため、購入金額は増えますが、好ましくない香りは不快を喚起して逆に購入金額を低下させます。代表的な好ましい香りはコーヒー、好ましくない香りはごみの匂いと言われています。ではこの好ましい香りと好ましくない香りとを消費者はどのように判断するのでしょうか。ある香りを魅力的であると知覚するか、そうでないと知覚するかは、その香りにどのようなラベル付けがなされているかに基づくと言われています。

香りの場合のラベル付けとは、対象に一方的にある評価を加えレッテルを貼る、そういったことを意味します。例えば、対象がドリアンであるとしましょう。この匂いを腐った玉ねぎの匂い、このようにラベル付けすると、消費者にとってドリアンはネガティブに感じられます。一方で匂いを熟れたバナナとラベル付けするとポジティブに評価します。これらの現象というのは企業において商品を担当する人、すなわちマーケターにとって大きな示唆を含みます。製品の香りに対する適切なラベル付けによって、製品が単純にそのような製品特徴を有していると消費者に確信させることが出来ます。

他にもトイレに置く芳香剤。これにはレモン、バラ、ラベンダー、そういった様々な良い香りが付いていますが、この香り自体には消臭効果はありません。ところが消費者はこの香りそのものがトイレの匂いを消しそうなイメージを抱きます。つまり、トイレの芳香剤=ラベンダーの香りとラベル付けされているわけです。更に香りには万人が同じイメージを持つ香りと、同じ香りでも個人個人で違うイメージを持つものがあります。例えば清潔という言葉で思いつく香りのイメージ、これは大体皆同じと言われており、大きく3つに分類されます。まず1つ目は果物やフルーツの香り、特にレモン・オレンジといったシトラス系があると言われています。2つ目が自然に関する香りで、特に木がこれに該当します。3つ目が洗浄製品の香り、石鹸などです。これらの研究成果を考慮しますと、例えば制汗スプレーに何故グレープフルーツや石鹼の香りが多いのかが理解できるでしょう。これはまさに香りのラベル付けを利用しているということになります。

ちなみに万人に共通しない香りにはどのようなものがあるでしょうか。
これは実はお母さんの家庭料理の匂いというふうに言われています。この香りはかつて家族と一緒に食事をした記憶とともに、まるで自宅にいるような感情を思い起こしますが、母親の家庭料理の匂い、これを構成する香りというのは個人の好みやそのご家庭の好み、文化的背景によるために家族ごとに違います。このようなことからマーケティングに取り入れるには、もちろん万人が同じイメージを持つ先ほどの3つの香りの方が有効と言えます。

香りマーケティングにおいてはこのようないい香りだけではなくて、いやな香り、これを使う場合もあります。アメリカの例ですが、ライバルの政治家のスローガンと嫌な香りを一緒に手紙に付けてそれを有権者に送る、そういったことが行われたりしています。日本ではあまり考えられませんが、そんな風に利用することも出来るということです。

それでは今日のまとめです。今回はセンサリー・マーテケティングの中でも匂いについて注目してお話してきました。香りを上手く利用することで製品に対して特定の特徴を強調することで、消費者に対してポジティブなイメージを作り出します。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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