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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 戦後日本経済の歴史 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

戦後日本経済の歴史

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

17/04/18


今回は、戦後日本経済の歴史についてお話しましょう。
戦後の日本は、焼け野原からのスタートでした。工場がほとんど焼けていたので、生産力は乏しく、輸出出来るものは殆どありませんでしたが、一方で食料や復興のための資材などを輸入する外貨が必要でしたから、とにかく輸出産業の育成に力を入れました。
最初は石炭と鉄鋼に資金と資材を集中的に投入し、石炭と鉄鋼の生産が増えてきた所で繊維産業などを支援して、繊維等の輸出を伸ばしたのです。当時はドルが本当に貴重でしたから、絶対に必要な物しか輸入出来ませんでした。したがって、日本で作れる物はすべて日本で作る、という大方針のもと、製品類の輸入は厳しく制限されていたのです。
戦後10年ほどが復興期で、その後は高度成長期となりました。

1973年の石油ショックまで平均10%近い経済成長率が20年近く続きました。需要と供給がバランス良く伸びたことが最大の特徴でしょう。工場が建って生産が伸び、雇用が増え、給料が上がり、消費が増えて生産が増え、という良い循環が続いて行きました。人々が勤勉に働いて倹約し、貯金に励んだので、銀行にはお金が集まり、企業は銀行から借金をして工場を建てることが出来たのです。
農村ではトラクターが導入されて人手が余りましたが、都市では新しい工場が次々と建ったので人手不足でした。そこで農村から若者たちが都会に働きに出たのです。彼らが都会で結婚して家庭を持ったものの、盆と正月には農村の親に会いに行くので帰省ラッシュが起きるのです。

高度成長期が終わったのは、石油ショックによって厳しい引き締めが行なわれたためです。石油ショックの混乱が収まってからバブル期までの十数年間は、安定成長期でした。ただ、石油ショックが無くても高度成長期は長続きせず、安定成長期に移行していたと思われます。
それは、製造業中心の成長が一段落し、サービス業に成長の中心が移っていったからです。今で言えば、全自動の自動車生産工場が建つ代わりに、宅配便のサービスが増えるようになると、生産性が爆発的に伸びることが難しくなってくる、といったイメージでしょう。

高度成長期よりは成長率が低かったですが、毎年4%も5%も成長していたのですから、今とは大違いでした。高度成長期の日本製品は「安いけれども品質が今ひとつだ」と言われていたのですが、安定成長期には日本製品の品質が向上しました。安定成長期の次はバブル期だったのですが、その頃までには「日本製品は高いけれども、品質が良いから欲しい」と世界中から言われるようになったわけです。

日本経済がアメリカ経済を追い越して世界一になったと言われて、日本人が浮かれていた時代です。世界一の国の株価や地価が高いのは当然だ、ということで、株や土地の値段が猛烈に上がっていったのです。とにかく景気が良く、皆が贅沢をしていました。楽しかったですが、後から考えれば「はしゃぎ過ぎ」だったわけですね。

バブルが崩壊すると、日本経済はバブルの後遺症に苦しみました。1990年代の前半は、バブル期に贅沢をし過ぎた反動で皆が節約をしたため、景気が悪かった時代です。1990年代の後半は、バブル期の貸出が焦げ付いて銀行が次々と倒産し、金融危機が起きました。2000年代には、特に大きな理由はありませんでしたが、経済は停滞したままでした。この時期に経済が停滞していた理由については、日本経済に需要が足りなかったという説と、日本経済の生産者に問題があったという説に分かれています。

私は、需要が足りなかった事が原因だと考えています。国内の需要が足りないので、日本企業は必死に輸出をしました。しかし、2000年にはアメリカのITバブルが崩壊して輸出が激減しましたし、2008年にはリーマン・ショックで輸出が激減しました。こうして輸出が減るたびに、やっと立ち直りかけた日本経済は深刻な不況に悩まされる、という事が続いて来たのです。
需要が足りない理由は、たくさんあります。最大のものは、日本人が勤勉に働いて物をたくさん作る一方で、皆が倹約して物を買わないので、作った物が売れ残る、という事でしょう。
高齢化社会になったので、人々が「長生きをしても困らないように、節約して老後のために貯金をしよう」と考えるようになり、ますます需要が落ち込んだ、という事もあったと思います。
安倍内閣が成立してから、アベノミクスの効果で景気が回復し、失業者が減り、経済は良い方向に動いているように見えますが、バブルが崩壊してからこれまで20年以上も、「今度こそ景気が回復するだろう」という期待が何度も裏切られて来たので、今回についても景気の先行きに自信が持てない人が多いようです。
「景気は気から」と言うわけで、人々が景気の先行きに明るい展望を持っていないと、設備投資をする会社も少ないでしょうし、消費者も節約に励むでしょうから、景気の回復にはマイナスです。そうした事を考えると、今後の経済が本当にこのまま改善していくのか、楽観は出来ないのかも知れませんね。

まとめ:戦後の日本経済は、バブル期までとバブル後の2つに大きく分けられます。経済が成長していたバブル迄と、停滞していたバブル後です。細かいことはともかく、バブル迄とそれ以後が全く違うという事は、是非覚えておいて下さい。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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