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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > カナダ・ウォータールーのイノベーションハブ(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

カナダ・ウォータールーのイノベーションハブ(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

17/04/20

【今回のまとめ】
・人口わずか50万人のカナダ・ウォータールー地域が、世界的なイノベーションのハブとして急成長している。その背景には、Communitechによる様々なステークホルダーのコーディネート、ウォータールー大学から輩出される優れた技術系人材、協働を育む地域性、などがある。


・今日は、カナダ・オンタリオ州のウォータールー周辺のイノベーションのハブ施設であるCommunitechの活動を紹介したい。Communitechは、カナダを代表するアントレプレナーシップとイノベーション促進の拠点として知られている。特に、技術系セクターに対して、ビジネスの極初期から事業拡大のステージまで、切れ目なく支援を行っている。また、スタートアップ企業が大企業と連携してイノベーションに取り組むための"イノベーション・ラボ"の仕組みも整えている。100社の会員企業を有し、クライアント企業の経済インパクトは1.7Bドル(1,700億円!)だという。様々なカンファレンスやらイベントやらが頻繁に開催され、オープンドアポリシーで起業家や投資家がふらっと出入りする自由な雰囲気が特徴である。
・Communitech(会社組織)の設立は1997年に遡る。設立以来1100社の創業と成長を支援し、Waterloo地域とカナダ経済に貢献してきた。今や7,500平米の施設を管理し、周辺を含めて1,000社以上からなるイノベーションのコミュニティを形成するに至っている。施設は、古い倉庫を改装し近代的なデザインと融合している。見渡すとフロアのほとんどがオープンなスペースとなっており、あちこちにオープン/セミオープンの打ち合わせスペースが点在しており、その向こうにブースに仕切られた企業入居スペースが広がっている。
・また、フロアを上にあがると、地域内で起業した教育支援ツールを開発するスタートアップD2Lが、既に500人超の従業員を抱えるまでに成長し、入居している。
・Communitechが提供するサービスは主に以下の通りである。
1)優れた人材の紹介(ウォータールー大学の卒業生を含む)
2)スタートアップのハンズオン・サポートやアクセラレーター運営
3)大企業のコーポレート・イノベーション・プログラム
4)Communitech Data HubによるAI、自動運転、サイバーセキュリティ、スマートシティ等の新たな産業の育成
5)エンジェルやベンチャー・ファンドへのアクセス
6)地域内での新たなキャリア獲得や高度な人材ネットワークへのアクセス
・以上、Communitechは、地域内でイノベーションを起こすための"仕掛け役"や"仲介役"を担っており、立地企業や行政などからも高く評価されている。
・Waterlooは人口50万人程度にすぎず、もともと農業地帯だが、昔から地域住民には共同作業を進んで行う習慣が根強かったという(かつては、納屋を共同で建てるなど、住民の協力は当たり前だった)。つまり、立場は違っても協力し合う風土があり、それが現在のイノベーティブなコミュニティ形成の価値観形成につながっているとCommunitech関係者は言う。
・また、ウォータールーの大きな強みは、ウォータールー大学から輩出される技術系人材だという。同大学ではアントレプレナーシップ教育に力を入れており、学生は最長2年間の就業経験を持って"即戦力"として卒業していくため、企業側の評判も高い。
・ウォータールーは、今やグローバル・スタートアップ・エコシステムランキングで世界のトップ10入りを目指すまでに成長している(現在は20位程度)。世界の上位5位が、富の80%を獲得できるため、上位入りは極めて重要だと位置づけられている。周辺に大きな産業がない中でハイテクによるイノベーションのハブを築き上げたこの地域は、福岡や九州大学にも参考になる点が多いと思われる。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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