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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 品質管理(7):品質造り込みを担うQCサークル (企業戦略、生産管理/目代武史)

品質管理(7):品質造り込みを担うQCサークル

目代武史 企業戦略、生産管理

17/04/26

今日は、日本のものづくりにおいて「高品質を支える現場力」についてお話をします。
前回、日本の製造業においては高い品質を実現する為に、検査によって不良を取り除くことよりも品質を工程で造り込むことを重視しているというお話をしました。品質を工程で造り込む為には、作業者が加工作業と共に、自ら検査をする「自主検査」が重要となってきます。この自主検査をサポートするものとして、「ポカよけ」という簡素な道具や仕掛けがしばしば用いられることもご紹介しました。こうした品質造り込みの為の取り組みは、製造現場ではどのように進められているのか、それが今日のテーマです。

日本の製造現場で品質造り込みを始めとする改善活動になっているのが、作業者を中心として組織される「QCサークル」と呼ばれるものです。QCとは、品質管理の英語である"Quality Control"からきています。「QCサークル」は小集団改善活動とも呼ばれ、品質管理だけではなく、職場の作業環境の改善や生産性の向上など生産物の品質のみならず仕事の質も含めた改善活動に取り組んでいる組織です。「QCサークル」は、職場の第一線で働く人々によって自主的に運営されているもので、大体一月に数回位のペースで定期的に行うことが一般的です。グループ毎に具体的なテーマを設定して、一テーマについておおよそ三か月程度の期間をかけて取り組むことが多いようです。かつては通常の生産作業が終わった後の業務時間外にQC活動が行われていたこともあったようですが、最近では、QC活動は正式な仕事の一環として業務時間内に行われるようになってきています。

具体的には、ポカよけの仕組みを作ってたり、不良が発生した時の原因究明をしたり、大きな問題から小さな問題まで様々な問題を発見し、その解決に取り組んでいます。そうした生産ラインにおける品質の維持・向上だけではなく、それと同じ位重要視されているのが職場の活性化や人材育成です。生産作業そのものは、どうしても仕事の性質上決められた作業の繰り返しになりがちで、マンネリ化しがちです。作業者は、単にものを作る作業を繰り返すロボットではなく、感情や知性をそなえた存在です。同僚と仲良くなりたい、仲間に認められたいといった欲求もあります。さらには、もっとこうしたら楽に正確に仕事ができるのにといった知性や創造性も持ち合わせています。そこでQCサークルのような自主的な改善活動を通じて、職場の一体感の醸成や個々の作業員の創造性の発揮、あるいは問題発見や問題解決能力の育成を図ろうというわけです。

企業のQCサークルを支援している日本科学技術連盟(通称:日科技連)は、QCサークルの目的として以下の三つを挙げています。
1. QCサークルメンバーの能力向上や自己実現
2. 明るく活気に満ちた生きがいのある職場作り
3. お客様満足の向上及び社会への貢献
さらに、基本理念として、
1. 人間の能力を発揮して無限の可能性を引き出すこと
2. 人間性を尊重して生きがいのある明るい職場を作ること
3. 企業の体質改善、発展に寄与すること
を謳っています。

  なお、日科技連は、日本全国のサークル活動を支援しており、北海道から沖縄まで九つの支部が設けられています。この九つの支部がさらに三十六の地区にわけて活動を行っています。例えば、九州では北部九州地区、中部九州地区、西部九州地区という具合にわかれています。このQCサークルは、基本的に各企業や各工場で行う活動ですが、企業の枠を超えた成果発表大会も行われています。それが「QCサークル全国大会」といわれるものです。第一回は1963年に仙台で開催されましたが、直近では、今年二月に5,890回目の大会が福岡で開催されました。

ものづくりに携わっていない方々からすると、聞きなれないかと思いますが、品質を良くするということプラス日本の製造現場における人づくりにも役立っているのがこの「QCサークル」というわけです。
QCサークルの歴史は古く、その始まりは戦後日本に科学的な品質管理を紹介し普及に尽力したアメリカのエドワード・デミング博士の教えにまで遡ります。デミング博士は1950年に来日し、日本全国で経営者や管理者に科学的な品質管理の思想と手法について講演をしました。その功績を称え、品質管理の発展に貢献した企業や団体、個人に贈られるデミング賞が1951年に創設されました。こうして日本において近代的な品質管理に対する関心が高まっていきました。1960年代に入り、近代的な品質管理を各工場の現場レベルで自分たちにあった形で勉強し導入を図っていこうという機運が高まってきました。これが小集団改善活動の始まりで品質管理に関するサークル活動ということから「QCサークル」と呼ばれるようになったわけです。

では、今日のまとめです。
 日本における高い品質の背後には、品質の造り込みという考え方があります。この品質の造り込みを支えているのが生産現場における小集団改善活動、つまり「QCサークル」です。QCサークルは1960年代から取り組みが始まり、現在では全国で活動が展開されています。

分野: 企業戦略 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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