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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 人事制度を設計する上で大事なポイント② (人材マネジメント/良田智雄)

人事制度を設計する上で大事なポイント②

良田智雄 人材マネジメント

17/03/17

前回は「人事制度の根幹」についてお話しました。
今回は人事制度を作る上で考えておかなければならないことについて、「外の整合」と「内の整合」という二つのキーワードからお話したいと思います。

会社の制度が変わるという時がありますよね。例えば、年功序列を定めていた会社が、あるタイミングから年俸制を導入しようという形に変わった場合、これは本当にその会社にとって良いのことなのか様々な意見が出てくるでしょう。こういった制度の変化についての評価は、どのように判断するのでしょうか。

ここで先ほどのキーワード、「外の整合」と「内の整合」が重要になります。先ほど年俸制を例にお話しました。年俸制は年間のアウトプットで報酬を決めていく制度なのですが、この報酬で働く人達はどのような人達なのか、その人達に一体どのようなことを達成して欲しいのか、それらはきちんとした目標設定ができるものなのか、働く人はそれに納得して働けるのか、本当に会社が目指している方向とあっているのかなどといったことは、「年俸制」と聞くだけでは判断がつきません。スポーツ選手、特にプロ野球の世界では、「年俸制」という報酬の払い方が多く用いられていますが、それはスポーツの世界では年俸制が最も適しているからです。

つまり、会社においての評価制度とか報酬制度など、人事制度全般に言えることですが、「どのような人にどのように働いて欲しいか」ということを基に制度を作る必要があるのです。「どのように働いて欲しいか」というのは会社の戦略です。さらに言うならば、この会社の戦力は、世の中がどんな風に変わってきて、我々の会社はこのマーケットでどう戦っていくのか。そこで戦っていく為にはどういう戦略でいくべきなのか。その戦略で戦ってもらうにはどういうモチベーションをもって頑張ってもらったら良いのか。社員にモチベーションをもってもらえるような評価の仕組みはどういったものだろうか。その評価の仕組みで払われる報酬はどうしたらよいのだろうか、という形で全てが上手くつながりながら仕組化されているのであれば、これは極めていい制度になります。

そこのどこかに齟齬が出てくると、その制度は本当に大丈夫なのかという疑問が生まれてくるわけです。最近では、何となく年功序列はあまり良くないイメージで語られることが多いように感じますが、実際にはそんなことはありません。きちんと一年一年勤め上げることがその会社の成長に確実につながったり、習熟度を上げることにつながったりするような仕事であれば、年功という形の方がわかりやすい制度と言えます。ですから、それがこの会社がこのマーケットで勝っていく戦略であれば、年功序列という制度を置いておく方がいいわけです。逆にこの辺りの関係性が変わったのであれば、今度は年功序列も変えないとおかしいわけです。会社があるべき方向性や戦略が変わらないのに制度だけ変えても辻褄が合わなくなっていきます。

最近、年俸制の会社が増えてきていることに危機感をおぼえています。周りの会社が年俸を取り入れているからうちも年俸にしてみよう、という気持ちだけで制度を変えてしまうと、実際に働いている人からしてみれば、実際にはコツコツやってきちんと評価されて給料もらう方が適した会社なのにも関わらず、いきなり一年間に君の報酬はこうだから来年頑張りなさいと言われると、制度についていけなくなるなどどこかで綻びが出てくるわけです。実際の事業の方向感と制度が合わなくなってくると、事業も上手く進んでいかないことは容易に考えられます。この縦軸、「外の整合」をきちんと考えて制度設計をしないといけません。

次に「内の整合」は制度感の話です。例えば、評価制度、報酬制度、育成制度など色々あると思いますけども、これもそれぞれが有機的に整合していないと上手く回っていきません。例えば、評価は「営業の数字で出す」と決めているにも関わらず、育成の方向は「利益にこだわる人」、「コストをしっかり絞る」ということも意識させるとなると、本来は売上さえ上げていればいいと言われている人に対して、コストを考えろと言っていることになり、辻褄があわなくなります。もちろん利益思考から、今まで売り上げ一辺倒だったところにコストも考えるようになりなさいというような育成の方向性を入れていくとこれは適合します。つまり、一つ一つの仕組みをそれぞれ独立して見がちですが、一つの評価を通して、様々な所につながりがあります。ここがきちんと整合していかないと制度全体が機能せず、どこかで詰まってしまうとそこまでで何かが終わってしまってそれ以外のものは会社が意図した形でその人達に影響を与えないといったことにつながっていくということです。

では、今日のまとめです。
人事制度を設計する上でのポイントとして、「外の整合」と「内の整合」というのがあります。「外の整合」とは、会社が向かいたい方向を支える制度になっているか、つまり、戦略との整合があるかということです。「内の整合」というのは、一つ一つの人事制度それぞれが有機的に結びついているかということです。この両方がきちんと結びつくことによってより良い制度という形が言えるのではないでしょうか。

分野: 人材マネジメント |スピーカー: 良田智雄

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