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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 空港民営化② (国際経営、国際物流/星野裕志)

空港民営化②

星野裕志 国際経営、国際物流

17/03/07

昨日は福岡空港が2019年度に民営化を目指しているということで、世界の潮流である空港の民営化の話をしました。

サッチャー政権下の英国で始まった空港民営化ですが、民営化にはいくつかの手法があると言われています。アン・グラハム先生のご研究から、まず今日はそこから説明したいと思います。

まず第一に、株式市場において株式を公開することです。世界で最初に英国空港運営公団BAAは、1986年に格式会社化して、翌年の1987年に株式公開をしました。

第二には、空港の一部又は全部を入札により民間企業に売却することです。
これも英国の例ですが、1990年に、リバプール空港を民間に売却しています。

第三には、「コンセッション」といわれますが、20から30年間といった長期間にわたって、空港の経営権を売却する方法です。1997年にコロンビアで導入されました。

第四が、BOT方式と呼ばれる、民間企業が空港施設等を建設、運営し、事業終了後に施設を公共部門に譲渡する方法です。BOTは、Build建設、Operate運営、Transfer移転の頭文字をとったもので、PFI事業の手法の一つです。1987年にトロント空港のターミナルの民間企業の受託から始まったようです。

PFI (Private Finance Initiative)は、民間が事業主体としてその資金やノウハウを活用して、公共事業を行う方式で、かつて福岡市でも清掃工場の排熱を利用した施設のタラソ福岡で実験されたことがありました。

今回国内の空港民営化の枠組みは、国土交通省が2013年施行の「民活空港運営法」に基づくもので、滑走路や施設の所有権は移転せずに国に残したままで、運営権を民間会社に与える三番目のコンセッション方式を取ることになります。一定期間の経営権、運営権を与えるということです。

公共事業に民間の手法を導入する民営化によるメリットは、民間のノウハウを活用することで、路線網の拡充や航空会社や乗客の利便性の向上が期待されています。例えば、日本の空港は着陸料が高いと言われていますが、空港ビルの物販収入などを使い、着陸料を下げることで、より多くの航空会社を誘致して、就航路線の拡大などが期待できます。また滑走路と空港ビル、駐車場を一体運営することでコストの削減も可能になるといわれています。

空港民営化でより多くの航空会社や海外からの来訪が期待できるということです。

昨年空港民営化の影響を学ぶために、関西空港を見学してきました。そこでは、明らかに今までの空港とは違う動きがありました。

関西、伊丹の両空港は、日本のオリックスとフランス企業で空港運営の実績のあるバンシ・エアポートと関西電力など合計32社が出資して「関西エアポート」を設立して運営権を獲得し、昨年4月から44年間両空港を運営しています。

関西空港には、滑走路を挟んで既存の航空会社用のターミナルと格安航空のLCC用のターミナルがあります。LCC用のターミナルは、明らかに内装も施設も簡素ですが、その分空港使用料を下げることができます。また、離発着する航空機は、通常ターミナルのスポットから、トーイングカーという特殊車両で牽引されるのですが、関西空港のLCC用のターミナルではそれが不要なように、航空機が自走式で駐機をするような工夫もありました。これらの工夫でコストが削減できるので、LCCの運賃を下げることができることになります。

関西空港の話は民間企業ならでは、あるいは今までのノウハウを使いながら、新たな空港運営がされているということです。それと同じことが、福岡空港でも期待されています。先月地元企業が空港運営の新会社を設立し、民営化の入札に参加することになります。今後航空会社なども参加することで、アジアからのゲートウエイとして、福岡空港がますます魅力的になることを期待しています。


空港民営化の手法として、4つの方式があることを説明して、日本ではそのひとつであるコンセッション方式という一定期間の空港の経営権、運営権を企業に与える方法が取られることを説明しました。既に民営化された関西空港の例から、今までにないネットワークの拡充や航空会社や乗客の利便性の向上が期待できそうです。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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