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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 儲けの構造 第1回:高く売るには? (テクノロジーマネジメント、オペレーションズマネジメント、日本的経営/金子浩明)

儲けの構造 第1回:高く売るには?

金子浩明 テクノロジーマネジメント、オペレーションズマネジメント、日本的経営

17/03/27

今日は「儲けの構造」についてお話します。
今回のテーマは、「高く売るには?」です。ビジネスの目的というのは、長く会社が続くとか、社員の雇用を生むとか、株主や顧客への貢献など様々です。ただし、これらを実現するためには会社が儲けなくてはなりません。そのためには、自分たちがかけたコスト(原材料費、あるいは内部でかかった人件費など)よりも、お客様に高く買っていただかなくてはなりません。たくさんの利益を生めば当然株主にも還元できますし、たくさんの利益を生んでいるということは顧客に支持されていることでもあります。そして利益を事業に投資すれば、その企業が持続的に成長することも可能になります。

では、儲けるためにはどうすればいいのでしょうか。話をシンプルにするために、会社全体や事業ではなく、一つの製品やサービスの単位で考えてみましょう。
会社の利益とは、一つの製品やサービスの積み重ねです。そこで重要なことは、「高く売れるか」あるいは「安く作れるか」です。その両方が実現できればいいわけですけれども、一つの製品が高く売れればその分「売上高」が増えます。一つの製品を安く作れば当然「コスト」が減ります。これが儲けの二つの構造になります。

儲かってる製品サービスで高く売れているものとして、「ディズニーランド」が挙げられます。ディズニーランドはお客様がたくさんお土産を買ったりグッズを買ったりしてお金を落としていきます。入園料も他のテーマパークに比べて非常に高いです。また、「高級ブランド」もその一つです。高級ブランドは、製品そのものも高いですし、広告宣伝等にも多くのお金をかけているところをみると儲かっていると感じます。たとえ同じような素材の商品でも、ブランド物かそうでないかで値段が大きく変わりますよね。
「ディズニーランド」と「高級ブランド」に共通するのは、同じ種類の製品やサービスと比べて高いということです。高く売れるから一つの製品やサービスあたりの利益率が高くなるわけです。つまり、儲かるためには「高く売れる」ということが大事なのです。

では、高く売れているのはなぜでしょうか。それは他では得られないサービスや他よりも良いサービスを提供してくれるからです。例えば「ディズニーランド」でいえば、ディズニーランドにしかいないキャラクター、ディズニーランドでしか得られない経験、こうした独自の経験があり、お客さんはそれをよいと感じているため多少高くても満足します。誰でも提供できる商品やサービスであれば、人は安い方を選びます。高く売れるということは、他にない、うれしい違いがあるということです。もう一つ重要なことは、他にないということはそれを提供する人が少ないということです。誰でも売れる、誰でも作れるものでは、最初は他にないものでもいつしか当たり前のものになってしまいます。このように、欲しがる人は多いけれどもそれを提供できる会社や売ってる数が少ない、こういう製品やサービスを「差別化されている製品・サービス」といいます。単なる違いではなく、それはお客様にとって嬉しい違いとなります。

では、お客様にとって嬉しい違い、差別化にはどういうような種類があるのでしょうか。大きく分けて3つあります。「基本機能の差別化」、「ブランドの差別化」、「付随サービスの差別化」です。
まず初めに航空会社を例に考えてみましょう。航空会社はどこの差別化が一番大きいでしょうか。エアラインの基本機能というのは、目的地に定時につくことです。もちろん「安全に」です。ただ、どのエアラインに乗っても時間そのものは変わりがありません。高い航空会社に乗っても時間は遅れることはあります。つまり、基本機能においては、どの航空会社に乗っても大きな違いはありません。ではどのような違いがあるかというと、「ブランドの違い」があったりします。日本の大手のエアラインにブランド価値を感じている人はそのエアラインに乗るでしょう。さらに、「付随サービスの違い」があります。例えば、機内販売やラウンジ、マイレージの違いです。こういったものがあるから「ANAに乗ります」、「JALに乗ります」という人もいるでしょう。こういったものが差別化になっていて、実際に高く売れているわけです。

他にも家電の例を挙げてみましょう。以前、東芝が福山雅治を使ったテレビを発売しました。REGZAですね。REGZAが売れた理由というのは、基本性能もさることながら福山がCMに出たことによるブランドの差別化だといわれています。どの液晶テレビもあまり性能に違いがなくなってきたため、次に「ブランド」が重視されるようになったわけです。このように、製品やあるいは製品のどれだけ基本機能で差がつけやすいのかつきにくいのかによっても、差別化のポイントは変わってきます。同じように、医療用医薬品、薬も実は種類によって違います。例えば、病院に行ってもらうような典型的な薬というのは「機能」が重要です。ブランドで薬を買う人はほとんどいません。ただし、ドラッグストアで売っているようなOTCといわれる普通の風邪薬はほとんど機能に違いがありません。ゆえにブランドで決められます。そのため、CMが非常に重要になるわけです。

では、こうした差別化を実現させて高く売るにはどうしたらいいのでしょうか。そのためには、例えばディズニーランドであれば従業員の教育やアトラクションの投資にお金をかけます。いずれにしても、そのための努力をしなければなりません。差別化にはお金と時間がかかるのです。ディズニーランドでは毎年億単位の投資をして新たなアトラクションを作っています。これが実は「差別化戦略」、つまり、高く売る戦略の難しい点です。一つは差別化して高く買っていただけるような違いができたとしても、そのためにあまりにコストをかけすぎてしまうと元が取れないわけです。当然他にないうれしい違いを作るために様々な投資をするわけですが、それ以上に高く売るための努力をしなければなりません。せっかくお金をかけて努力をして他にない違いを実現したとしても、簡単にまねされてしまうとその違いがなくなってしまいます。ディズニーランドはいろんなところにまねされていますけども、今のところ並び立つテーマパークというのはなさそうです。それは、継続的なアトラクションへの投資に加え、ディズニー本体が常に新しいキャラクター、アナと雪の女王などを生み出して成功させているため簡単に他が真似できないのです。

では、今日のまとめです。
儲けの仕組みをシンプルに整理すると、高く買っていただくか、安く作るかの2つになります。今回は高く買っていただくための戦略についてお話しました。重要なのは、「お客様にとって嬉しい違いを作ること」、そして、そのための「努力をすること」、最後に「まねされないようにすること」です。

分野: 技術経営 経営戦略 |スピーカー: 金子浩明

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