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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トランプ大統領の修正 (企業財務 M&A/村藤功)

トランプ大統領の修正

村藤功 企業財務 M&A

17/02/24


トランプ大統領は選挙時に様々な公約を掲げていましたが、一方で共和党と共に政治を担っていかなければならないし、加えて国際社会が求める現実というものもあります。ですから、それらを考えると段々と一定の修正をしていかなければいけない状況になっています。

今日はトランプ大統領が公約を修正しつつあることについてです。

我々日本人としては、アメリカ大統領選挙期間に何が一番心配だったかといえば、日米安保でしょう。トランプ大統領は、アメリカ軍の日本駐留に否定的で、もしアメリカ軍の駐留を日本が望むなら費用を100%日本側が負担するように、それが嫌であればアメリカ軍は撤退するので核でも自国で保有すればいいのではないかと主張しており、それが一番悩ましいことでした。ところが国防長官にマティス氏を任命し、彼が来日してみると彼ははとても常識的な人物でした。最近はマティス国防長官が大変な好人物見えてきています。彼があらゆる所に訪問して国際常識を発揮しています。トランプ大統領が防衛問題をマティス氏に一任し、彼が決めた事であれば良いのではないかと、日本やNATOで彼の評判は上がっています。日本側は当初、駐留米軍費用負担の増額を求められると想定していましたが、多額の費用負担を感謝され、ティラーソン国務長官からは尖閣諸島に関しては日米安保第5条を適用する旨を伝えられました。安倍総理の訪米の折にはトランプ大統領も駐留米軍に関して感謝を述べ、負担費用の話は無くなったようです。

NATOに関して言えば、集団的防衛義務というのが相互に防衛し合うものですが、これはアメリカの国家安全保障上のコアな部分と言われていますが、アメリカだけ多くの費用を負担してヨーロッパは負担しないため、費用を負担しなければアメリカは共同防衛義務を守らないという姿勢です。今回マティス氏が提言したのは、今までした約束を守ることでした。ヨーロッパのNATO加盟国は、GDPの2%は国防費を負担するということを実は自分たちから言っていたのですが、これがまだ2%に到達していません。まだ履行期限がきていないので、期限までには段階的に守るようにして欲しいとマティス氏が言うと、承諾されました。これも集団防衛義務はどうなるのか分からなかったので、その重要性を共和党側から指摘され、トランプ大統領も認めました。

それから中国です。アメリカがトランプ大統領になって台湾と会談し、友好的な関係になっています。トランプが「ふたつの中国」でもいいのではないかと突然言い始め、中国は一瞬焦りました。今までずっと「ひとつの中国」と言っていたのに台湾が国として認められてはいけないということです。この問題は中国とアメリカが戦争するかもしれない、深刻な問題です。世界の常識的に言えば、今までずっと「ひとつの中国」でやってきたため突然「ふたつの中国」に変更することは無理だろうということになり、トランプ大統領も誰に説得されたのか「ひとつの中国」について2月10日に習近平氏と電話会談を行い、「ひとつの中国」を認める旨を伝え、世界中が安堵しました。

アメリカ国内の不法移民の問題に関しても、当初は不法移民1,100万人を全員帰すことを言っていましたが、これは20兆円ほど費用がかかるため、見送られました。現在は、不法移民の中で犯罪歴のある人口が約200万人いるのですが、その200万人を強制送還中です。また、メキシコとの国境の壁についてですが、元々国境にフェンスがあったため、全部壁を造る必要はないから一部はフェンスでもよいということを言い始めました。

このように修正を行っているトランプ大統領ですが、選挙公約を果たそうとするのか、それとも共和党や国際社会をまとめる現実路線の方にいくのかはまだ分かりません。法人税の引き下げについて35%から15%という方針が共和党の主張する20%ぐらいになったとしても、不法移民の強制送還や国境の壁の建設をするにしても費用がかかります。そうすると、ただでさえ連邦財務が破綻しかけているのに将来どうなるか分からないという問題があります。さらに国際的にはロシアとの外交が今後どうなるのかといったこともあります。トランプ大統領は実はプーチン大統領が好きだとか、制裁も止めてもいいのではないかと思った節があったのですが、ロシアと一番仲が良かったフリン氏が辞任したことで今後ロシアとの関係もどうなるか分からなくなってきているうえ、イスラエルのアメリカ大使館をどこにおくかといった問題や、パレスチナとの二国家共存問題といった中東問題が今後どうなっていくのか分からない状況です。

それでは今日のまとめです。
軍事の面で言えば、NATOや日本との同盟関係が維持され、世界の平和はとりあえず保たれそうだということでよかったと思います。日本としては駐留米軍の費用の100%負担を求められることはなく、安堵しています。中国も1つの中国を認められたことで安堵しているでしょう。不法移民送還は1,100万人ではなく、犯罪歴のある200万人だけに絞られました。メキシコの国境も全部壁にするという話から一部だけ壁にして後はフェンスでもよいということになりました。トランプ政権はまだ始まったばかりですが、今後のどの方向に向かっていくのか注視が必要な状況です。

分野: |スピーカー: 村藤功

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