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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トランプ大統領ショック (企業財務 M&A/村藤功)

トランプ大統領ショック

村藤功 企業財務 M&A

17/02/23


今日はトランプ大統領ショックの話をしたいと思います。1月20日についにトランプ氏が大統領に就任し、トランプ体制を築いていかなければならないのですが、その政治任用ポストは4,000人ほどで、うち上院の承認が必要な人が693人もいます。2月半ば時点でどのくらい指名したかご存知でしょうか?数十名しか指名しておらず、まだ600人以上指名していません。そして指名した中で10人ほどしか上院が承認していません。

主要閣僚は少しずつ決めている状態です。財務長官のスティーブン・ムニューチンという人はゴールドマン・サックスにいましたが、税制を担当します。ウィルバー・ロス商務長官は今後日本との貿易交渉などを担当します。ジェームズ・マティス国防長官は軍事に係り、日本や韓国を先日訪問した人物です。レックス・ティラーソン国務長官は日本でいう外務大臣のようなポストで、アメリカでは国務長官と言います。ホワイトハウスの首席補佐官は政権No.2と言われているのですが、このポストにはラインス・プリーバス氏が就任します。スティーブ・バノン主席戦略官は、やや差別主義的な言動多いのではないかと言われています。マイケル・フリン補佐官は就任1ヶ月未満で先日辞任しました。大統領報道官にはショーン・スパイサー氏が就任しました。上級顧問には娘婿のジャレッド・クシュナー氏を起用しました。アメリカの場合は前述のウィルバー・ロス商務長官が2国間貿易協定担当だという話をしましたが、国家通商会議というものを組織していて、このトップにピーター・ナヴァロ氏という人が就いています。そのことを考えると、ピーター・ナヴァロ氏とウィルバー・ロス氏がこれからの交渉相手ということになります。続いて司法ですが、最高裁判所の判事にニール・ゴーサッチ氏が指名されました。この人が最高裁入りすれば、4:4で保たれていた保守とリベラルのバランスが5:4になると言われています。ほとんどのポストがまだ指名されていませんが、何人かは指名されて顔ぶれが見えてきたということになります。

トランプ大統領は選挙の時にしていた公約をいくつか大統領令を以て着手し始めています。実施しても良いと思われるものや、ややショッキングなものもあります。法人税引き下げやオバマケア撤廃には実際に共和党も賛成しています。法人税に関しては15%だと下げ過ぎのため、共和党は20%にしようと検討中です。オバマケア撤廃は厚生長官に承認されたプライス氏が掲げており、オバマケアに代替する大統領令、トランプケアが出てくるという状況です。

外交関係でもイスラエル関係では危ないことが起こり始めていて、イスラエルのネタニヤフ首相とトランプ大統領が先日会談した際に2つの非常にショッキングなことが話されました。1つがアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移すことです。キリスト教やイスラム教、ユダヤ教にとっての聖地に移転するということは中東全体を敵に回す可能性もあり、非常に恐ろしい話です。2つ目ですが、今までアメリカと国連はイスラエルとパレスチナの2国家の共存が必要だという立場だったのに、突然トランプ大統領がネタニヤフ首相に「別に2つでも1つでもいいや」というようなことを言い始めました。これも非常に恐ろしい話です。トランプ大統領が任命したヘイリー国連大使はこれを受けて大変驚き、アメリカの姿勢は当初のまま維持される旨を表明しました。大統領がいうように2国家でも1国家でもいいのか、あるいはパレスチナはやはり重要なのか、これが今大騒ぎになってきています。パレスチナが要らないといった話になれば中東で戦争になるかもしれなません。これは大変重要な話だと思います。
それから差別主義や保護主義についてです。まずメキシコとの国境問題ですが、大統領になったら壁づくりを始めました。それから移民や難民の問題ですが、7カ国、つまり中東・アフリカ辺りの危険視されている国からのビザ発給停止や難民受け入れを停止する大統領令が出ています。これを受けてシアトルの連邦地裁やサンフランシスコの連邦高等裁判所と戦いになっています。保護主義はどうなのかみていきましょう。トランプ大統領は、共和党が今まで実施してきた自由貿易主義に対してアメリカファーストだからアメリカを保護するということで、就任後間もなく1月23日にTPPから離脱を表明しました。先日、安倍総理がトランプ氏と会談やゴルフをしました。この際に、日米の通商関係については他の人達で話すかということで、麻生副総理とアメリカのペンス副大統領、世耕経済産業大臣と国家通商会議のピーター・ナヴァロ氏やウィルバー・ロス商務長官などで今後交渉することになりました。もう1つNAFTAというのがあります。アメリカがメキシコやカナダと作った自由貿易圏なのですが、このおかげでアメリカの工場が全てメキシコに行き、アメリカの雇用が失われたというふうにトランプ大統領は主張しています。メキシコとカナダと両方敵に回すのかと思ったら、カナダから来たトルドー首相と仲良く話をしているので、恐らくターゲットはメキシコでしょう。日本のトヨタも含まれていますが、特に自動車産業関係です。

それでは今日のまとめです。
1月20日にアメリカ大統領にトランプ氏が就任し、体制も整わないうちに大統領令が出始めました。メキシコとの国境の壁やイスラム教徒のビザ発給停止、難民受け入れ停止といった差別主義的政策が始まり、裁判所との戦いも始まりました。TPPはもう無効になりましたが、今後2国間交渉が始められそうです。ただ上院承認人事に関してはまだ大多数が決まらず残っているのため、体制はまだ出来ていません。中東問題やロシア問題、中国との問題などこれからどうなるか全く分からない状況です。

分野: |スピーカー: 村藤功

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